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2年生のイソップ童話

塩(しお)をはこぶロバ
むかしむかしの、ある暑(あつ)い日、ロバが背中(せなか)に荷物(にもつ)をいっぱいのせて、ヨタヨタと歩(ある)いていました。
橋(はし)を渡(わた)っているとき、ロバはあんまり暑(あつ)いので、くらくらして、川に落(お)ちてしまいました。
すると、どうでしょう。
急(きゅう)に、背中(せなか)の荷物(にもつ)が軽(かる)くなったのです。
ロバの荷物(にもつ)は、塩(しお)だったので、ぜんぶ水にとけて流(なが)れてしまったのでした。
次(つぎ)の日、ロバの飼い主(かいぬし)は、とても軽(かる)い荷物(にもつ)をロバの背(せ)につみました。
川に落(お)ちたロバを、少(すこ)しでも楽(らく)させてやろうと思(おも)ったのです。
しかし、ロバはきのうの川が見えると、こう思(おも)いました。
川に落(お)ちれば、また、荷物(にもつ)が軽(かる)くなるにちがいないと。
そして、わざと川に落(お)ちました。
ところが、荷物(にもつ)は川の水を吸(す)って、ズシンと石のように重(おも)くなり、ロバのからだにのしかかりました。
今日(きょう)の荷物(にもつ)は、ワタだったのです。
ワタは、水を吸(す)うと、どんどん重(おも)くなってしまいます。
ロバは自分(じぶん)の作戦(さくせん)が失敗(しっぱい)したことに気づいたときはもうおそく、とうとうおぼれ死(し)んでしまいました。
このロバと同(おな)じように、人間(にんげん)も、ずるいことをする人は、そのときは、うまくいったと思(おも)っても、あとで、とんでもない不幸(ふこう)に、おちいることがあります。
おしまい

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