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1ねんせいのせかいむかしばなし

ウサギの ツノ
ザンビア の むかしばなし → ザンビア の せつめい
むかしむかし、 ゾウが えんかいを ひらこうと おもいつきました。
そこで、 ビールや ごちそうの よういをすると、 けものたちを よんで いいました。
「このビールは、 ツノの あるものにだけ のませてやる。 ツノの ないものは だめだ」
けものたちは、 ゾウを こわがって いましたから、 みんな おとなしく いうことを ききました。
けれども、 ウサギは じぶんに ツノがないのが ざんねんで なりません。
「おいしい ビールだろうなあ。 なんとかして、 えんかいに いくほうほうは ないかな? そうだ、 ツノを てにいれれば いいんだ」
ウサギは しげみに かくれて、 わかいシカが くるのを まちました。
そして、 シカが しげみのそばを とおりすぎようと したとき、 シカのせなかに とびのったウサギは、 すばやく シカのツノを きりとって、 じぶんのあたまに はりつけたのです。
こうして ウサギは、 おおいばりで ゾウのえんかいに でかけていきました。
ゾウは ウサギをみると、 おどろいて いいました。
「ウサギの ツノが、 いちばん りっぱじゃないか。 たいしたものだ。 さあさあ、えんりょなくのめ」
ほかのけものたちも、 くちをそろえて、 ウサギのツノを ほめました。
ウサギは、 ビールを だれよりも たくさんのみました。
よっぱらって、 フラフラになるほど のみました。
そこへ とつぜん、 としよりのシカが やってきました。
ウサギは、シカに たずねました。
「おやおや、 ずいぶん おそくおいでだね? おじいさんには ツノが ないのかい?」
「わしは、 おまえが どんなかおをして、 ビールをのんでいるか けんぶつに きたのさ」
と、 としよりのシカは こたえて、 ウサギの そばに すわりました。
そして、 ウサギのほうに そっとからだを かがめて、 ヒソヒソこえで いいました。
「はりつけたものは、 はげてしまうぞ」
おきゃくの けものたちは、 シカが ウサギに どんな ないしょばなしをしたのか、 しりたがりました。
ウサギは わらって、 こたえました。
「こんなじいさんの ことなんか、 きにしなくても いいじゃありませんか。 なにね、 シカの じいさんは ごちそうを たべすぎて、 くだらんことを ブツブツいってるんですよ」
としよりの シカは それをきいて、 こんどは おおごえで いいました。
「はりつけたものは、 はげてしまうさ!」
ゾウと おきゃくたちは、 ウサギのツノを ジロジロながめました。
ウサギは ビックリして、 ガタガタと ふるえだしました。
そのとたんに、 はりつけたツノが はげて、 じめんに おちてしまいました。
インチキが ばれた ウサギは いちもくさんに、 にげていきました。
おしまい

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