1月25日の世界の昔話
※朗読音声は、本文と一部異なる部分があります。
むかし、あるところに、とても信心深い(→神さまを思う気持ちが強い事)奥さんがいました。 イラスト 01 (無断転載禁止) 毎日教会へ行っては、 イラスト 02 (無断転載禁止) 「どうか、幸せに暮らせます様に」 イラスト 03 (無断転載禁止) 夜中にふと目を覚ますと、窓から月の光が差し込んでいました。 イラスト 04 (無断転載禁止) 時計を見ると、十二時半のところでハリが止まっています。 イラスト 05 (無断転載禁止) (本当の時間は、何時頃かしら?) イラスト 06 (無断転載禁止) すると教会の窓には、明々と明かりがついています。 イラスト 07 (無断転載禁止) 奥さんは急いで服を着替えると、マントをはおり、お祈りの本を持って教会へ急ぎました。 イラスト 08 (無断転載禁止) でも不思議な事に町はひっそりとしたままで、 イラスト 09 (無断転載禁止) 誰一人、教会へ行く人がいません。 イラスト 10 (無断転載禁止) 「変ね。何だかおかしいわね」 イラスト 11 (無断転載禁止) それでも教会へ行ってみると、お堂の中には大勢の人が集まっていました。 イラスト 12 (無断転載禁止) 奥さんは慌てて、自分の席へ腰をおろしました。 イラスト 13 (無断転載禁止) ところがどうも、様子がおかしいのです。 イラスト 14 (無断転載禁止) それに、周りにいる人たちはみんなまっ青な顔色で、まるで死んだ人の様です。 イラスト 15 (無断転載禁止) しかも知らない人たちばかりで、たまに見覚えのある顔があっても、どこで会ったか思い出せません。 イラスト 17 (無断転載禁止) やがて牧師(ぼくし)さんがやって来ましたが、牧師さんも見た事のない人で、気味が悪くなるほど青白い顔をしていました。 イラスト 18 (無断転載禁止) 牧師さんが、お説教を始めました。 イラスト 19 (無断転載禁止) 奥さんは、だんだん不安になってきました。 イラスト 20 (無断転載禁止) 「式の終わらないうちに、早くここを出なさい。グズグズしていたら殺されてしまいます。 イラスト 21 (無断転載禁止) これは、死んだ人たちの集まりよ」 イラスト 22 (無断転載禁止) (そういえば見た事がある人は、みんなずいぶん前に死んだ人たちだわ) イラスト 23 (無断転載禁止) 奥さんは、急に体が震えてきました。 イラスト 24 (無断転載禁止) 女の人に言われて奥さんはマントをはおると、お堂の中からこっそり抜け出そうとしました。 イラスト 25 (無断転載禁止) その事に気がついているのか、みんなは歌を歌いながら怖い顔で奥さんをにらみつけます。 イラスト 27 (無断転載禁止) 今は大人しいけれど、歌が終わればすぐに襲いかかって来るに違いありません。 イラスト 28 (無断転載禁止) ようやく出口までたどり着いた時、歌が終わりました。 イラスト 30 (無断転載禁止) すると死んだ人たちがいっせいに立ち上がり、 イラスト 31 (無断転載禁止) 奥さんを取り囲んでマントをつかみました。 イラスト 32 (無断転載禁止) (もう駄目!) イラスト 33 (無断転載禁止) それでも夢中でマントを脱ぎ捨てると、 イラスト 34 (無断転載禁止) 外へ飛び出しました。 イラスト 35 (無断転載禁止) そして、あとも見ないで必死に駆けました。 イラスト 36 (無断転載禁止) やっと家にたどり着き、教会の方を振り返ってみたら、教会の明かりはすでに消えていました。 イラスト 37 (無断転載禁止) すると止まっていたはずの時計の針が動いていて、ちょうど一時を指していました。 イラスト 38 (無断転載禁止) 奥さんはもう恐ろしくて、朝になっても教会へは行きませんでした。 イラスト 40 (無断転載禁止) 町の人たちが教会へ来てみると不思議な事に、ズタズタに引き裂かれた奥さんのマントが落ちていたという事です。 おしまい イラストレーターの夢宮 愛さんが、その後のお話しを描いています。 |
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