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4月25日の日本の昔話

ネコの恩返し

ネコの恩返し

♪朗読 : 鶏子(とりこ)

 むかしむかし、ひどい貧乏寺(びんぼうでら)に、和尚(おしょう)さんが一人で住んでいました。
 和尚さんは一匹の三毛ネコを自分の子どもの様に可愛がっていましたが、今ではそのネコもすっかり年寄りです。

 ある日の事、和尚さんが村人の法事(ほうじ)に出かけて夜遅くに寺へ戻って来ると、寺の中で何やら騒がしい音がします。
(はて、どうしたんだろう?)
 不思議に思った和尚さんが、そっと中をのぞくと、和尚さんの三毛ネコが和尚さんの衣(ころも)を着て、楽しそうに踊っているではありませんか。
 しかも三毛ネコのまわりにはたくさんのネコが集まって、三毛ネコと同じ様に首を振ったり手足を動かしています。
(こりゃ、おどろいた!)
 和尚さんは、しばらくネコの踊りを見ていましたが、
(そう言えば、ネコを長い間飼っていると化けネコになるというな。うちの三毛ネコも長い間飼っているから、とうとう化けだしたか)
と、怖くなって来ました。
 そこで、わざと大きなせき払いをしてから、ゆっくりと戸を開けました。
「三毛や、今、帰ったよ」
 そのとたん、ネコたちはあわてて外へ飛び出し、和尚さんの飼っている三毛ネコもあわてて衣を脱ぐと、いつもの様に和尚さんのそばへ駆け寄って来て甘えました。
「ニャーオ」
「・・・三毛や。・・・いや、何でもない」
 和尚さんは頭を振ると、さっさと奥の部屋に行ってしまいました。
「・・・ニャーオ」
 いつもとちがう和尚さんの態度に、三毛ネコはがっかりした様に鳴きました。

 さて、その日の真夜中、和尚さんが寝ていると、誰かが耳元で和尚さんに声をかけました。
「和尚さん、和尚さん」
 和尚さんが目を開けると、まくら元に三毛ネコが座っています。
「今、わしを呼んだのはお前か?」
「はい、わたしです。実は和尚さんに、お話があります」
 和尚さんはネコが口をきいたのでびっくりしましたが、それでも起き上がると三毛ネコの話に耳を傾けました。
「わたしは長い間、和尚さんに可愛がってもらいました。
 ご存じかもしれませんが、人間に長く飼われたネコは知恵と妖力がついて、化けネコになります。
 わたしが化けネコになったのは、もう三年も前の事です。
 出来れば化けネコになった事は隠して、このまま和尚さんと一緒に暮らしたかったのですが、正体を知られてはそれも出来ません。
 わたしは今晩を最後に、ここを出て行きます」
 それを聞いた和尚さんの目に、涙がこぼれました。
 いくら化けネコでも、今まで自分の子どもの様に可愛がって来たネコです。
「三毛や、この事は誰にも言わないから、どうかいつまでもここにいておくれ」
「ありがとうございます。でも、別れなくてはなりません」
 三毛ネコはていねいに頭をさげると、寺を出て行きました。

 三毛ネコがいなくなると、和尚さんはさみしくて、何をする気にもなれません。
 ただボンヤリと、一日を過ごす様になりました。

 それから十日ばかりが過ぎた頃、村の長者(ちょうじゃ)が亡くなり、お葬式(そうしき)を出すことになりました。
 ところがお葬式を始めようとすると大雨が降って来て、お葬式が出来ません。
 仕方なく日を変えましたが、お葬式を始めようとすると、またまた嵐になるやら雷が鳴るやらで、お葬式が出来ません。
 明日こそはと思っていたら、その日の夜からどしゃぶりの大雨です。
「これ以上、お葬式をのばせないし、かといって、大雨ではお葬式が出来ないし」
  家族や親戚たちは、ほとほと困ってしまいました。 

 その晩、和尚さんがいろりのそばにションボリ座っていると、あの三毛ネコが姿を現しました。
「おう、三毛や。よく戻って来てくれた」
 和尚さんが喜んで三毛ネコを抱きしめようとすると、三毛ネコが言いました。
「和尚さん、しばらくです。
 わたしが今夜来たのは、長い間可愛がってもらったお礼をしたいからです。
 この間、長者が亡くなったのはご存じでしょう。
 ところがいまだに、お葬式が出せなくて困っています。
 そこで和尚さんが出かけて行って、『わしに葬式をさせてくれ。必ず雨を止ませるから』と言うのです」
「でも、わしみたいな貧乏寺の和尚が行ってもな。それに、必ず雨を止ませる事なんて」
「大丈夫。わたしに任せてください」
 三毛ネコはそう言うと、どこかへ行ってしまいました。

 次の日は、朝になっても大雨が続いていました。
「さて、どうしたものか」
 和尚さんは、長者の屋敷に行くのを迷いましたが、可愛がっていた三毛ネコの言葉を信じて出かけました。
 長者の屋敷につくと、家族や親戚の人たちは、今日も葬式が出せないと言って困っています。
 和尚さんは胸を張って、大きな声で言いました。
「わしに葬式をさせてくれ! 必ず天気にしてみせるから!」
 家族や親戚の人たちは、立派な坊さんが来ても葬式を出せないのに、こんな貧乏寺の和尚さんに何が出来るかと思いましたが、とにかく早く葬式を済ませたいので、
「なら、やってみてくれ」
と、言いました。
「よし、それでは始めよう」
 和尚さんは、お棺(かん)の前に座って、ゆっくりお経を読み始めました。
 すると、どうでしょう。
 さっきまでの大雨が突然止んで、たちまち太陽が顔をのぞかせたのです。
 家族や親戚たちは大喜びです。
 こうして長者のお葬式は、無事に終わることが出来ました。
「和尚さま、ありがとうございました」
 家族や親戚たちは、和尚さんにたっぷりとお礼をしました。
 そしてこの話が遠くまで伝わり、大きな葬式には必ず和尚さんが呼ばれるようになりました。
 おかげで、今にも潰れそうだった貧乏寺は、立派な寺へ建て直され、弟子や小僧もたくさん増えて、和尚さんは一生幸せに暮らしたという事です。

おしまい

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