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9月6日の日本の昔話

わた買い

わた買い
買棉花

福妹日本童話集 (臺灣客語.海陸腔) 翻譯:鄧文政(ten33 vun55 zhin11)

♪音声配信(html5)
音声 スタヂオせんむ

むかしむかし、吉四六さんと言う、とてもとんちの出来る人がいました。
頭擺頭擺,有一個安到吉四六先生个人,非常伶俐。


さて、町には、とても欲張りなわた屋がいました。

街路有一個非常貪心个賣棉花頭家。


客が田舎者だと思うと、とても高い値段でわたを売りつけては喜んでいるのです。

人客若係分佢認定係鄉下人時節,斯會摎棉花用當高價賣分佢,感覺盡歡喜。


吉四六さんの村でも、このわた屋にだまされた人が何人もいるので、吉四六さんは一度このわた屋をこらしめてやろうと考えていました。

吉四六先生該村乜有盡多人分這坎棉花店頭家騙過,所以吉四六先生決定愛教訓一擺這坎棉花店頭家。

そんなある日の事、おかみさんに『わたを買って来て欲しい』と言われたので、吉四六さんは喜んで、そのわた屋に出かけました。

「有一日,餔娘交帶『愛買棉花。』,所以吉四六先生歡歡喜喜,就去棉花店。


「これは、いらっしゃいまし」

「歡迎光臨。」


「すまんが、わたの実を売ってもらえるか?」

「失禮,你有賣棉桃殼無?」


「わたの実?わたではなく、実の方ですか?」

「棉桃殼?毋係棉花、棉桃殼係無?」


「そうだが、都合が悪いのかい?」

「係,無賣係無?」


「いえいえ、いくらでもお売りいたしますよ」

「毋會、毋會,較多乜賣分你。」


この頃のわた屋は、どこでも実の付いたままのわたを農家から買い集めて、店先で実を落としていたのです。

這量時棉花店頭家,去各處農民該位買了帶殼个綿花,在店頭前摎棉花摘下來。


だから、わたの実はいくらでもありました。

所以,有當多綿桃殼。


「ところで、わた屋さん。わしは、わたから落としたての実でなければ、都合が悪いのですよ」

「無過,綿花店頭家,若毋係堵堵正摎綿花摘下來个綿桃殼,𠊎無愛哦。」


「そうですか。では、今すぐ落としてさしあげましょう」

「係無?該這下來去摘分你。」

「すまんね。では、五升
(→九リットル)ほど頼みます」
「失禮。無該,麻煩摘大約五升(→九公升)。」


そこでわた屋は店の小僧と一緒に十貫目
(→三七・五キロ)もあるようなわたを棚から降ろして、そ

の実を落としにかかりました。
所以,綿花店頭家摎店員共下對棚頂摎拿下了十貫(→三七・五公斤)个棉花,摘下棉桃殼。


わたの実なんか誰も買わないので今までは捨てていましたが、そのわたの実が売れるとあって、わた屋はニコニコ顔です。

棉桃殼因為無人買,這下為止㧒淨淨,有人愛買棉桃殼,店頭家暢到會死。


さあ、出来ましたちょうど五升あります」
「這下舞好了,堵好五升。」


わた屋は実を、吉四六さんの前に置きました。

綿花店頭家摎佢放在吉四六先生面前。


「ありがとう。それで、値段はいくらだい?」

「承蒙。該幾多錢?」

「はい、十五・・・」

「係,十五...」


わた屋は、どうせ捨てる物だから十五文ももらえば十分と思って、十五文と言いかけたのですが、吉四六さんをわたの実を買いに来る変な田舎者だと思い、高く売りつけてやろうと言い直しました。

綿花店頭家想,這㧒忒無人買个東西賣得著十五文盡好了,所以出價十五文,但係認為吉四六先生係來買綿花奇怪个鄉下人,佢黏時提高價錢講︰


「はい、百五十文でございます」

「好,一百五十文。」


「ええっ!それは高い!」

e24!恁貴!」


「いえいえ、これでも大勉強でございますよ」

「毋會毋會,這係大落價。」


そうか。・・・ところで、実が付いたままのわたは、わたの実が五升分で、いくらするんだい?」

「係無?...毋過,若係棉桃殼連做下个棉花,該五升愛幾多錢?」


「はい、それは二百文でございますが、じつは近頃、落としたてのわたの実が大人気で、ほうぼうから注文がまいりますので、わたよりも実の方が高くなったのですよ」

「係,該愛兩百就好,毋過這站仔,堵摘下來个棉桃殼當受歡迎,𠊎四處去摎人訂,所以棉桃殼比棉花較貴。」


欲張りのわた屋は吉四六さんに高い値段で実を売りつけようと、こんなうそをつきました。

貪心个綿花店頭家,想高價摎棉桃殼賣分吉四六先生,斯講這花蓼


「そうか、困ったなあ」

「係無?無結煞哪。」


吉四六さんは、本当に困った様な顔をしましたが、いきなり、

吉四六先生盡無結煞樣仔,忽然間講:


「では仕方がない。

「無法度。


残念だが、今日はわたの方だけ買っていこう!

盡遺憾,今晡日,𠊎斯買棉花就好


二百文から実の代価の百五十文をひくと、五十文を払えばいいんだな」

兩百文扣忒百五綿桃殼錢後,撿五十文就好了。」


と、言って、わた屋の主人に五十文を投げ出し、実を落とした後のわたを自分で大ぶろしきに包んで、目を白黒させているわた屋を尻目に、さっさと帰ってしまいました。

講煞,就擲五十文分綿仔店頭家,摎除忒綿桃殼个綿花放在大包巾肚,盡得意个眼神看等目珠貶白白、盡毋甘願个綿花店頭家,煞煞走轉屋下。

 

おしまい
煞咧

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