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福娘童話集 > きょうの新作昔話 > 羊不爛山

2013年 12月16日の新作昔話

羊不爛山(ようふらんざん)

羊不爛山(ようふらんざん)
中国の昔話中国の情報

おりがみをつくろう ( おりがみくらぶ より)
羊の折り紙ひつじ

 むかしむかし、中国のあるところに、とても高い山がありました。
 この山には広成子という名前の仙人がいて、遠くから訪ねて来る仲間のために、ヒツジの肉の煮物を作って待っているという伝説があるのです。
 ある日の事、都から偉い役人がやって来て、この伝説を耳にすると、自分も仙人の料理を食べてみたくなりました。
 そこで麓の村でヒツジと薪(まき)を用意して、召使いと一緒に山へ登っていきました。
 そして料理にとりかかろうと、持ってきた薪に火をつけましたが、薪はくすぶるだけで火はなかなかつきません。
「おかしいな。薪が湿っているのかな?」
 それでも召使いは頑張って火をつけると、鍋に入れたヒツジの肉をぐつぐつとゆで始めました。
 さて、一時間以上は煮込んだので、もうヒツジを食べることが出来るだろうと、役人は鍋のふたを開けてみたのですが、不思議な事にヒツジの肉には少しも火が通っていないのです。
「おかしいな。山の上だから、煮込むのに時間がかかるのかな?」
 そこで役人は、さらに三時間ほど煮込んでみましたが、ふたを開けてみると、やっぱりヒツジの肉は生のままです。
「仕方ない。今日はあきらめよう」
 あきらめた役人は、その日はその山にあるお寺で泊まることにしました。
 そこで役人がお坊さんに今日の事を話してみると、お坊さんはこう教えてくれたのです。
「この山でヒツジを煮るには、仙人が使う仙火と言う物が必要です。でも、どうしてもと頑張るつもりなら、三日ほど頑張ってみなさい。運良くヒツジが煮えて食べられたなら、凡人でも仙人と同じ体になれると言われていますぞ」
「おおっ、仙人と同じ体に!」
 それを聞いた役人は召使いと頑張って、三日の間、ヒツジの肉を煮続けました。
 けれど三日後、役人が鍋のふたを取ってみると、やっぱりヒツジの肉は生のままだったのです。
 役人は仕方なく、山を下りて都に帰って行きました。
 この話はたちまち評判となり、人々は山の事を『羊不爛山(ようふらんざん)』と呼ぶようになりました。

 羊不爛山とは、ヒツジが煮えない山という意味だそうです。

おしまい

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