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      3月12日の世界の昔話 
          
          
         
隠れていないよ 
インドの昔話 → インドの説明 
       
      ※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先 
      
       
      投稿者 「眠りのねこカフェ」 
       
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      投稿者 「元局アナ佐藤くみこの「優しいおやすみ朗読」 
      
      
       むかしむかし、ある泥棒がおまわりさんに見つかって、自分の家へと逃げてきました。 
 そして自分の家の倉にやって来ると、近くにいた六才になる息子に言いました。 
「いいか、もうすぐ誰かがやって来て、『お父ちゃんは、どこにいる?』と聞いても、絶対に倉にいるなんて言うなよ」 
「うん、絶対に言わないよ」 
「よし、良い子だ」 
 安心した泥棒が倉に飛び込むと、間もなくおまわりさんがやってきました。 
 おまわりさんは辺りをキョロキョロと見回しますが、そこには息子以外、誰もいません。 
「おかしいな? 確かにこの辺に逃げてきたはずだが」 
 そこでおまわりさんは、息子に尋ねました。 
「ねえ、坊や。さっきここに、誰かがやって来なかったかい?」 
 すると息子は、大きな声で元気に言いました。 
「ううん。お父ちゃんは、ぜったい倉なんかに隠れていないよ」 
「おや? 変な言い方だな」 
 おまわりさんは息子の返事をあやしく思って、倉の中に入っていきました。 
 すると泥棒は倉の奥の方で、小さくなって隠れていたのです。 
      おしまい 
         
         
         
        
 
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