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1ねんせいのせかいむかしばなし

はなの おじいさん
ちゅうごく の むかしばなし → ちゅうごく の せつめい
むかしむかし、 あるところに、 たいそう はなのすきな おじいさんが いました。
じぶんのうちの にわに、 いつも たくさんのはなを うえています。
まいあさ はやく、 おじいさんは にわを きれいにそうじして、 きにも くさにも、 1ぽんのこらず ていねいに みずをやります。
あたらしく さきかけのはなを みつけると、 おじいさんは よろこんで、 そのはなに おじぎをしたり、 おさけを そなえたりしました。
あめが ひどくふったり、 かぜが はげしくふくときなどは、 おじいさんは よなかでも おきだして、 にわへでて はなを みまわります。
もし、 おれそうなえだが あると、 たけで ささえを してやります。
しぼんだはなや、 ちってしまったはなを みると、
「かわいそうになあ」
と、 ためいきを ついて、 なみだを こぼします。
そうして、 ちったはなびらを はきあつめて、 1つ1つすいで きれいにあらいます。
それから カメのなかに いれて、 おまつりをしてから つちに うめてやります。
はなの おそうしきです。
これほどまでに、 はなを かわいがって いるのでした。
あるひのこと、 そのおじいさんの いえの そばを、 らんぼうなおとこたちが とおりかかりました。
「おお、 ここが はなぐるいの じいさんのうちだな。 どれ はいってみよう」
らんぼうしゃたちは、 おじいさんいえの とびらを ドンドンと たたきました。
「おい、 おれたちにも、 にわのなかを みせろ!」
おじいさんは しかたなしに、 らんぼうものたちを いれてやりました。
にわには ちょうど、 ボタンの はなが いっぱい さいていました。
でも、 らんぼうものは はなも みないで、 なかまたちと いっしょに さけを のみはじめました。
そのうちに、 よっぱらった らんぼうものは、 そばにあったはなの えだを おろうとしました。
おじいさんは ビックリして、
「あっ、 やめてください。 はなが かわいそうです」
と、 とめに はいりましたが、
「ええい、 うるさい! こうしてくれるわ!」
と、 いって、 はなを みんな へしおってしまうと、 わらいながら にわを でていきました。
おじいさんは、 メチャクチャにされた はなをみて、 ポロポロと なみだを こぼしました。
「ああ、 かわいそうに、 かわいそうに」
すると、 そのとき、
「もし 、もし」
と、 いう、 やさしいこえが しました。
おじいさんが ふりむいてみますと、 うつくしいはなの せんにょが たっていました。
「おじいさん、 そんなに かなしまなくても いいです。 はなは みんな、 もとのように してあげますよ」
と、 いって、 パッと きえてしまいました。
おじいさんが はなをみてみると、 いつのまにか はなは みんなもとどおりに なっており、 どのはなも、 まえより もっときれいないろになって さいていました。
「おお、 よかった。 ほんとうに よかった。 ・・・せんにょさま、 ありがとうございます」
そして、 あのらんぼうしゃたちはと いうと 、あれからすぐに、てや あしの うごかないびょうきに なったということです。
おじいさんは、 だいすきなはなと いっしょに、いつまでも しあわせに くらしました。
おしまい

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