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9月1日の日本の昔話
舌切りすずめ
舌嫲割忒个屋簷鳥
福妹日本童話集 (臺灣客語.海陸腔) 翻譯:鄧文政(ten33 vun55 zhin11)
※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先
投稿者 「蓮音レコン)」 蓮音レコン
♪音声配信(html5) |
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音声 得本綾(コトリボイス) ラジオHP |
むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんがいました。
頭擺頭擺,某某位所,有一個老阿公摎一個老阿婆。
心のやさしいおじいさんは、一羽のスズメを飼っていました。
善良个老阿公畜一隻屋簷鳥。
ある日、スズメがおばあさんがつくったノリを、ツンツンと突いて食ベてしまったのです。
有一日,這隻屋簷鳥摎老阿婆曬个海菜干食淨淨。
「このいたずらスズメ!」
「這隻番綻个屋簷鳥!」
怒ったおばあさんはスズメをつかまえると、なんとハサミでスズメの舌を切ってしまいました。
當閼个老阿婆抓著屋簷鳥後,用剪刀摎舌嫲剪忒。
チュッ、チュッ、チュッ!
chiu,chiu,chiu!
スズメは泣きながら、やぶの中へ逃げていきました。
屋簷鳥緊叫,緊瀉到草竇肚。
間もなくおじいさんが仕事から帰ってきましたが、スズメの姿が見えません。
過無幾久,老阿公做事轉來,無看著屋簷鳥。
「おばあさん、わしのスズメはどこにいったかの?」
「老阿婆,𠊎个屋簷鳥走哪位去呢?」
「ふん!あのいたずらスズメ。わたしのノリを食べてしまったから、舌をハサミで切ってやったわ」
「哼!該隻番綻个屋簷鳥!食吾海菜干,所以用剪刀摎舌嫲剪忒。」
「なんと、かわいそうに・・・」
「仰恁衰過... 」
心のやさしいおじいさんは、舌を切られたスズメの事が心配でなりません。
善良个老阿公當煩惱舌嫲分人剪忒个屋簷鳥。
「大丈夫だろうか?ごはんはちゃんと、食べているだろうか?・・・よし、探しにいこう」
「你好無?你有準時、好好食飯無?...好,來去尋你。」
おじいさんはスズメの逃げたやぶに、スズメを探しに行きました。
老阿公去屋簷鳥逃走該草竇肚尋。
「おーい、おーい。スズメやスズメ。舌切りスズメは、どこにいる?」
「噯,噯,屋簷鳥啊屋簷鳥,舌嫲剪忒个屋簷鳥在哪位?」
するとやぶのかげから、チュンチュンとスズメの鳴く声がします。
過後,草竇肚傳來屋簷鳥chiu,chiu,chiu个叫聲。
「おじいさん、ここですよ。スズメの家はここですよ」
「老阿公在這位哦,屋簷鳥个屋下在這位。」
やぶの中から、スズメたちが大勢現れました。
草竇肚出現盡多屋簷鳥。
見ると、舌を切られたスズメもいます。
看著屋簷鳥後,舌嫲剪忒个屋簷鳥乜在該位。
「おおっ、すまなかったな。どれ、舌は大丈夫か?・・・ああっ、よかった。これなら大丈夫だ」
「哦,失禮哪,你个舌嫲還好無?...啊,當歡喜看著你,恁樣就無相干。」
スズメの舌を見て、おじいさんはホッとしました。
看著屋簷鳥个舌嫲,老阿公較安心一息仔。
「ありがとう、おじいさん。さあさあ、わたしたちの家で休んでいってくださいな」
「承蒙你,老阿公,請落來,在吾屋下休息一下。」
スズメたちは、みんなでおじいさんをスズメの家へ連れて行きました。
屋簷鳥大家摎老阿公渡到屋簷鳥屋下。
そしてみんなでスズメ踊りをしたり、おいしいごちそうをたくさん出してくれました。
所以大家都跳屋簷鳥舞,兜出當多好食个料理。
おじいさんは、大喜びです。
老阿公非常歡喜。
「それでは暗くならないうちに、おいとまをしよう。スズメさんたち、ありがとう」
「斷烏以前愛告辭,承蒙大家。」
おじいさんがお礼をいって帰ろうとすると、スズメたちは大きなつづら(→衣服などを入れるカゴ)と小さなつづらを持ってきました。
等老阿公感謝過後愛轉時節,屋簷鳥帶來大藤箱仔(→張衫褲个箱仔)摎細藤箱仔。
「おじいさん、おみやげにどちらでも好きな方を持っていってくださいな」
「老阿公,請你選隻您中意个藤箱仔做禮物。」
スズメたちが、言いました。
屋簷鳥講。
「ありがとう。でも、わたしはこの通りおじいさんだから、あまり大きなつづらは持つ事が出来ない。小さい方を、いただくとしよう」
「承蒙你。但係,𠊎恁老个老阿公,大藤箱仔拿毋贏,所以𠊎拿細藤箱仔就好」
おじいさんは小さなつづらをおみやげにもらうと、背中に背負って帰っていきました。
老阿公拿細藤箱仔做禮物,背等轉去。
そして家に帰ってスズメのおみやげを開けてみると、なんと中には大判小判に宝石やサンゴなどの美しい宝物がたくさん入っていたのです。
轉到屋下打開藤箱仔來看,仰會裡肚恁多大大細細个金幣,寶石、珊瑚等等當靚个寶物。
スズメたちはやさしいおじいさんに、みんなでお礼のおくり物をしたのです。
該兜屋簷鳥拿當多感恩禮物分善良个老阿公。
「まあ、まあ、まあ、なんていい物をもらったんでしょう。わたしもほしいわ」
「好,好,好,得著恁好个東西。𠊎也想愛。」
スズメのおみやげを見て、おばあさんはうらやましくてなりません。
老阿婆看著屋簷鳥个禮物,目珠斯發赤紗。
「どれ、わたしも行って、もらってこようかね」
「噯,𠊎也愛來去拿?」
おばあさんは、スズメの家へ出かけていきました。
老阿婆斯去屋簷鳥屋下。
そしてスズメの家に、無理矢理入ると、
去到屋簷鳥屋下,強强落去,
「ごちそうも踊りも、いらないよ。すぐに帰るから、はやくみやげを持ってくるんだよ」
「無需要宴會抑係跳舞。𠊎黏時愛轉,所以遽兜拿禮物分𠊎。」
「はい、では、大きいつづらと小さいつづら・・・」
「好,該就拿出大大細細个藤箱仔...」
「大きいつづらに、決まっているだろ!」
「决定大个藤箱仔了!」
おばあさんは大きいつづらを受け取ると、急いで家へ帰っていきました。
等佢收著大藤箱仔時節,煞煞轉去屋下。
「しかし、なんとも重たいつづらだね。でもそれだけ、お宝がたくさん入っている証拠だよ」
「但係,這仰會恁重个藤箱仔,這做得證明裡背有當很多寶物。」
家までもう少しでしたが、おばあさんはつづらの中にどんな物が入っているのか見たくてなりません。
雖然講離屋下無幾遠了,但係老阿婆當想看藤箱仔裡背有麼个。
「どれ、何が入っているか、見てみようかね」
「裡背有麼个,打開來試看一下。」
おばあさんは道ばたでつづらを下ろすと、中を開けてみました。
老阿婆摎藤箱仔放在路脣,就打開來看。
「きっと、大判小判がザックザクだよ。・・・うん?・・・ヒェー!」
「定著,係大大細細个金幣Zakku Zakku響。...m11?... Hee!」
なんとつづらの中には、ムカデにハチにヘビ、そして恐ろしい顔のお化けたちがたくさん入っていたのです。
在這藤箱仔肚,有蜈蚣蟲、糖蜂仔、蛇還有當多得人驚个妖怪。
「たっ、助けておくれー!」
「救、救命哦!」
おばあさんは一目散に、家へ逃げ帰りました。
老阿婆走到尾瀉屎,走轉屋下去。
そしておじいさんに、この事を話すと、
摎老阿公講這件事情後,
「おばあさん、かわいいスズメの舌を切ったり、欲張って大きなつづらをもらったりしたから、バチがあたったのだよ。これからは、生き物を可愛がっておやり。それから決して、欲張らないようにね」
「老阿婆,摎恁得人惜个屋簷鳥舌嫲割忒,又敢恁貪心拿大藤箱仔,所以正會分糖蜂仔叼著。對這下開始,愛愛惜動物,還過毋好恁貪心。」
おじいさんはおばあさんに、そう言いました。
老阿公摎老阿婆恁樣講。
おしまい
煞咧
おまけ
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日本昔話を現代っぽくアレンジしたらこうなったシリーズ。
おまけ
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