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6月28日の日本の昔話
川に落ちた下駄
跌落河壩个屐仔
福妹日本童話集 (臺灣客語.海陸腔) 翻譯:鄧文政(ten33 vun55 zhin11)
むかしむかし、きっちょむさんと言う、とてもゆかいな人がいました。
頭擺頭擺,有一個安著吉四六先生个人,非常樂線。
ある小川での事、子どもたちが集まって何やら騒いでいます。
在某條細河壩發生个故事,有一群細人仔擠做一下吵吵鬧鬧。
「はやく、取って」
「遽兜,拿起來。」
「待ってなよ。・・・あっ、もう手が届かない」
「等下哊。...啊,手勾毋著了。」
「はやくはやく、向こう側に行ってしまうよ」
「煞、煞,去對面該片析。」
「よし、それなら棒で」
「好,換用棍仔。」
どうやら、女の子があやまってげたを片一方を、小川に落としてしまったようで、それを一緒に遊んでいた男の子たちは、拾おうとしている様子です。
毋知仰般,像形細妹仔無細義一隻腳著个屐仔,跌落細河壩肚樣,共伴搞个細倈仔當當在該想辦法愛摎佢拈起來。
しかし、小川の流れはゆるやかなものの、子どもたちはあわてているので、げたはかえって岸から遠くへ行ってしまいました。
但係,細河壩水流到當慢,因為該兜細人仔慌慌張張,屐仔嗄顛倒溜開河壩盡遠去了。
これでは、いくら長い棒があっても届きません。
恁樣,無論棍仔幾長,都勾毋著。
「仕方ない、あきらめようか?」
「無法度,愛放棄無?」
「うわーーん」
「哇!」
女の子は、とうとう泣き出してしまいました。
細妹仔嗄大聲噭出來。
この時、仕事帰りで近くを歩いていたきっちょむさんが、女の子の泣き声を聞きつけてやってきたのです。
這量時,吉四六先生堵堵做事做忒收工轉屋,經過附近聽著細妹仔个噭聲,斯行過來。
「やっ、げたを落としたのか。よし、待ってな」
「唉哦,屐仔跌落細河壩肚係無?好,等一下!」
きっちょむさんは、落ちていた石を拾うと、それをげたの向こう側にドブンと投げ込みました。
吉四六先生拈起石牯,擲到屐仔个另外一片析。
するとげたは波に押されて、ゆらりゆらりと、少しこちらに近づきました。
屐仔就分波浪推𢱤,慢慢漂過來。
「さあ、お前たちも、げたの向こう側に石を投げるんだ」
「這下,你兜乜在河壩脣拿石牯擲到屐仔个另外一片析。」
こうして子どもたちも加わって、げたの向こう側に石を投げ続けると、げたはどんどん波に押されて近づいてきて、ついには手の届くところにやって来ました。
細人仔乜共下,拈石牯繼續擲在屐仔个另外一片析,屐仔就分波浪推𢱤,慢慢浮過來,包尾伸手就勾得著。
こうしてげたを拾い上げたきっちょむさんは、そのげたを自分の着物でていねいに拭いてやると、にっこり微笑む女の子に渡してやったのでした。
吉四六先生拿起屐仔,用自家个衫褲摎佢細心細意捽燥,笑咪咪交還分細妹仔。
おしまい
煞咧
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