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11月3日の百物語
(11月3日的日本鬼故事)
羅生門の鬼
羅生門鬼
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投稿者 「つれづれ居士」 つれづれ居士
今から千年以上もむかし、京の都には酒呑童子(しゅてんどうじ)という、恐ろしい鬼の親分がいました。
千年前、京都有條喊酒吞童子的好駭人的鬼王。
酒呑童子は大江山(おおえやま)を隠れ家にして、都へ現れては仲間たちと悪い事を重ねた鬼でしたが、源頼光(みなもとのよりみつ)の家来の渡辺綱(わたなべのつな)、卜部季武(うらべのすえたけ)、碓井貞光(うすいさだみつ)、坂田金時(さかたのきんとき)の四人が山伏(やまぶし)に姿を変えて、酒呑童子を見事にせいばつしたのです。
鬼王這據點就到大江山、一上街就是群鬼一起燒殺強、後面碰到源賴光稀爛、鬼王就著賴光帶到的幾條人一起過剿了、分別是渡辺綱、卜部季武、碓井貞光、坂田金時。
酒呑童子をせいばつして都に平和を取り戻した四人は、ある夜に集まってお酒を飲んでいました。
鬼王著弄、這四人就邏了個時間一起吃酒。
最初はたわいもない世間話をしていましたが、やがて四人の話は羅生門(らしょうもん)というところに夜な夜な現れる化け物の話になり、リーダー格の貞光(さだみつ)がみんなに尋ねました。
幾條人一起就扯到酒、扯到扯到就開始扯羅生門了、就講每天晚上從羅生門出來的鬼、裡面最有本事的貞光就講。
「羅生門に住む化け物は鬼だと言われておるが、おのおの方はどう思われる?」
都講羅生門裡面住到鬼、你們怎麼看?
「鬼か、それはありうる事じゃ」
我不曉得、不是不可能。
「うむ。おるかもしれんのう」
可能真有吧。
季武(すえたけ)と金時(きんとき)が言うと、一番年の若い渡辺綱(わたなべのつな)が、むきになって反対しました。
前面講話的是季武和金時、裡面最年輕的渡辺綱反而持反對意見。
「鬼とは、信じられません。鬼は大江山で、我々が全部退治したではありませんか」
大江山的鬼都著我們搞完了、怎麼可能還得有鬼啦。
「確かにな。しかし、取り残しがあったかもしれんぞ」
但是有些可能跑脫了哦。
「いいえ。鬼どもは、確かに全部退治したはず」
不可能、當時是全部殺完了。
「まあまあ、そうむきになるな」
也是講就隨便扯哈卵談、也不要太認真、有不有都無所謂。
「それならいっそ、羅生門に行って確かめてはどうだ?」
那我們去羅生門看哈子去啊?
「わかりました。では、わたしが確かめに行きます」
渡辺綱這就講他去。
こうして渡辺綱が羅生門に行く事になり、仲間の三人は渡辺綱に言いました。
這就決定是渡辺了、其他三條人就交待。
「いいか。本当に羅生門へ行った事がわかる様に、高札(こうさつ)を立ててこいよ」
那你到時候就幫羅生門上面掛塊牌子、讓大家都曉得你去了。
外に出ると、いつの間にか生暖かい雨が降っていました。
人走出去這才一踋、下起悶雨了。
馬に乗って羅生門にやってきた綱は、楼門(ろうもん→二階造りの門)を見上げて辺りを見回しました。
綱騎馬到了羅生門、對到擺牌匾的位置望了一眼、這就又看了一哈旁邊。
しーんと静まり返り、何かがひそんでいる様な気配はありません。
安安靜靜的、㫘看到有甚麼人躲到的樣子。
「ふん、鬼どころか、人一人おらんじゃないか」
這裡人都㫘得、莫講鬼了。
綱は鼻先で笑うと、約束の高札を羅生門の門前に打ち立てました。
綱這就還笑了一哈、幫牌匾掛到羅生門上面了。
《渡辺綱。約束によりて羅生門、門前に参上す》
我渡辺綱、羅生門、人來了。
牌子上就這麼寫到的
そして綱が帰ろうとした時、暗い柱のかげから一人の若い娘が現れました。
這就準備騎馬走人了、柱子影後面一條年輕女的這就出來了。
(いつの間に? それにしても、こんな夜ふけに娘が一人でどこへ行くのだろう?)
這是甚麼時候來的?這半夜還有條女的一個人到這地方啊。
不思議に思った綱が声を掛けると、娘が答えました。
綱這就打了個招呼、女的也回了。
「わたしはこれから、五条の父のところへ戻らねばなりませぬ。でも、雨が降って道がぬかるみ、困っていたのでございます」
女的講他自己要回去五條(地名)他老頭那裡、但是下雨現在路是稀爛、不曉得要怎麼搞。
「ほう、五条ならわたしの帰る方と同じじゃ。それなら、一緒に馬に乗っていかれるがよい」
綱想了一哈、這和自己同路、就邀女的上馬了。
そう言って綱が娘に手を差し伸べた時、娘の姿が鬼に変わったかと思うと、ものすごい力で綱の首をしめつけてきました。
綱這就對到女的幫手摛出去、哪曉得女的這就是鬼臉一變、手對到綱的顜頚就開始掐。
「ぐっ!」
幹!
綱が刀に手を掛けると、鬼は首から手を離して空中高く舞い上がります。
綱刀一上手、女鬼也是放手飛到了天上。
「おのれ! きさまが羅生門の鬼であったか」
你就是羅生門的鬼是把!
「アハハハハハッ、今さら分かっても、もう遅いわ!」
對頭、你現在才曉得已經遲啦!
空中の鬼が再び綱に襲い掛かりましたが、綱はその攻撃をかわすと、鬼の一瞬のすきをついて鬼の腕を切り落としました。
天上的鬼又飛落來對到綱撲上去、綱一躲、再就等到條空隙、一刀幫鬼手下了。
「えい!」
爛!
「ウギャァァァァッ!」
啊啊啊!
腕を切り落とされた鬼は空中へ逃げると、綱をにらみつけて言いました。
鬼少了條手、飛天上走了、走到時候就惡起臉看到綱的。
「綱よ、その腕を七日間だけ、きさまにあずける! 腕は必ず、取り戻しに行くからな!」
我只要七天、手就先放到你那裡、到時候一定來取。
そして鬼は、空高く舞い上がって消えました。
這就飛天不見了去。
「やはり鬼がいたのか」
還真有鬼剩落來了。
綱は切り落とした鬼の腕を拾うと、戻って仲間たちに見せました。
綱幫手膀子撿起來回去讓其他人看。
その鬼の腕は、はがねの様に固く太い腕で、針を突き刺した様な毛が一面に生えています。
那條鬼手硬的像鐵、毛一根根都是針。
「一人で鬼の腕を切り落とすとは、大したものだ」
其他人也是講、這一條人就幫鬼手下了、厲害厲害。
「全くだ。だが七日の間に鬼が腕を取り戻しに来るのだろう。大丈夫か?」
但是鬼放話七天內要回來取手、這案子不要緊啊?
心配する仲間の言葉に、綱は胸を張って言いました。
其他人就有點擔心、但是綱完全㫘虛。
「大丈夫。鬼が腕を取りに来たら、返り討ちにしてくれるわ」
他只要敢來、那就稀爛。
その日から綱は、鬼の腕を頑丈な木箱に入れると家の警護をげんじゅうにしました。
這幾天、綱就幫鬼手好甚一收、又幫屋裡佈置得好警戒。
綱は鬼の腕からひと時も離れず、昼も夜も見守りました。
綱就到鬼手邊上守到的、那裡也不去。
そうして何事もなく、七日目をむかえました。
但是甚麼事都㫘發生、這就七天了。
その夜は月の美しい夜で、一人の老婆(ろうば)が綱の家をおとずれました。
這天晚上月亮好大、一條老婆子就訪到綱他屋了。
老婆が言うには自分は綱のおばにあたる者で、はるばる難波(なんば→大阪)から綱を訪ねて来たと言います。
老婆子自己講是綱的舅媽、專門從難波(大阪)跑到這麼遠過來看綱來的。
綱は家来に命じて老婆を追い返そうとしましたが、老婆は必死になって言います。
綱就喊下人幫這老婆子趕走、但是老婆子就是一直磨。
「綱に会いたい一心で、わざわざ難波から来たのじゃ、もう年で体も弱り、今夜が会える最後かも知れぬ身。どうかばばの願いを聞き届けてくだされ」
就講自己馬上就要死了、這是最後一面啊、所以才從難波那麼遠過來啊、無論如何都要講上一二句話啊。
そこで仕方なく、綱は老婆を屋敷に入れました。
綱㫘得辦法、這就著婆子過磨進屋了
老婆は綱の顔を見ると、涙を流して喜びました。
老婆子這就看到綱的臉、眼睛水雙拋。
「綱や、覚えておいでかい? お前のおばさんじゃよ。お前が子どもの頃、母親代わりに育てたおばさんじゃよ。ところで、この物々しい警護はどうしたのじゃ? 何か悪い事でもあったのか?」
就講記不得我啦、我是你舅媽啊、小時候你媽㫘到都是我帶到你的啊、這就又講了一些、最後又問怎麼屋裡這麼緊張、是出甚麼事了啊?
綱は、おばさんの事を思い出せませんでしたが、それでも問われるままに、羅生門の鬼の事を話しました。
綱自己是一點都想不起來自己小時候還有舅媽的這條事了、但是問都問了、這就幫鬼手的事過講了。
すると老婆はとても喜んで、綱に言いました。
婆子這一哈就突然好高興、對到綱講。
「そうかいそうかい。たとえ育ての子とはいえ、その様な手柄を立ててくれたとはのう。おばさんは、うれしゅうてならんわ。ところで綱や。その鬼の腕とやらを、一目だけでも見せてはくれぬか?」
婆子就講自己的綱有出息了啊、是好開心、這就讓綱讓自己看哈子那鬼手到底是甚麼樣子的。
さすがに綱も、それだけは断りました。
但是綱㫘肯。
「明日ならまだしも、今夜は箱を開けるわけにはいきません」
明天還差不多、今天晚上這箱子開不了。
「明日か。じゃがわたしは、今夜中にどうしても難波に帰らねばならん。それにたとえ鬼が来ても、強い綱がおれば大丈夫だろう?」
但婆子講自己怕是等不到了、這就天亮之前又要回去難波了、這就又講、綱這麼厲害、就算鬼出來了也不怕。
こう言われて、さすがの綱も気がゆるみました。
綱這過也就著日弄進去了。
(覚えてはおらぬが、子どもの頃に世話になった事だし)
想自己雖然是忘記了、不過別個小時候帶過自己。
綱は箱を開くと、中から鬼の腕を取り出しました。
這也就開了箱子、取出鬼手。
「これが、鬼の腕です」
就是長的這條樣子。
「おおっ、なんともすごい腕じゃのう。・・・どれどれ、ちょっとさわらせておくれ」
婆子就誇這手彪悍、自己還想摸。
綱が老婆に鬼の腕を差し出したその時、老婆のやさしそうな顔が恐ろしい羅生門の鬼の顔になりました。
綱就幫手過起婆子、這婆子就一哈變成鬼臉啦。
「ギャハハハハハッ。綱よ、七日目の夜、この腕をしかともらったぞっ!」
看到吧!綱、我講七天取手、那就七天取手!
「おのれっ、はかったな!」
稀爛!
綱が刀を抜くもの間に合わず、鬼は自分の腕をつかんだまま空中高く舞い上がり、雲の中へと消えてしまいました。
這等綱幫刀抽出來、別個鬼早就幫鬼手鬥(象形、門上枓栱、拼接之意、鬥攏)上去、飛上天、不見到雲裡面去了。
おしまい
结束
※ 酒吞童子の話「酒呑童子」、「渡辺綱と酒呑童子」、「羅生門の鬼」
おまけ
ささらとゆっくり昔話 第11話【酒呑童子】
読者の「NS.MOOOON」さんの投稿作品。
日本昔話を現代っぽくアレンジしたらこうなったシリーズ。
おまけ
ささらとゆっくり昔話 第11話【酒呑童子】
読者の「NS.MOOOON」さんの投稿作品。
知っているようで知らない日本昔話を、あれやこれやとささらちゃんが学んでいく動画です。
おまけ
ささらと昔話講座 番外編03話【悪鬼伝承】
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