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12月28日のイソップ童話
オオカミとロバ
※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先
投稿者 「佐倉サニャ」 Sakura Sagna's VODs
オオカミたちの頭に選ばれたオオカミが、法律を定めました。
それは、
「これからは、めいめいが捕った獲物は全部一緒にして、みんなに平等に分ける事にする。
これは、腹の減ったオオカミ同士が、共食いする様な事を無くす為である」
と、いう法律でした。
ところがこれを聞いたロバが、たて髪をふりふり進み出て、
「なるほど、立派な考えです。
あなたが心の優しいオオカミだからこそ、そんな良い考えが浮かんだのでしょう。
ただ、そのあなたが、昨日捕った獲物を自分の穴ぐらにしまい込んでいるのは、どうしたわけですか?
あれを早くここへ持って来て、みんなに分けてあげなさいよ」
「・・・・・・」
やり込められたオオカミは、法律を廃止してしまいました。
正義にもとづいて法律を定める様な顔をしながら、自分はちっともその法律を守らない人がたくさんいます。
おしまい
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