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1ねんせいのせかいむかしばなし

こびとと クツや
グリムどうわ → グリムどうわ の せつめい
むかしむかし、 あるところに、 まじめなクツやが いました。
クツやは まいにち まじめに はたらいているのに、 だんだん びんぼうになり、 とうとう 1そくぶんの クツの かわしか のこらなくなりました。
クツやは、そのさいごの かわを クツのかたちに きっておいて、 そのひは ねてしまいました。
つぎのひの あさ、 めを さました クツやは ビックリ。
クツが 1そく、 ちゃんと できあがっていたのです。
そのクツは とてもすばらしい できだったので、 とても よいねだんで うれました。
クツやは そのおかねで、 2そくぶんの かわを かいました。
そして、 そのかわを クツのかたちに きったところで、 また ねてしまいました。
すると つぎのひの あさにも、 りっぱなクツが 2そく できあがって いました。
それから まいにち、 ずっと おなじことが つづきました。
2そくが 4そくになり、 4そくが 8そく、 8そくが 16そく、 16そくが 32そく・・・と、 どんどんクツが ふえていったので、 クツやは すっかり おかねもちに なりました。
あるひ、 クツやは おかみさんと いっしょに ひとばんじゅう おきていることに しました。
だれが あのすばらしいクツを つくっているのか、 しりたくなったからです。
さて、 よなかに なると、 はだかの こびとが ふたり あらわれました。
ふたりの こびとは ちいさなてで すばやくかわを ぬい、 トントンと たたいて くつの かたちを ととのえると、 あっというまに りっぱなクツを つくりあげました。
それをみて おかみさんは いいました。
「クツを つくってくれた おれいに、 あのこびとたちに ふくを ぬってあげるわ。 はだかじゃ さむそうだもの。 あなたは ちいさなクツを つくってあげたら」
クツやも それがいいと いいました。
つぎのよる、 いつもの クツの かわの かわりに、 おかみさんがぬった ちいさなシャツと ズボンと チョッキ、それに クツしたと クツを にそくずつ おいておきました。
すると こびとたちは おおよろこびで ふくをきて、 そこいらを とびはねながら うたいました。
♪これで、 ぼくらは かわいい こびと。
♪もう、 クツやじゃ なくなっちゃった。
♪これで、 じゆうに なったんだ。
おおごえで うたったり おどったり しながら、 そとにでていき、 そのまま 2どと あらわれませんでした。
けれども、 クツやのクツは それからも とぶように うれつづけ、 クツやは しあわせに くらしました。
おしまい

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