| ふくむすめどうわしゅう(福娘童話集) >にほんむかしばなし(日本民间故事) >十月
  
 ヒバリとお日さま
 云雀和太阳公公
 
 翻訳者 河南省周口師範学院  張海琳
 
 にほんご(日语)  ・ちゅうごくご(中文) ・日语&中文
  むかしむかし、お金持ちのヒバリが、お金を貸す商売をしていました。很久很久以前,一只富有的云雀,经营贷款生意。
 
 
 ある春の日の事、お日さまがヒバリにお金を貸してくれと頼みました。
 春天的时候,太阳公公来找云雀借钱了。
 
 「ヒバリさん。すまないが、お金を十両ばかり貸してくれないか。夏には返すから」
 “云雀啊,不好意思,可不可以借我十两银子啊,等到夏天我就还给你。”
 
 「はい、いいですよ。その代わりに返すときは、十一両ですよ」
 “当然可以啦,不过到时候你要还我十一两银子。”
 
 「わかった。助かるよ」
 “好的,帮大忙了。”
 
 お日さまはヒバリから十両を借りると、喜んで帰って行きました。
 太阳公公从云雀那借走了十两银子以后,就高高兴兴地回家了。
 
 
 やがて、夏になりました。
 不久,夏天到了
 
 夏はヒバリにお金を返す約束ですが、お日さまはカンカンと照っているだけで、お金を返しに来ません。
 夏天到了,太阳公公应该还云雀十一两银子,可是他只是散发着火辣辣的热,迟迟不肯还钱。
 
 そこでヒバリはお金を返してもらおうと、お日さまのところへ飛んで行きました。
 于是为了要回那些钱,云雀就飞到太阳公公那里。
 
 「お日さま、もう夏ですよ。そろそろ、お金を返してくださいよ」
 说:"太阳公公,已经是夏天了,快点把钱还给我吧!"
 
 「・・・・・・・」
 “・・・・・・・”
 
 お日さまは何も答えず、強い日差しをますます強くしました。
 太阳公公没有理会,只是散发出更刺眼的光。
 
 「わあ、まぶしい! それに暑い!」
 “啊,这光太刺眼了,实在太热了”
 
 ヒバリは目がくらんで、それ以上は近づけませんでした。
 云雀的眼前一片漆黑,于是就不敢再靠近太阳公公了。
 
 
 そのうちに、涼しい秋になりました。
 不久,就到了凉爽的秋天。
 
 カンカンと照っていたお日さまの光も、だんだんに弱くなりました。
 火辣辣的阳光也渐渐变弱了。
 
 それでヒバリは空高く飛んで行くと、お日さまに叫びました。
 于是云雀高高地飞向天空,向太阳公公喊道。
 
 「お日さま! 約束の夏は、もう終わってしまいました。早く、お金を返してください!」
 “太阳公公!说好了夏天还钱,现在夏天已经过去了,快点把钱还给我!”
 
 すると、お日さまは、
 于是,太阳公公说
 
 「ああ、また今度来てくれないか。今は忙しいんだ」と、言って、雲(くも)に隠れてしまったのです。
 “啊,下次再来好吗?现在很忙呐”说着,就躲到云层里去了。”
 
 そこでしばらくしてからヒバリがお日さまのところへ行くと、お日さまは雨雲に頼んで大雨を降らせました。
 于是,没过多久,云雀又来找太阳公公,太阳公公就拜托乌云,让它布雨。
 
 「わあ、すごい大雨だ!」
 “哇,好大的雨啊!”
 
 かわいそうにヒバリは、ずぶ濡れで帰って行きました。
 可怜的云雀全身湿透地回去了。
 
 
 そんな事をしているうちに、冬になりました。
 那件事过后没多久,冬天就到了。
 
 ヒバリは何度も何度もお日さまのところへ行きましたが、そのたびにお日さまは北風や雪雲に頼んで冷たい風や大雪を降らせたりするので、お日さまに会う事は出来ませんでした。
 云雀每次来找太阳公公,太阳公公就拜托北风和大雪,刮起寒风下起大雪,让云雀见不到自己。
 
 
 やがて、お正月になりました。
 不久就到正月了。
 
 毎年ヒバリは、お正月にはたくさんのおもちを買うのですが、お日さまがお金を返してくれないので、今年はお正月のおもちを買う事が出来ません。
 每年云雀过年都会买很多年糕,但是因为太阳公公不还钱,所以今年就买不起年糕了。
 
 「ああ、おもちが食べたいな。
 “啊,好想吃年糕啊。
 
 こんなにさみしいお正月になったのは、全部お日さまのせいだ!」
 如此寒酸的新年,都怪太阳!”
 
 怒ったヒバリは春になると、お日さまに文句を言いました。
 愤怒的云雀一到春天就对太阳发牢骚。
 
 「お日さま! 今日こそは、お金を返してください! 本当に、返してください! 絶対に、返してください!」
 “太阳公公!今天一定要把钱还给我!真的,请还给我!请一定要还给我!”
 
 「・・・・・・」
 “・・・・・・”
 
 お日さまは知らん顔で、雲に隠れてしまいます。
 太阳公公装作不知道的样子,藏在云里。
 
 「返せ! 貸したお金を返せ! 返せったら、返せ!」
 “还给我!把钱还给我!快还给我!”
 
 
 お日さまは今でも、ヒバリにお金を返していません。
 太阳至今也没有把钱还给云雀。
 
 だからヒバリは今でも春になると、高い空の上で一生懸命に叫ぶのです。
 所以直到现在的春天,云雀仍在高空上拼命地叫喊。
 
 「お金を返せ!(♪ピーチュクリーチュル) お金を返せ!(♪ピーチュクリーチュル)」と。
 “还我钱!(♪咇啾)还我钱!(♪咇啾咇啾)。”
 おしまい結束
 ※ ヒバリの鳴き声 → 野鳥辞典/鳥の動画/雲雀(ヒバリ)の鳴き声 - YouTube   (回到上一页)
 
 
 |