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ふくむすめどうわしゅう(福娘童話集) >にほんむかしばなし(日本民间故事) >四月
はんごろしと、みなごろし
打个半死和彻底打死
翻訳者:中国廣東省恵州学院 陳怡彤
にほんご(日语) ・ちゅうごくご(中文) ・日语&中文
むかしむかし、尼さん(あまさん→仏の道に仕える女の人)が旅をしていると、途中で日が暮れてしまいました。
很久很久以前,有一位尼姑(进入佛门的女人,即出家的女人)正在旅行,走在半路的时候天已经黑了。
そこで尼さんは近くにある家をたずねて、一晩泊めてもらう事にしました。
在这时,尼姑发现了在附近的一个住宅,决定了在那里住一晚上。
「さあ、どうぞ。大した物はありませんが、ゆっくり休んで下さいな」
“来,请吧!没有什么好东西,请好好休息吧”。
家の夫婦は温かい晩ご飯を作って、尼さんをもてなしてくれました。
这一家的夫妇做了一顿温热的晚饭,招待了尼姑。
その夜遅く、尼さんがふと目を覚ますと、夫婦が小声でヒソヒソ話しをしていたのです。
那天半夜,尼姑突然醒了过来,听到这对夫妇正在小声地说话(窃窃私语)。
「明日は、どうしますか?」
“明天要怎么做呢?”
「そうだな、はんごろしにするか?」
“对啊,要打个半死吗?”
「いいえ、はんごろしよりも、みなごろしの方がよいのでは」
“不对吧,比起打个半死,彻底打死不是更好吗”
「そうだなあ、やっぱりみなごろしの方がよさそうじゃ」
“也对,好像还是彻底打死的比较好”
「ええ、みなごろしにしましょう」
“嗯,那就决定了,彻底打死吧”
このやりとりを聞いた尼さんは、びっくりです。
尼姑听了这个话,吓了一大跳。
「半殺しに、皆殺し! ここに寝ていては、殺されてしまう」
“打个半死、彻底打死!如果还在这里睡觉的话要被杀死了”
尼さんは荷物をまとめると、夜中にこっそりと逃げ出しました。
尼姑把行李收拾好,在半夜悄悄地逃走了。
次の朝、夫婦は尼さんがいない事に気がついてがっかりしました。
第二天早上,这对夫妇发现尼姑不见了觉得很失望。
「あーあ、せっかくおいしいみなごろしを作ろうと思っていたのに」
“哎呀,难得想做一个好吃的年糕的,真是太遗憾了”
「ほんとうにね」
“对啊对啊。”
尼さんは知りませんでしたが、この地方ではぼたもちの事を 『はんごろし』とよぶのです。
其实是尼姑不了解,在这个地方,人们用“打个半死”比喻松软的年糕。
そして、よくついたもちの事を 『みなごろし』とよぶのです。
然后,把“彻底打死”比喻口感硬朗的年糕。
勘違いをした尼さんは、せっかくのおもちを食べる事が出来ませんでした。
产生了误会的尼姑,最终没能吃到难得的年糕。
おしまい
完
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