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4月22日の日本民話
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弥陀ケ原の弘法清水
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むかしむかし、弘法大師(こうぼうたいし)と言うお坊さんが、立山(たてやま→富山県の南東部)にこもって修行をしていた時の事です。
その当時の弥陀ヶ原(みだがはら)は、行けども行けども一滴のわき水もありませんでした。
その為に立山に登る人たちは、苦しい思いをしていました。
これを知った弘法大師が、
「水は、生きていく上でもっとも大切な物。それがないとは、不便な事じゃ」
と、持っていた錫杖(しゃくじょう→修行する人が持ち歩くつえ)で軽く地面を叩いたのです。
すると錫杖は深く地面に突き刺さり、弘法大師が錫杖を引き抜くと、そこから水がこんこんとわき出てきたのです。
人々はこのわき水を、弘法清水(こうぼうしみず)と名付けました。
今でも弘法清水はわき出ており、この弘法清水でわかしたお茶を飲むと元気が出ると言われています。
おしまい
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