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4月22日の小話
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きいた名前
家をさがして、うろうろしている人がおりました。
「もし、ちょっとおたずねしますが、このあたりに、福徳屋徳右衛門(ふくとくやとくざえもん)さまという人の家はありませぬか」
するとこぞうは、
「はあ、福徳屋徳右衛門ねえ、うーん。きいたことがある名だが、どこだったかなあ。ねえ、番頭(ばんとう→従業員のリーダー →詳細)さん、知りませんか?」
「いいや。しかし、どこかで、きいたような名ですなあ。もし、だんなさまは知りませぬか?」
「ふむふむ。たしかに、きいたような名だが・・・」
と、しばらく考えていましたが、ポンとひざをたたき、
「おお、きいたような名のはずだ。それは、わたしのことでございます」
おしまい
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