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1ねんせいのイソップどうわ

うつくしいとりコンテスト
むかしむかし かみさまは いちばん うつくしいとりを きめる 『うつくしい とり コンテスト』を おもいつきました。
そして、 いちばん うつくしいとりには、 とりの おうさまの くらいを あたえようと いいました。
それを きいた とりたちは おおさわぎです。
「やっぱり クジャクさんが いちばん きれいだよ」
「あら、 スタイルが いいのは はくちょうさんよ」
「いや、 とりは やっぱり うたごえが きれいで なくちゃね。 ウグイスさんが えらばれるかも しれないね」
みんな、 わいわい いいながら、 うつくしくなろうと いっしょうけんめいに かわで はねを あらいました。
でも、 カラスだけが そのなかまに はいりませんでした。
カラスは、 ぜんぜん おもしろく ありませんでした。
じぶんが あまり かっこよくなくて、 はねの いろも うたごえも きれいじゃない ことを しっていたからです。
しょんぼり かわべりを とんでいると、 みんなの ぬけおちた はねが いっぱい ちらばっているのを みつけました。
「そうだ、 こいつで みんなを だましてやれ」
カラスは、 いろとりどりの はねを ひろいあつめ、 ぜんぶ じぶんのからだに くっつけて、 かざりたてました。
いよいよ コンテストが はじまりました。
かみさまは、 あのカラスに めを とめました。
「おや? あんなに うつくしくて めずらしいとりが いたのか。 よし、 あのとりを いちばんに しよう」
カラスは おおよろこびで かみさまの まえに すすみでました。
すると、 1わの とりが おこりだしました。
「ずるいぞ、 カラスめ! わたしの はねを かえせ!」
そういって、 カラスに とびつき、 くちばしで じぶんの はねを ひきぬきました。
ほかの とりたちも いっせいに はらをたて、 カラスから じぶんの はねを むしりとりました。
すると、 カラスは まえよりも みすぼらしい、 きたないすがたに なりました。
ひとの ものを かりて じぶんの もののように じまんしても、 すぐに ばれてしまいます。
そして、 それが ばれると よけい みじめに なってしまうと いう おはなしでした。
おしまい

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