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ふくむすめどうわしゅう(福娘童話集) >ひゃくものがたり(百物語) >十月
娘のお百夜参り
小姑娘的百夜参拜
翻訳者 河南省周口師範学院 王君雅
にほんご(日语) ・ちゅうごくご(中文) ・日语&中文
むかしむかし、ある村のお寺は大変良く効く魔除け(まよけ)のお札をくれる事で知られており、遠くからも多くの人がおとずれました。
很久很久以前,某个村子的寺庙以非常有效的辟邪护符而闻名,许多人都远道而来参拜
ある夏の夕暮れ、一人の美しい女の人が寺の門を叩きました。
在一个夏天的傍晚,一个美丽的姑娘敲开了寺院的门。
「魔除けのお札をもらいに参りました。どうぞ、一枚わけてください」
“我来求取辟邪护符,请给我一个吧。”
ですがその日は和尚(おしょう)さんが町に出かけていたので、お寺の小僧は明日の晩にまた来る様に言って帰ってもらいました。
可是因为那天高僧去镇上了,于是寺庙的小和尚说明天再来吧,小姑娘便回去了。
それからしばらくして、予定よりもはやく用事を済ませて町から帰ってきた和尚さんは、小僧から昨日の話を聞きました。
之后过了不久,高僧提前办完了事情回来了,从小和尚那里听说了昨天的事情。
(そんなに美しい女が、この村にいたのかな?)
(那样美丽的姑娘,这个村子里有吗?)
その夜の事、和尚さんの夢に本堂(ほんどう)の仏さまが現われて言いました。
那天夜里,大殿里的佛托梦给高僧,佛说到
「お札をもらいに来る娘は、和尚を食べに来た裏山に住む化け物じゃ。百夜通わせて弱らせてから、お札をくれてやるとよい」
“想要护身符的小姑娘是住在后山的妖怪,她是来吃掉你的。让她来一百次,等她变得虚弱以后,再给她护符也行。”
次の日のタ方、昨日の美しい女がやって来ました。
第二天傍晚,昨天那个美丽的小姑娘又来了。
「和尚さまのお札を、分けて下さい」
“请给我住持的护符吧。”
和尚さんが門のすき間からのぞいて見ると、今までみた事もないほど美しい娘でした。
高僧沿着门缝看,从未见过如此美丽的姑娘。
和尚さんはうっかり門を開けそうになりましたが、仏さまの言葉を思い出して言いました。
高僧晕晕乎乎就要打开门的时候,想起了佛说的话。
「すまぬが、わしの札は貴重(きちょう)な物。百夜の願をかけねば、やるわけにはいかんぞ」
便说“对不起,我的护符非常珍贵。不参拜百日的话,不能给你。”
すると娘は悲しそうな顔をして、帰って行きました。
于是小姑娘伤心地回去了。
美しい娘はそれから毎日タ方になると、山門まで願をかけに訪ねて来ました。
姑娘从那以后每天一到傍晚,都来山门参拜。
夏が過ぎて秋も終わる頃、美しい娘は和尚さんがかわいそうになるほど弱ってきました。
夏天过后秋天也快结束的时候,姑娘虚弱得连高僧都觉得很可怜。
いよいよ、百日目になりました。
终于,到了第一百天
和尚さんと小僧は魔除けのお札を山門のあちこちにはると、本堂でお経を読み始めました。
高僧和小和尚在山门的各处都贴上了辟邪护符,然后在大殿里开始念经。
山門にやって来た娘は魔除けのお札を見るとブルブルと震え出し、たちまちまっ黒な化け物の姿になって山門を打ち破るとお寺の中に入ってきたのです。
来到山门的小姑娘一看到辟邪符就哆哆嗦嗦地颤抖着,转眼间变成了黑漆漆的妖怪,打破山门闯进了寺院里。
その時、天から一条の光が境内(けいだい)の池に差し込むと、水しぶきをあげて竜が飛び出して、化け物と、とっくみ合いの戦いを始めたのです。
这时,一道光从天而降,射进院内的池塘,一条龙溅起水花飞了出来,和妖怪打了起来。
大変力の強い化け物でしたが、お百夜参りで弱っていたので、最後には竜に倒されて池に引き込まれてしまいました。
虽然妖怪力量强大,但是因为百夜参拜变得很虚弱,最后被龙打倒,拖进了池子里。
その事があってから、この寺を龍徳寺(りゅうとくじ)と呼ぶ様になったのです。
自从这件事以后,这个寺庙就被大家叫做龍徳寺。
おしまい
結束
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