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福娘童話集 > きょうの新作昔話 > サソリの毒とハチの毒
2014年10月17日の新作昔話
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サソリの毒とハチの毒
エジプトの昔話 → エジプトの情報
むかしむかし、悪い男が動物を殺すための毒薬を作ろうと思い、まずはサソリの住みかに行きました。
「サソリくん。きみの毒はハチよりも強力だろう。実はきみの強力な毒が欲しいんだ」
自分の毒を褒められたサソリは、いい気持ちになって、
「はい、お安いご用です」
と、男に自分の毒を全部あげました。
サソリの毒が手に入った男は、もうサソリに用がなくなりました。
そこで急に、意地悪い声で言いました。
「おいサソリ。お前は強い毒を使う、悪い奴だ。お前の様な奴を生かしておいては、世の中の為にならない!」
そして男は、毒の無くなったサソリを足で踏みつぶして殺しました。
男は次に、ハチの毒を手に入れようと、ハチの所に行きました。
でもハチは、サソリと男の様子をこっそり見ていたのです。
男は、愛想の良い顔をして、
「ハチくん、きみは素晴らしい毒を持っているね。実はきみの強力な毒が欲しいんだ」
けれどハチは、
「残念ながらぼくの毒は、とても弱くてあなたのお役には立ちそうにありません。それにぼくは、毒は自分の為にだけ使うつもりです。例えば、あなたの様な悪者をやっつけるためにね」
と、言って、どこかへ飛んで行ってしまいました。
おだてに弱い者は、悪者におだてられて悪事に荷担し、最後には悪者に裏切られるでしょう。
しかし頭の良い者は、悪者におだてられても悪事には荷担せず、悪者から逃げるでしょう。
おしまい
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