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ねむっている イヌ と オオカミ

(イソップどうわ)

にほんご ・ えいご ・ ちゅうごくご

にほんご & えいご ・にほんご & ちゅうごくご

　いっぴき の イヌ が、ある のうか の まえ で ねむって いました。

　オオカミ が それ を みて、えじき に しよう と おそいかかり ました。

　すると イヌ は、

「いま、ぼく を ころす のは やめて ください」

と、あわてて いって から、その わけ を せつめい しました。

「ぼく は いま、ごらん の とおり、ガリガリ に やせて いる でしょう。

　けれど、すこし まって ください。

　もうじき、この のうか で けっこんしき が ある の です。

　その とき は、ぼく も たくさん ごちそう を たべられる から、ふとって ずっと おいしい えもの に なりますよ」

　オオカミ は しんよう して、たちさり ました。

　しばらく たって、オオカミ が また やって きました。

　みると イヌ が、のうか の にかい で ねむって います。

　オオカミ は した から、

「おーい、イヌくん。この あいだ の やくそく を おぼえている だろう」

と、さけびました。

　すると イヌ は、

「やあ、オオカミくん か。よいこと を おしえて あげよう。

　これから さき、ぼく が いえ の まえ で ねむっている のを みた とき は、けっこんしき まで まつ のは やめる こと ですね」



　りこう な ひと は いちど きけん を まぬがれたら、それ を よく おぼえて いて、

　にど と くりかえさない よう に ようじん する もの だと、この おはなし は おしえて います。

おしまい