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11月23日のイソップ童話
ワシとネコとイノシシ
※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先
投稿者 : 神栖星花研究所 「神栖星花研究所」
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投稿者 「佐倉サニャ」 Sakura Sagna's VODs
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投稿者 「天乃悠の朗読アート」 天乃悠の朗読アート
ある樫(かし)の木のてっぺんに、ワシが巣を作りました。
そしてネコがその木の中間に、ちょうどいい大きさの穴を見つけて引っ越して来ました。
さらにイノシシが木の根元の穴に、子どもと一緒に住み着きました。
ネコは上と下の住人を見て、こう考えました。
「ワシとイノシシか。力ではかなわないけど、うまく両方をぶつけてやれば」
悪巧みを考えたネコは、まずワシの巣へと登って行って、こんな事を言いました。
「大変です! あなた方と私の身に危険が迫っているのです。あなたもご存じのように、あのイノシシは毎日地面を掘り返していますが、あれはこの樫の木を根っこから倒してしまおうと考えているからです。そして我々の家族が落っこちたら、捕まえて子どもたちへの食料にしようとしているのです!」
「ええ! なんて事でしょう!」
ネコはワシに恐怖を吹き込むと、今度はイノシシの所へ下りて行って、こんな事を言いました。
「大変です! あなた方に、大変な危険が迫っています。ワシの奴が、あなたが子どもたちと穴から出ようとするところを狙っているのです。あなたたちがえさを探しに穴から出たら、すぐさま一匹をさらってしまおうと考えているのです」
「ええ! なんて事でしょう!」
ネコはこの様に、イノシシにも恐怖を吹き込みました。
ワシはイノシシが木を倒すのではないかと恐れて、えさも取りに行かずに一日中外を見張り続けました。
するとイノシシは見張っているワシに怯えて、巣穴から出て行く事が出来ません。
やがてワシとイノシシの家族は飢え死にして、ネコとその子どもたちの栄養となったのです。
人の話を信じすぎると、このワシやイノシシの様に、不幸な事になるかもしれませんよ。
おしまい
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