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ふくむすめどうわしゅう(福娘童話集) >ひゃくものがたり(百物語) >八月
8月24日の百物語
丸岡城の人柱
独眼女的人的冤魂
翻訳者 広東省恵州学院 呂靖雅
にほんご(日语) ・ちゅうごくご(中文) ・日语&中文
むかしむかし、丸岡城(まるおかじょう)が築城(ちくじょう→城を建てること)された時のお話です。
很久很久以前,在修筑丸罔城时有这样的传闻。
丸岡城は何度建てかけても、途中で城がくずれてしまって完成しませんでした。
丸罔城虽然修建了好几次,但每次修到一半就会倒塌没有办法完成。
「なぜ、途中でくずれてしまうのだ? もしかして、何かにたたられているのだろうか?」
“为什么途中城堡就倒塌了呢?说不定,是有什么在作祟吗?”
お城を建てる責任者は悩んだ末、ついに人柱(ひとばしら)を立てる事を考えました。
建筑城堡的负责人这样想着,最后想到了寻找祭品的事。
人柱とは、橋やお城が無事に完成する事を願って、生きた人間を生き埋めにする恐ろしい儀式です。
祭品就是为了能让桥和城顺利建起来,将人活埋掉的恐怖的祭祀仪式。
責任者は、人柱の希望者をつのりました。
负责人开始招募充当祭品的人。
しかし、自分から命を犠牲(ぎせい)にして、人柱を申し出る者などいるはずがありません。
但是,哪里会有愿意牺牲生命,报名当祭品的人呢。
そこで人柱の希望者が見つかるまで、築城は中断する事になりました。
因此,负责人决定在找到当祭品的人之前,将修建城堡的事情搁置。
その頃、丸岡の城下町(じょうかまち)に、片目の女が息子と住んでいました。
当时,丸罔的城边的街道里,住着一个独眼的女人和她的儿子。
女は片目の上に体も悪いので、とても貧しい生活をしていました。
这个女人瞎了一只眼睛而且身体也不好,过着非常贫穷的生活。
その片目の女が、人柱の話を聞いて思いました。
这个独眼的女人听了关于祭品的事,想着
(どうせ自分は、大して長生きは出来ない。
このまま自分が死んでしまったら、かわいい息子はどうなってしまうのだろう?
もし息子が、幸せになるならば・・・)
“反正,我自己也活不长。就这样死掉的话,我那可怜的孩子怎么办呢?要是能让儿子幸福的话…”
そこで片目の女は、自分が人柱になってもよいと奉行(ぶぎょう)に願い出ました。
于是,独眼的女人跟负责人提出自愿当祭品的事。
「わたしが、人柱となりましょう。ですがその代わりに、どうか息子を武士(ぶし)に取り立ててください」
“让我当祭品吧。但是条件是,提拔我的儿子当武士。”
「うむ、約束しよう」
“嗯嗯,一言为定。”
片目の女は奉行との約束を信じて、人柱になりました。
独眼的女人相信了和负责人的约定,当了祭品。
その後、丸岡城は無事に完成しましたが、どういうわけか、息子は武士に取り立ててもらえませんでした。
这之后,丸罔城顺利地建立起来了,但是不知道为什么,独眼的女人的儿子却没有被提升为武士。
丸岡城は無事に完成したものの、その堀は夏になると水面いっぱいに藻(も)が茂り、毎年、藻をからなければなりません。
虽然丸罔城顺利完成了,但是一到夏天护城河的水面就会长满海藻,每年都要去割海藻。
そして藻をかる日は決まって、小雨がしとしとと降り出すのです。
而且割海藻那天,肯定会下起淅淅沥沥的小雨。
町の人々はその小雨を、願いが叶えられなかった片目の女の悔し涙だと考えて、
城里的人都觉得这小雨是没有实现愿望的那个独眼的女人的悔恨的泪水,
♪あら、いとし、片日の女の涙雨。
‘诶,真可怜呀,独眼女人的泪雨。’
と、歌を歌いました。
大家这样吟唱着。
また丸岡城には片目の蛇が住んでおり、城に住む人たちは片目の女の怨霊(おんりょう)だと恐れたそうです。
而且丸罔城里住着独眼蛇,住在城里的人都担心这是独眼女人的冤魂。
おしまい
結束
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