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2月27日の日本の昔話

二月の桜
イラストレーター 「雪の雫」  運営サイト 灯路  イラストダウンロード サイズ2880px×2160px

二月の桜
愛媛県の民話愛媛県情報

おりがみをつくろう ( おりがみくらぶ より)
桜の折り紙さくら

♪音声配信(html5)
音声 スタヂオせんむ

 むかしむかし、桜谷というところに、おじいさんが孫の若者と一緒に住んでいました。
 この桜谷には、むかしから大きな桜の木があります。
 おじいさんは子どもの頃から桜の木と友だちで、春が来て満開の花を咲かせると、おじいさんは畑仕事もしないで桜をうっとりとながめていました。
 そして花びらが散ると、おじいさんはその花びらを一枚一枚集めて木の下に埋めました。
「桜や。今年も楽しませてくれて、ありがとうよ」

 さて、そのおじいさんもやがて年を取り、とうとう動けなくなりました。
 二月のある寒い日、おじいさんは北風の音を聞きながら、ぽつんと若者に言いました。
「わしは今まで生きてきて、本当に幸せじゃった。だが、死ぬ前にもう一度、あの桜の花を見たいものじゃ」
「そんな事を言ったって、今は二月だ。いくら何でも・・・」
 若者はそう言いかけて、口をつぐみました。
 おじいさんが目をつむり、涙をこぼしているのです。
 きっと、桜の花の姿を思い浮かべているのでしょう。
「おじいさん、待っていろよ」
 若者はじっとしていられずに、外へ飛び出しました。
 そして冷い北風の中を走って、桜の木の下に行きました。
 今日は特別に寒い日で、桜の木も凍える様に細い枝先を震わせています。
 若者は桜に手を合わせると、頼みました。
「桜の木よ。どうか、お願いです。花を咲かせて下さい。おじいさんが死にそうなんです。おじいさんが生きている間に、もう一度花を見せてやりたいんです」
 若者は何度も何度も祈り続けて、夜が来ても木の下を動こうとはしませんでした。

 やがて夜が明けて、朝が来ました。
 桜の木の下で祈り続けていた若者は、あまりの寒さで気を失っていましたが、急に暖かさを感じて目を覚ましました。
「どうして、こんなに暖かいんだ? それに、甘い花の香りがするぞ」
 若者はゆっくりと顔をあげて、桜の木を見あげました。
「あっ!」
 何と不思議な事に、桜の木には枝いっぱいに花が咲いていたのです。
 二月のこんなに寒い日に、しかもたった一晩で咲いたのです。
「ありがとうございます!」
 若者は桜の木に礼を言うと、おじいさんの待つ家へ走って帰りました。

「おじいさん! おじいさん! 私がおんぶするから、一緒に来て下さい」
「何じゃ? どうしたんじゃ?」
「いいから、出かけますよ」
 若者はおじいさんを背負うと、桜谷へと向かいました。
 やがて、桜の木がだんだん近づいて来ると、
「おおっ・・・」
 おじいさんは驚いて言葉も出せずに、ただ涙をぽろぽろとこぼしました。
「よかったですね。おじいさん」
 桜の花は朝日を浴びて、キラキラと光り輝いています。
「これほど見事な桜の花を、わしは今まで見た事がない。わしは、本当に幸せ者じゃ」
 そうつぶやくおじいさんに、若者も涙をこぼしながら頷きました。

 それから間もなく、おじいさんは亡くなりましたが、それからも桜谷のこの桜の木は、毎年二月十六日になると見事な花を咲かせたそうです。

おしまい

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