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1ねんせいのにほんむかしばなし

みずアメの どく
むかしむかし、 いっきゅうさんと いう、 とんちで ひょうばんの こぞうさんが いました。
あるひの こと。
おしょうさんが むらびとに みずアメを もらいました。
それを ほしそうなめで みていた いっきゅうさんに、 おしょうさんが こわいかおで いいました。
「これは どくの みずアメじゃ。 たべたら しんでしまうから、 けっして たべては いけないぞ」
いっきゅうさんは ニッコリわらって、
「はい、ぜったいに たべません」
と、いいました。
おしょうさんは それをきいて、 あんしんして ようじに でかけました。
おしょうさんが いなくなったことを しった いっきゅうさんは、 たべてはいけないと いわれていた みずアメを ほかのこぞうさんたちと わけあって、 ぜんぶ たべてしまいました。
それから しばらくして、 おしょうさんが ようじを すませて かえってくるのが みえました。
すると いっきゅうさんは、 おしょうさんの たいせつにしていた ちゃわんを もちだし、 それを にわの いしに ぶつけて わってしまいました。
そして めもとを つばで ちょんちょんと ぬらすと、 みんなで なきまねを しました。
かえってきた おしょうさんは ビックリ。
「こりゃ、 なにを ないておるのじゃ?」
すると いっきゅうさんが いいました。
「えーん、 えーん、 おしょうさんの たいせつな ちゃわんを わってしまいました。 おわびに どくの みずアメを なめて しのうと おもいましたが、ぜんぶ なめても しねません」
それを きいた おしょうさんは、
「こりゃ、 やられたわ」
と、 いい、 それからは むらびとに もらった おかしは、 みんなで わけることに したのです。
おしまい

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