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ワシとコガネ厶シ

ワシ と コガネ厶シ

(イソップどうわ)

♪にほんごのろうどく
 
    ろうどく 朗読 亜姫の朗読☆イソップ童話



にほんご ・ えいご ・ ちゅうごくご

にほんご & えいご ・にほんご & ちゅうごくご

 ワシ が、ウサギ を おいかけて きました。

 ウサギ は おいつめられて、にげきれなく なりました。

 だれか たすけてくれないか と みまわします と、いっぴき の コガネムシ が め に はいりました。

「おねがいです。コガネムシさん、たすけてください」

「よしよし」

と、コガネムシ は いいました。

 そして、おってくる ワシ に、

「この ウサギ は、わたし に たすけ を もとめてきた の ですから、

 あなた に ひきわたす ような かわいそうな こと は できません。

 かえってください」

と、たのみました。

 けれども ワシ は、ちっぽけな コガネムシ の たのみ など きくみみもたぬ と ばかり に、

 コガネムシ の め の まえ で ウサギ を たべて しまいました。

 この こと が あって から、コガネムシ は いつか しかえし を してやろう と、ワシ の す を まいにち ねらって いました。



 やがて ワシ が タマゴ を うんだ のを みた コガネムシ は、ワシ の す の ところ まで とんでいき、

 す の なか の タマゴ を ごろんごろん と ころがして ぜんぶ おとして わって しまいました。

 ワシ は、こまりました。

 こんな ぐあい では、どこで タマゴ を うんでも、また やられる に きまっています。

 そこで ワシ は、ゼウス の かみ に たよる こと に しました。

と、いう のも、ゼウス は ワシ の まもりがみ だから です。

「ゼウスさま、どうぞ わたし が あんしん して こども を かえす こと が できる ように、おそば に おいて ください」

と、ワシ は おねがい しました。

 ゼウス は ワシ を じぶん の ひざ に のせて、そこで タマゴ を うませて くれました。

 しかし コガネムシ は、ワシ の する こと を ぜんぶ みとどけて いました。

 コガネムシ は フン を まるめて ボール の ように して、それ を かかえる と そら へ とびたちました。

 そして ゼウス の ひざ の まうえ まで きた とき、その フン の ボール を おとしました。

 ゼウス は きたない フン の たま が おちてきた ので、あわてて たちあがり はらいおとそう と した ひょうし に、うっかり ワシ の タマゴ を おとして しまいました。

 タマゴ は、はるか した の じめん に おちて、われて しまいました。

 この とき から、コガネムシ が すがた を あらわす きせつ には、ワシ は タマゴ を うまなくなった と いわれています。



 この おはなし は、どんな に よわい ひと も バカ に しては いけない と おしえています。

 どれほど よわいもの でも、ひどいめ に あわされたら、いつかは かならず しかえし を する こと が できる から です。

おしまい

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