福娘童話集 > きょうの日本昔話 > 7月の日本昔話 > 金の鳥居
7月20日の日本の昔話
金の鳥居(とりい)
金牌樓(鳥居)
福妹日本童話集 (臺灣客語.海陸腔) 翻譯:鄧文政(ten33 vun55 zhin11)
むかしむかし、吉四六さんと言う、とてもとんちの出来る人がいました。
頭擺頭擺,有一個安到吉四六先生个人,非常伶俐。
ある日の事、吉四六さんは村の家々をまわって頼みました。
有一日,吉四六先生去拜託就近个村民。
「八幡さまの木の鳥居(とりい)が、古くなって壊れそうじゃ。みんなでいくらかずつを出し合って、金の鳥居を寄付したいと思うが。どうだろうか?」
「八幡神社个木造牌樓(鳥居)像形昶舊會壞忒了。𠊎想大家共下樂捐一兜錢做隻金牌樓(鳥居),恁般?」
「それは良い考えだ。吉四六さんも、たまには良い事を言うの」
「該係盡好个想法,吉四六先生成時乜會講好話。」
こうして村人たちは、吉四六さんにお金を預けました。
所以,村民捐錢委託吉四六先生。
さて、それからいく日もたたないうちに吉四六さんが、
「金の鳥居が、出来ました」と、ふれまわったので、
過無幾日,吉四六先生就各處去講:「金牌樓(鳥居)做好了。」
「ほう、ずいぶんと早くに出来たな」
「ho11,恁遽呢。」
「一体、どんなに立派な鳥居だろう?」
「到底,有幾靚个牌樓(鳥居)?」
と、さっそく村人たちは、八幡さまヘ出かけて行きました。
村民煞煞走去八幡神社。
ところが鳥居はそのままで、どこにも金の鳥居なんてありません。
毋過,鳥居還係本本恁樣,哪位都無金牌樓(鳥居)。
「どういう事だ?吉四六さんを呼んで訳を聞こう」
「仰會恁樣?喊吉四六先生來問清楚。」
そこで呼ばれた吉四六さんが、やって来ると、
吉四六先生來到後,講:
「ほら、ちゃんとそこに、金の鳥居が建ててあるではないか」
と、みんなの足元を指差しました。
「噯,看該片,毋係有一隻金牌樓(鳥居)咩?」
指等大家个腳下背。
みんなが見てみると、そこには縫い物に使う木綿針で作った小さな鳥居が、ちょこんと置かれていたのです。
所有人看過去時節,該位有一隻用攣衫个針做个金牌樓(鳥居),孤孤單單放在該位。
「なるほど、確かにこれも、金の鳥居だ。こりゃあ吉四六さんに、いっぱい食わされたわ」
「有影,確實,該乜係金牌樓(鳥居) ,這又分吉四六先生騙著了。
村人たちは、笑いながら帰って行きました。
村民笑咪咪行等轉。
おしまい
煞咧
|