昔話の英語《福娘童話集》昔話の英語 Japanese & English昔話の英語《福娘童話集》 童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集
 


福娘童話集 > 百物語 > 十一月

11月3日の百物語
(11月3日的日本鬼故事)

羅生門の鬼

羅生門の鬼
羅生門鬼

日本語 ・日本語&中国語

※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先

投稿者 「つれづれ居士」  つれづれ居士

おりがみをつくろう ( おりがみくらぶ より)
赤鬼・青鬼の折り紙あかおに・あおおに

♪音声配信(html5)
朗読者 ; ☆横島小次郎☆

今から千年以上もむかし、京の都には酒呑童子(しゅてんどうじ)という、恐ろしい鬼の親分がいました。
千年前、京都有條喊酒吞童子的好駭人的鬼王。

酒呑童子は大江山(おおえやま)を隠れ家にして、都へ現れては仲間たちと悪い事を重ねた鬼でしたが、源頼光(みなもとのよりみつ)の家来の渡辺綱(わたなべのつな)、卜部季武(うらべのすえたけ)、碓井貞光(うすいさだみつ)、坂田金時(さかたのきんとき)の四人が山伏(やまぶし)に姿を変えて、酒呑童子を見事にせいばつしたのです。
鬼王這據點就到大江山、一上街就是群鬼一起燒殺強、後面碰到源賴光稀爛、鬼王就著賴光帶到的幾條人一起過剿了、分別是渡辺綱、卜部季武、碓井貞光、坂田金時。

酒呑童子をせいばつして都に平和を取り戻した四人は、ある夜に集まってお酒を飲んでいました。
鬼王著弄、這四人就邏了個時間一起吃酒。

最初はたわいもない世間話をしていましたが、やがて四人の話は羅生門(らしょうもん)というところに夜な夜な現れる化け物の話になり、リーダー格の貞光(さだみつ)がみんなに尋ねました。
幾條人一起就扯到酒、扯到扯到就開始扯羅生門了、就講每天晚上從羅生門出來的鬼、裡面最有本事的貞光就講。

「羅生門に住む化け物は鬼だと言われておるが、おのおの方はどう思われる?」
都講羅生門裡面住到鬼、你們怎麼看?

「鬼か、それはありうる事じゃ」
我不曉得、不是不可能。

「うむ。おるかもしれんのう」
可能真有吧。

季武(すえたけ)と金時(きんとき)が言うと、一番年の若い渡辺綱(わたなべのつな)が、むきになって反対しました。
前面講話的是季武和金時、裡面最年輕的渡辺綱反而持反對意見。

「鬼とは、信じられません。鬼は大江山で、我々が全部退治したではありませんか」
大江山的鬼都著我們搞完了、怎麼可能還得有鬼啦。

「確かにな。しかし、取り残しがあったかもしれんぞ」
但是有些可能跑脫了哦。

「いいえ。鬼どもは、確かに全部退治したはず」
不可能、當時是全部殺完了。

「まあまあ、そうむきになるな」
也是講就隨便扯哈卵談、也不要太認真、有不有都無所謂。

「それならいっそ、羅生門に行って確かめてはどうだ?」
那我們去羅生門看哈子去啊?

「わかりました。では、わたしが確かめに行きます」
渡辺綱這就講他去。

こうして渡辺綱が羅生門に行く事になり、仲間の三人は渡辺綱に言いました。
就決定是渡辺了、其他三條人就交待。

「いいか。本当に羅生門へ行った事がわかる様に、高札(こうさつ)を立ててこいよ」
那你到時候就幫羅生門上面掛塊牌子、讓大家都曉得你去了。

外に出ると、いつの間にか生暖かい雨が降っていました。
人走出去這才一踋、下起悶雨了。

馬に乗って羅生門にやってきた綱は、楼門(ろうもん→二階造りの門)を見上げて辺りを見回しました。
綱騎馬到了羅生門、對到擺牌匾的位置望了一眼、這就又看了一哈旁邊。

しーんと静まり返り、何かがひそんでいる様な気配はありません。
安安靜靜的、㫘看到有甚麼人躲到的樣子。

「ふん、鬼どころか、人一人おらんじゃないか」
這裡人都㫘得、莫講鬼了。

綱は鼻先で笑うと、約束の高札を羅生門の門前に打ち立てました。
綱這就還笑了一哈、幫牌匾掛到羅生門上面了。

《渡辺綱。約束によりて羅生門、門前に参上す》
我渡辺綱、羅生門、人來了。
牌子上就這麼寫到的


そして綱が帰ろうとした時、暗い柱のかげから一人の若い娘が現れました。
這就準備騎馬走人了、柱子影後面一條年輕女的這就出來了。

(いつの間に? それにしても、こんな夜ふけに娘が一人でどこへ行くのだろう?)
這是甚麼時候來的?這半夜還有條女的一個人到這地方啊。

不思議に思った綱が声を掛けると、娘が答えました。
綱這就打了個招呼、女的也回了。

「わたしはこれから、五条の父のところへ戻らねばなりませぬ。でも、雨が降って道がぬかるみ、困っていたのでございます」
女的講他自己要回去五條(地名)他老頭那裡、但是下雨現在路是稀爛、不曉得要怎麼搞。

「ほう、五条ならわたしの帰る方と同じじゃ。それなら、一緒に馬に乗っていかれるがよい」
綱想了一哈、這和自己同路、就邀女的上馬了。

そう言って綱が娘に手を差し伸べた時、娘の姿が鬼に変わったかと思うと、ものすごい力で綱の首をしめつけてきました。
綱這就對到女的幫手摛出去、哪曉得女的這就是鬼臉一變、手對到綱的顜頚就開始掐。

「ぐっ!」
幹!

綱が刀に手を掛けると、鬼は首から手を離して空中高く舞い上がります。
綱刀一上手、女鬼也是放手飛到了天上。

「おのれ! きさまが羅生門の鬼であったか」
你就是羅生門的鬼是把!

「アハハハハハッ、今さら分かっても、もう遅いわ!」
對頭、你現在才曉得已經遲啦!

空中の鬼が再び綱に襲い掛かりましたが、綱はその攻撃をかわすと、鬼の一瞬のすきをついて鬼の腕を切り落としました。
天上的鬼又飛落來對到綱撲上去、綱一躲、再就等到條空隙、一刀幫鬼手下了。

「えい!」
爛!

「ウギャァァァァッ!」
啊啊啊!

腕を切り落とされた鬼は空中へ逃げると、綱をにらみつけて言いました。
鬼少了條手、飛天上走了、走到時候就惡起臉看到綱的。

「綱よ、その腕を七日間だけ、きさまにあずける! 腕は必ず、取り戻しに行くからな!」
我只要七天、手就先放到你那裡、到時候一定來取。

そして鬼は、空高く舞い上がって消えました。
這就飛天不見了去。

「やはり鬼がいたのか」
還真有鬼剩落來了。

綱は切り落とした鬼の腕を拾うと、戻って仲間たちに見せました。
綱幫手膀子撿起來回去讓其他人看。

その鬼の腕は、はがねの様に固く太い腕で、針を突き刺した様な毛が一面に生えています。
那條鬼手硬的像鐵、毛一根根都是針。

「一人で鬼の腕を切り落とすとは、大したものだ」
其他人也是講、這一條人就幫鬼手下了、厲害厲害。

「全くだ。だが七日の間に鬼が腕を取り戻しに来るのだろう。大丈夫か?」
但是鬼放話七天內要回來取手、這案子不要緊啊?

心配する仲間の言葉に、綱は胸を張って言いました。
其他人就有點擔心、但是綱完全㫘虛。

「大丈夫。鬼が腕を取りに来たら、返り討ちにしてくれるわ」
他只要敢來、那就稀爛。

その日から綱は、鬼の腕を頑丈な木箱に入れると家の警護をげんじゅうにしました。
這幾天、綱就幫鬼手好甚一收、又幫屋裡佈置得好警戒。

綱は鬼の腕からひと時も離れず、昼も夜も見守りました。
綱就到鬼手邊上守到的、那裡也不去。

そうして何事もなく、七日目をむかえました。
但是甚麼事都㫘發生、這就七天了。

その夜は月の美しい夜で、一人の老婆(ろうば)が綱の家をおとずれました。
這天晚上月亮好大、一條老婆子就訪到綱他屋了。

老婆が言うには自分は綱のおばにあたる者で、はるばる難波(なんば→大阪)から綱を訪ねて来たと言います。
老婆子自己講是綱的舅媽、專門從難波(大阪)跑到這麼遠過來看綱來的。

綱は家来に命じて老婆を追い返そうとしましたが、老婆は必死になって言います。
綱就喊下人幫這老婆子趕走、但是老婆子就是一直磨。

「綱に会いたい一心で、わざわざ難波から来たのじゃ、もう年で体も弱り、今夜が会える最後かも知れぬ身。どうかばばの願いを聞き届けてくだされ」
就講自己馬上就要死了、這是最後一面啊、所以才從難波那麼遠過來啊、無論如何都要講上一二句話啊。

そこで仕方なく、綱は老婆を屋敷に入れました。
綱㫘得辦法、這就著婆子過磨進屋了

老婆は綱の顔を見ると、涙を流して喜びました。
老婆子這就看到綱的臉、眼睛水雙拋。

「綱や、覚えておいでかい? お前のおばさんじゃよ。お前が子どもの頃、母親代わりに育てたおばさんじゃよ。ところで、この物々しい警護はどうしたのじゃ? 何か悪い事でもあったのか?」
就講記不得我啦、我是你舅媽啊、小時候你媽㫘到都是我帶到你的啊、這就又講了一些、最後又問怎麼屋裡這麼緊張、是出甚麼事了啊?

綱は、おばさんの事を思い出せませんでしたが、それでも問われるままに、羅生門の鬼の事を話しました。
綱自己是一點都想不起來自己小時候還有舅媽的這條事了、但是問都問了、這就幫鬼手的事過講了。

すると老婆はとても喜んで、綱に言いました。
婆子這一哈就突然好高興、對到綱講。

「そうかいそうかい。たとえ育ての子とはいえ、その様な手柄を立ててくれたとはのう。おばさんは、うれしゅうてならんわ。ところで綱や。その鬼の腕とやらを、一目だけでも見せてはくれぬか?」
婆子就講自己的綱有出息了啊、是好開心、這就讓綱讓自己看哈子那鬼手到底是甚麼樣子的。

さすがに綱も、それだけは断りました。
但是綱㫘肯。

「明日ならまだしも、今夜は箱を開けるわけにはいきません」
明天還差不多、今天晚上這箱子開不了。

「明日か。じゃがわたしは、今夜中にどうしても難波に帰らねばならん。それにたとえ鬼が来ても、強い綱がおれば大丈夫だろう?」
但婆子講自己怕是等不到了、這就天亮之前又要回去難波了、這就又講、綱這麼厲害、就算鬼出來了也不怕。

こう言われて、さすがの綱も気がゆるみました。
綱這過也就著日弄進去了。

(覚えてはおらぬが、子どもの頃に世話になった事だし)
想自己雖然是忘記了、不過別個小時候帶過自己。

綱は箱を開くと、中から鬼の腕を取り出しました。
這也就開了箱子、取出鬼手。

「これが、鬼の腕です」
就是長的這條樣子。

「おおっ、なんともすごい腕じゃのう。・・・どれどれ、ちょっとさわらせておくれ」
婆子就誇這手彪悍、自己還想摸。

綱が老婆に鬼の腕を差し出したその時、老婆のやさしそうな顔が恐ろしい羅生門の鬼の顔になりました。
綱就幫手過起婆子、這婆子就一哈變成鬼臉啦。

「ギャハハハハハッ。綱よ、七日目の夜、この腕をしかともらったぞっ!」
看到吧!綱、我講七天取手、那就七天取手!

「おのれっ、はかったな!」
稀爛!

綱が刀を抜くもの間に合わず、鬼は自分の腕をつかんだまま空中高く舞い上がり、雲の中へと消えてしまいました。
這等綱幫刀抽出來、別個鬼早就幫鬼手鬥(象形、門上枓栱、拼接之意、鬥攏)上去、飛上天、不見到雲裡面去了。

おしまい
结束

※ 酒吞童子の話「酒呑童子」、「渡辺綱と酒呑童子」、「羅生門の鬼

おまけ
ささらとゆっくり昔話 第11話【酒呑童子】

読者の「NS.MOOOON」さんの投稿作品。

日本昔話を現代っぽくアレンジしたらこうなったシリーズ。

おまけ
ささらとゆっくり昔話 第11話【酒呑童子】

読者の「NS.MOOOON」さんの投稿作品。

知っているようで知らない日本昔話を、あれやこれやとささらちゃんが学んでいく動画です。

おまけ
ささらと昔話講座 番外編03話【悪鬼伝承】

前のページへ戻る
(回到上一页)

     11月 3日の豆知識

366日への旅
きょうの記念日
みかんの日
きょうの誕生花
菊(きく)
きょうの誕生日・出来事
1997年 北村匠海(俳優)
恋の誕生日占い
世話好きな気配り上手で、おしゃべりが得意
なぞなぞ小学校
ペットショップに売っている、食べられないチーズは?
あこがれの職業紹介
漆器工
恋の魔法とおまじない 308
友だちを増やすおまじない
  11月 3日の童話・昔話

福娘童話集
きょうの日本昔話
尻尾の釣り
きょうの世界昔話
ヒツジの始まり
きょうの日本民話
皿々雪(さらさらゆき)
きょうのイソップ童話
ハイエナとキツネ
きょうの江戸小話
右大臣左大臣
きょうの百物語
羅生門の鬼

福娘のサイト

http://hukumusume.com

366日への旅
毎日の記念日などを紹介
福娘童話集
日本最大の童話・昔話集
さくら SAKURA
女の子向け職業紹介など
なぞなぞ小学校
小学生向けなぞなぞ