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2月1日の日本の昔話
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イラスト 「みずしま薫」
因幡(いなば)の白ウサギ
因幡个白兔仔
にほんご(日语) ・ちゅうごくご(中文) ・日语&中文
福妹日本童話集 (臺灣客語.海陸腔) 翻譯:鄧文政(ten33 vun55 zhin11)
♪音声配信(html5) |
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音声 ちーさんのちーさな朗読会 |
むかしむかし、隠岐(おき→島根県)の島という小さな島に、一匹の白ウサギが住んでいました。
頭擺頭擺,島根縣有一个安到隱岐个細島,島上戴一條白兔仔。
ウサギは毎日浜辺に出ては、海の向こうに見える大きな陸地に行きたいと思っていました。
兔仔佢逐日走到海脣,看對面該隻佢想愛去个大陸地。
ある日の事、良い事を思いついた白ウサギは、海のサメに言いました。
有一日,想著當好个事情个白兔仔,就摎鯊魚講:
「サメくん、ぼくの仲間と君の仲間と、どちらが多いか比べっこをしよう。
「鯊魚君,𠊎个伴較多抑係你个伴較多,來試比看啊。
君たちは向こう岸まで海の上を並んでくれ。ぼくはその上を数えながら飛んで行くから」
你兜在這片直直排到對面海岸去,𠊎在你完背囊頂緊行過去,算看有幾多。」
「いいよ」
「好啊!」
お人好しのサメは、白ウサギの言う通りに向こう岸まで並びました。
得人惜个鯊魚就照白兔仔講个,直直排到對面海岸去。
「じゃあ、始めるよ。ひとつ、ふたつ、みっつ・・・」
「好啦,開始了!一隻,二隻,三隻...」
白ウサギはサメの上をジャンプしながら、向こう岸まで渡りました。
白兔仔在鯊魚个背囊頂緊跳,跳到對面海岸去。
「やーい、だまされたな。比べっこなんてうそだよ。
「噯,分𠊎騙著了!比伴多係耗漦个,
お人好しのサメくん。ぼくはこっちに渡りたかっただけなのさ」
得人惜个鯊魚君,𠊎想愛渡海到這片來定定。」
それを聞いたサメは怒ってウサギを捕まえると、ウサギの皮をはいでしまいました。
聽到鯊魚恁樣講閼到會死,愛摎兔仔捉著來,兔仔歸身皮擘下來。
「うぇーん、痛いよ!」
「ue~n!還痛哦!」
皮をはがされたウサギが泣いていると、若い神さまたちがそこを通りかかり、
皮分人擘忒个兔在該叫,堵好有幾個後生神明經過該位,
「海水を浴びて、太陽と風に当たるといいよ」と、言いました。
講:「用海水洗洗仔,晒下日頭、吹一下風幾何哦!」
ウサギが教えられた通り海水を浴びると、ますます痛くなりました。
兔仔就照神明教佢个方法跳落海肚洗下身,越洗越痛,
そして太陽と風に当てると、さらにもっと痛くなりました。
續等晒日頭、吹風,該還較痛。
そこへ、大荷物を持った神さまがやって来ました。
該量時,有一位拿等大包袱个神明來到這。
その神さまは意地悪な兄さんたちに荷物を全部持たされていたので、遅れてやって来たのです。
該個神明因為厥心術毋好个兄弟摎全部包袱交分佢所以較慢到。
「かわいそうに、まず池に入って、体の塩気を良く洗うんだ。それから、がまの穂(ほ)をほぐしてその上に寝転がればいいよ」
「還衰過哪,先去埤塘肚摎膴身个塩分洗淨來,打開香蒲蓆仔,橫在該蓆頂已好知麼!」
ウサギがその通りにすると、やがて痛みも消えて、全身に元通りの毛が生えてきました。
兔仔照佢个方法做,無幾久就毋會痛了,全身个毛像頭過共樣生出來了。
この心やさしい神さまは、のちにオオクニヌシノミコトと呼ばれ、人々にうやまわれたそうです。
這位好心个神明,後來大家喊佢大國主个神,受到人人敬奉。
おしまい
煞了
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