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 4月22日の日本の昔話
 
 
  
 ウマのふん
 馬屎
 
 福妹日本童話集 (臺灣客語.海陸腔) 翻譯:鄧文政(ten33 vun55 zhin11)
 
 にほんご(日语)  ・ちゅうごくご(中文) ・日语&中文
 
 むかしむかし、吉四六さんと言う、とてもゆかいな人がいました。頭擺頭擺,有一個人安著吉四六先生,非常樂線。
 この頃吉四六さんは、妙な事を始めました。
 大約在這下,講兜吉四六先生會做个生趣事情:
 毎朝、ざるにウマのふんを入れて、川にさらして洗っているのです。
 逐朝晨拿畚箕去張馬屎,拿去河壩洗。
 そして洗い流すと、ざるの中にいくらかのお金が入っているのです。
 經過水沖以後畚箕肚伸著一息仔黃金。
 「今朝も、もうかったわい」
 「朝晨拈著囉!」
 吉四六さんは、ざるにお金を入れたまま、見せびらかす様に帰って行きました。
 吉四六先生拿等張有黃金个簸箕當風神樣行轉屋下去。
 それを見ていた近所の人が、吉四六さんに尋ねました。
 看著个鄰舍問吉四六先生:  「吉四六さん。そのお金、まさかウマのふんから出たのではないだろうな」
 「吉四六先生,該金仔敢係馬屎洗出來个無?」
 「はい、確かにふんから出た物じゃ」
 「係啊,確實係馬屎洗出來个!」
 「するとお前さんのウマは、お金のふんをするのかね?」
 「照恁樣,你該條馬會屙黃金屎呢?」
 「そうだが、それが何か?」
 「係啊!有麼个意見?」
 さあ、それを聞いた村の人たちは、みんな吉四六さんのウマが欲しくなりました。
 聽著佢恁樣講个村民,大家就想愛吉四六个馬。
 「吉四六さん。そのウマを売ってはくれんか?」
 「吉四六先生,該條馬賣分𠊎好無?」
 「いや、売らんぞ。このまま持っていれば、金持ちになれるもんな」
 「做毋得、毋賣!有這條馬會變有錢人!」
 売らないと言えば、よけいに欲しくなるものです。
 講毋賣,佢兜還啊想愛。
 「五十両出すから、売ってくれ」
 「出五十兩銀賣分𠊎!」
 「いや、おれは七十両だ」
 「無𠊎出七十兩!」
 「わしなら、百両出すぞ」
 「𠊎出一百兩!」
 でも、吉四六さんは、
 吉四六先生斯講:
 「そんな金、毎日ふんを洗っておれば、すぐに貯まるわい」
 「逐日洗馬屎得著金仔,黏時長有當多錢。」
 と、ウマを売ろうとはしないのです。
 無想愛賣該條馬。
 そしてとうとう、噂を聞いた町一番のウマ買いがやって来ました。
 慢慢風聲傳開來,分城肚最好馬个買主聽著走過來。
 すると吉四六さんは、
 吉四六先生講:
 「仕方ねえな。村の人ならともかく、わざわざ町から来たんじゃ断れねえ。ただし、毎日上等なえさをやってくれよ」
 「無法度呢!本莊人就算了、挑工對街路來無賣嗄做毋得,毋過逐日愛拿最好个飼料分佢食哦!」
 と、とうとうウマを手放したのです。
 斯放手,賣佢,
 ウマ買いは大金を置いて、喜んでウマを引いて行きました。
 馬販仔拿一堆金仔分佢,歡喜壢天牽等馬轉去。
 ところがウマ買いは毎日特別上等なえさをやって、大事大事にしているのですが、ウマはお金のふんを出さないのです。
 毋過馬販仔逐日雖然拿最好个飼料分佢食,細義照顧馬,還係無屙金屎。
 最初の二、三日は、数枚のお金が出て来たのですが、それからはまるで出てきません。
 最頭二三日屙幾矻仔金仔出來,過後無屙半矻。
 「吉四六め!だましやがったな!」
 「吉四六你這个漦仔!敢騙𠊎!」
 怒ったウマ買いは村にやって来ると、
 馬販仔膦火綻天走來莊下。
 「やい、吉四六。あのウマは金を出さんぞ!」
 「噯!吉四六。你這條馬毋會屙金屎呵」
 と、怒鳴り込みました。
 盡毋甘願來著屋下大鬧。
 すると吉四六さんは、
 吉四六先生斯講:
 「はて?そんなはずは。・・・えさが悪いんじゃないのか?」
 「e24?該應該係...飼料毋好敢?」
 「何を言うか。ムギやらニンジンやら、毎日上等なえさをやって、大事にしているんだ!」
 「你講麼个?逐日毋係拿麥仔無斯紅菜頭該兜上等飼料,奉待阿公樣!」
 「ムギやニンジンねえ。まあ、確かにそれも上等なえさだが。・・・で、そのえさには、お金は入っているかい?」
 「麥仔無斯紅菜頭係上等飼料無毋著!...另外有放兜黃金落去無?」
 「金?」
 「黃金?」
 「そうさ、どんなにいいえさでも、お金入りのえさほど上等じゃねえ。この世 で一番上等なえさは、お金入りのえさだ。それさえやれば、ウマはお金の入ったふんをするよ」
 「係哪!拿麼个飼料毋當放黃金个飼料恁好!這世上最好个飼料係放有黃金个飼料,若係用這種个飼料,你个馬定著會屙出黃金屎來。」    おしまい  煞咧   
 
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