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むかしむかし、ずーっとむかしのむかし話だよ。 イラスト01 イラストをクリックすると、大イラスト(2560×1440)を表示 ある村に、働き者じゃが、貧しい暮らしをしている男がおりました。 イラスト02 イラストをクリックすると、大イラスト(2560×1440)を表示 「ああーっ、腹へったなー。腹いっぱい飯食ってみてえなあ〜」 イラスト03 イラストをクリックすると、大イラスト(2560×1440)を表示 荒地の果てからやってきた、白い一頭の馬。 イラスト04 イラストをクリックすると、大イラスト(2560×1440)を表示 馬は、ずっしりとよく実った金色のアワの穂を、美味しそうに食べている。 イラスト05 イラストをクリックすると、大イラスト(2560×1440)を表示 口元からポーイと飛んだアワの穂は、空中でクルクルと舞ってキラキラ金色に輝きながら、男の前に落ちてきた。 イラスト06 イラストをクリックすると、大イラスト(2560×1440)を表示 「あっ、夢か、夢! 何という夢じゃ。金のアワ。それに神々しい白い馬、神さまが現れたあの荒地は」 イラスト07 イラストをクリックすると、大イラスト(2560×1440)を表示 夢から醒めた男は、あの白い馬が立っていた荒地は、自分が一度行ったことのある場所だと気付いた。 イラスト08 イラストをクリックすると、大イラスト(2560×1440)を表示 「ここだ、間違いない。夢の場所とおなじだ。・・・あっ!」 イラスト09 イラストをクリックすると、大イラスト(2560×1440)を表示 「ああ、ありがたい。きっとこれは、この荒地を耕して、アワをうえなさいという、神さまのお告げにちがいない」 イラスト10 イラストをクリックすると、大イラスト(2560×1440)を表示 春を待って、種をまき。 イラスト11 イラストをクリックすると、大イラスト(2560×1440)を表示 夏、照りつけるお日様。 イラスト12 イラストをクリックすると、大イラスト(2560×1440)を表示 秋になると、男の植えたアワの穂は重く実り、あたり一面金色に輝いて波打った。 イラスト13 イラストをクリックすると、大イラスト(2560×1440)を表示 それを売りさばいた男は、たちまち大金持ちとなって「アワの長者」と呼ばれた。 イラスト14 イラストをクリックすると、大イラスト(2560×1440)を表示 村はまた、ひどい飢饅にみまわれた。 イラスト15 イラストをクリックすると、大イラスト(2560×1440)を表示 「アワの長者さまに、おねがいしてみるか」 イラスト16 イラストをクリックすると、大イラスト(2560×1440)を表示 「うるさい! 聞きとうない! アワは一粒もない! 無断で蔵を開けたら、アワが無くて泡食うぞ! わかったか! さっさと出て行け!」 イラスト17 イラストをクリックすると、大イラスト(2560×1440)を表示 村の衆は、壁から、床下から、所かまわず、隠し込んだアワをガリガリこさぎだした。 イラスト18 イラストをクリックすると、大イラスト(2560×1440)を表示 長者は、村の衆がやることは高がしれてるとたかくくって眠り込んだ。 イラスト19 イラストをクリックすると、大イラスト(2560×1440)を表示 カリカリカリ、カリカリカリ イラスト20 イラストをクリックすると、大イラスト(2560×1440)を表示 蔵も御殿のようなお屋敷も、もろとも崩れ落ちた。 イラスト21 イラストをクリックすると、大イラスト(2560×1440)を表示 立ち上る土煙が収まると、廃墟となった広場に何万というネズミたちが、ひとかたまりに集まった。 イラスト22 イラストをクリックすると、大イラスト(2560×1440)を表示 やがて白い馬は、前足をそろえ、蹴るように高く上げると、ゆっくりと空へ駆けのぼっていった。 イラスト23 イラストをクリックすると、大イラスト(2560×1440)を表示 「ああっ、あの白い馬、夢の中の神さまの馬だ。」 イラスト24 イラストをクリックすると、大イラスト(2560×1440)を表示 それからというもの男は、村の皆とせっせと荒地を耕し、助け合って仲良く暮らしたんだと。 おしまい ※ このお話は福娘童話集の「アワの長者」を元に、ラジオNIKKEI様主催の「全国10都市横断 親と子のトークライブショー 第10回 常田富士男 民話の世界」で配布用CDに収録された朗読です。 おしまい |
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