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福娘童話集 > 百物語 > 十二月
12月17日の百物語
(12月17日的日本鬼故事)
なぞなぞ化け物
解謎鬼
・日本語 ・日本語&中国語
むかしむかし、旅のお坊さんが、山のふもとの村にやって来て頼みました。
到好久以前、有條雲遊僧、這就到了個山踋底下的村。
「どうか、一晩、泊めてくださらんか?」
也是想尋個落踋的去處。
しかしどこの家も、お坊さんを泊めてくれません。
但是㫘得一家願意留和尚
そこでお寺はないかとたずねると、村人がこう言いました。
和尚這就問這附近有寺吧拉。
「あるにはあるが、あの荒れ寺には行かんほうがええ。
村裡人就講有、但是不建議和尚去。
あの寺には夜になると、なぞなぞをかける化け物が現れるんだ。
講是這廟裡頭晚上要出來一條鬼跟人論道。
そしてなぞなぞがとけんと、化け物に命を取られてしまう。
只要回答不出問題、那就稀爛。
今までに、何人の和尚(おしょう)が殺された事か」
這過都死好幾條和尚了。
ところが旅のお坊さんは、怖がるどころかうれしそうに言いました。
但是這條和尚是一點不慌、反而還好有把握。
「わしは、なぞなぞが大好きでな。化け物のなぞなぞをといて、化け物の正体を見破ってやろう」
那我就跟他論哈子嘛、看我這就幫他的真身破了去。
その夜、荒れ寺に着いたお坊さんが本堂でお経を唱えていると、どこからか生臭い風が吹いて来て、破れたしょうじに顔の長い化け物の影がうつりました。
晚上、和尚就到大佛底下對到唸到經的、這就一陣腥風、破紙門上面這就映出條臉好長的不曉得甚麼鬼。
そしてお坊さんに、こう言ったのです。
這就講話了。
「木へんに春の、ていてい小法師(こぼうし)はおるか?」
木春之天天小法師到不到?
「そんな者は、おらん。お前は、誰じゃ?」
㫘得這條人、你是那個啊?
「トウヤのバズ。わしの正体を当ててみい」
你猜、爹只跟你講線索是“拖雅之靶子”
「それは簡単。トウヤは、東の野原。バズは、馬の頭。つまり、東野の馬頭。お前は東の野原で死んだ、馬の頭の化け物であろう。引っ込め!」
簡單、拖雅就是東荒野、靶子是馬腦鬠、你又是條鬼、所以講你就是死到東荒野的馬頭妖。爬!
お坊さんに言い当てられた化け物は、
這鬼著和尚看破了真身
「ヒェーン!」
我日!
と、逃げてしまいました。
這就過跑了。
しばらくすると、また生臭い風が吹いて来て、破れたしょうじに立派なヒゲを生やした化け物の影がうつりました。
這就又是一哈、又來一陣腥風、這次門上是條長鬍子的鬼影。
「木へんに春の、ていてい小法師はおるか?」
木春之天天小法師到不到?
「そんな者は、おらん。お前は、誰じゃ?」
㫘到、你那個?
「ナンチのダイリ。わしの正体を当ててみい」
爹是狼吃之歹厲、你摸的到吧?
「それは簡単。ナンチは、南の池。ダイリは、大きな鯉。つまり、南池の大鯉。お前は南の池で死んだ、大鯉の化け物であろう。引っ込め!」
容易、狼吃就是南池、歹厲就是大鯉魚、你就是條死到南池的大鯉魚、爬!
お坊さんに言い当てられた化け物は、
這大鯉魚一被曉得真身。
「ヒェーン!」
啊啊!
と、逃げてしまいました。
就過跑了。
しばらくすると、またまた生臭い風が吹いて来て、破れたしょうじにとさかのある化け物の影がうつりました。
這腥風就又來了、門影子上面這次是頂條雞冠。
「木へんに春の、ていてい小法師はおるか?」
木春之天天小法師到不到?
「そんな者は、おらん。お前は、誰じゃ?」
就講㫘看到了、你是那個?
「サイチクリンのヘンソクケイ。わしの正体を当ててみい」
爹、塞其狗嶺之恨鎖摳開
今度は少し難しいなぞなぞでしたが、お坊さんは少し考えて言いました。
和尚這也著搞懵逼了、稍微想了一哈。
「サイチクリンは、西の竹の林。ヘンソクとは、一本足。ケイは、鶏(ニワトリ)。つまり、西竹林の片足鶏。お前は西の竹やぶで死んだ、一本足のニワトリの化け物であろう。引っ込め!」
塞其狗嶺就是西邊的竹林、恨鎖摳就是一條踋(へんそく、片足)、開就是雞、你就是西竹林裡面死到的一條野雞、爬!
お坊さんに言い当てられた化け物は、
這就又中了
「ヒェーン!」
啊啊!
と、逃げてしまいました。
跑了。
しばらくすると、またまた生臭い風が吹いて来て、破れたしょうじに立派なツノを生やした化け物の影がうつりました。
風來、這回影子是一條生了大角的不曉得甚麼卵。
「木へんに春の、ていてい小法師はおるか?」
木春之天天小法師到不到?
「そんな者は、おらん。お前は、誰じゃ?」
這批兒到底是哪個?㫘到、你哪個啊?
「ホクソウレイバのロウギュウズ。わしの正体を当ててみい」
或口素偶奶吧之邏漚給幼嘔資、就是我。
「何だ、簡単すぎてつまらん。ホクソウレイバとは、北の葬礼場(そうれいば→おはか)。ロウギュウズは、年を取って死んだ牛の頭の化け物。つまり、北葬礼場の老牛頭。お前は北の葬礼場で死んだ、年寄りの牛の頭の化け物であろう。引っ込め!」
這個最簡單了、或口素偶奶吧就是北邊的墳地、
邏漚給幼嘔資就是上了年紀的老牛頭(ロウギュウズ、老牛頭)、爬!北墓地的老牛亡魂
お坊さんに言い当てられた化け物は、
這就
「ヒェーン!」
啊啊!
と、逃げてしまいました。
跑了。
「さて、これで東西南北の化け物が出つくしたわい」
這東南西北都齊了啊、和尚心想、好。
お坊さんが寝ようと横になると、今度は床下から生臭い風が吹いて来て、破れたしょうじに頭の大きな化け物の影がうつりました。
和尚這就幫地板上一躺、準備休息了、這次是地板底下一陣腥風、門影是腦鬠好大的不曉得甚麼卵。
「やい、坊主。よくも、わしら化け物の正体を見破って、仲間を追い返したな!」
有本事啊、和尚!幫夥計們全駭走完了。
「お前は、誰じゃ?」
你哪個?
「木へんに春のていてい小法師とは、わしの事だ。さあ、正体を当ててみい」
爹就是木偏春天天小法師、來、我看你幫我破了。
「簡単、簡単。木へんに春は、『椿(つばき)』。
簡單、木字偏旁加條春就是椿。
ていてい小法師とは、わらをたたく木づちの呼び名。つまり椿の木で作られた、木づちの化け物であろう。引っ込め!」
天天小法師就是刷稻草那根棒頭的通稱、爬!你這條椿木茅草棒頭。
お坊さんに言い当てられた化け物は、
這就
「ヒェーン!」
啊啊!
と、逃げてしまいました。
天天小法師也過跑路了。
そしてそれっきり、化け物は現れませんでした。
好、這就完了、以後就都㫘鬼出來了。
翌朝、お坊さんを心配した村人たちが、荒れ寺にやって来ました。
第二天、村裡人來廟裡面看和尚還活到吧。
村人たちは、お坊さんが無事だったので、驚いた様子です。
一看、人好好的、㫘死、這都過驚了。
「お坊さま、よくぞご無事で。化け物たちが、現れなかったですか?」
唉?你人還活到的啊?違是昨天晚上㫘看到鬼出來啊。
「出たぞ。東の野原で死んだ馬の頭や、南の池で死んだ鯉や、西の竹やぶで死んだ一本足のニワトリや、北のお墓のそばで死んだ牛の頭の化け物どもがな。
來了、東馬南鯉西雞北牛。
その化け物どもが、寺の床下に住む椿の木づちに会いに来たが、わしが全ての正体を見破って追い返してやった。
這些批兒都來邏我當時地板底下的天天小法師、那曉得全著我看破完了。
わしは今からそれらを残らず拾い集めて、ねんごろにとむらってやるつもりだが、お主たちも手伝ってくれんか」
我這就要幫東南西北都去了、撿他們的骨超度他們亡靈、你們要幫這條忙吧。
お坊さんはそう言って床板を外すと、このお寺を作る時に使われたきり置き忘れられた椿の木の木づちを取り出しました。
和尚這就又幫地板一揭、幫被留到裡面㫘人管的天天小法師一取、當時搭廟的還到用、這後面就忘了。
人に使われていた道具は、忘れたままにされると魂が宿って化け物になると言われています。
講這著用過的東西人一忘記久就成精了。
また、誰にも知られる事なく死んだ動物たちも、化け物になる事があると言われています。
還有要是一個人哪個都不曉得就那麼突然死了、死時㫘一個人曉得、那這也就產生了怨念變成鬼。
お坊さんは村人たちと一緒に化け物になった四匹の死体を集めると、木づちと一緒に供養をしてやりました。
這就和尚跟村裡人一起、幫所有東南西北的骨頭一撿齊、和天天小法師放到一起供養了。
そしてお坊さんは村人たちに頼まれて、このお寺の和尚さんになったそうです
和尚這事過後也是被村裡面人委託到這條廟裡面當主持了。
おしまい
结束
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