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2月21日の日本の昔話
おじいさんはくさかった
老阿伯分屁臭到當毋著
・日本語 ・日本語&中国語 ・日本語&客家語
福妹日本童話集 (臺灣客語.海陸腔) 翻譯:鄧文政(ten33 vun55 zhin11)
むかしむかし、ある村に、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
頭擺頭擺,有一个村庒戴一對老阿公摎老阿婆。
おじいさんはいつもの様に山へしばかりに出かけ、おばあさんもいつもの様 に川へせんたくに出かけました。
老阿公摎平常共樣上山去撿樵,老阿婆斯去河壩脣洗衫。
すると川上から大きなイモが、ドンブラコ、ドンブラコと流れてきました。
當當洗个時節,有一條大蕃薯跈河壩水kolon kolon流下來。
「こりゃあ、うまそうなイモだこと」
「這像形係盡好食个蕃薯。」
おばあさんは大喜びでイモを拾うとイモを家に持って帰り、そのイモを小さく切ってカマでむしあげました。
老阿婆當歡喜拈起來帶轉屋家去,切做細細垤放落鑊肚吹,
むしあがったイモはとてもホクホクしていて、とってもおいしそうです。
吹熟个蕃薯鬆鬆,看起當好食樣。
おばあさんはさっそく一つつまんで、口に入れてみました。
老阿婆煞煞拈一垤塞落嘴肚試食。
「おやおや、何ておいしいんでしょう」
「唉哦!還好食哦!」
おばあさんはまた一つ、また一つと、イモをどんどん食べていきました。
老阿婆過拈一垤,再過拈一垤,一垤過一垤緊食。
するとそのうちに、お腹がはってきて、
食到肚屎嗄脹起來。
「プーーー、プーーー」
「puーーー、puーーー」
と、おならが出るようになりました。
緊打屁。
それが何ともくさいおならで、おばあさんは思わず鼻をつまみました。
該仰會恁臭,老阿婆用手撚等鼻空講:
「こりゃ、イモを食べ過ぎたかな」
「這,怕係番薯食昶多。」
おばあさんはしょうじを開けて、おならのにおいを外へ出しました。
老阿婆打開紙門摎臭味放出去。
そのおならのにおいは風にのって、山の方へ流れて行きました。
臭屁个味跈風,吹到山頂。
「おや? なんだかくさいぞ」
「啊呀!仰會恁臭!」
山でしばかりをしていたおじいさんは、あわてて両手をふりました。
在山撿樵个老阿伯煞煞用兩手撥。
「くさい、くさい」
「還臭,還臭。」
あまりのくささに、しばかりどころではありません。
實在忒臭,無位好撿樵。
そこでおじいさんは山をおりて、ウシに食べさせる草をかって帰りました。
高不將下山,割兜牛食个草斯轉去。
それを見たおばあさんが、おじいさんに言いました。
老阿婆看到這情况,問老阿伯:
「おや?おじいさん、今日はしばかりじゃなかったのですか?」
「唉哦?老貨仔,今晡日毋係去撿樵咩?」
すると、おじいさんは鼻をつまんで言いました。
老阿伯撚等鼻空講:
「とんでもない。今日はくさかった」
「正無係了,今晡日當臭。」
おしまい
煞了
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