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4月25日の日本の昔話

ネコの恩返し

ネコの恩返し
猫的报恩

翻訳者:廣東省恵州学院 陳怡彤

にほんご(日语)  ・ちゅうごくご(中文) ・日语&中文

♪音声配信(html5)
音声 鶏子(とりこ)

♪音声配信(html5)
朗読 : 佐々木久美子

 むかしむかし、ひどい貧乏寺(びんぼうでら)に、和尚(おしょう)さんが一人で住んでいました。
 很久很久以前,有一个住持住在非常贫穷的寺庙里。

 和尚さんは一匹の三毛ネコを自分の子どもの様に可愛がっていましたが、今ではそのネコもすっかり年寄りです。
 住持把一只长着黑白棕三色毛的猫(三色猫)当做自己的孩子一样来疼爱,但现在那只猫也完全变成老猫了。


 ある日の事、和尚さんが村人の法事(ほうじ)に出かけて夜遅くに寺へ戻って来ると、寺の中で何やら騒がしい音がします。
 有一天,住持出门去为村民做法事,晚上很晚才回到到寺庙,寺庙里好像有什么嘈杂的声音。

(はて、どうしたんだろう?)
(哎,到底是怎么回事呢?)

 不思議に思った和尚さんが、そっと中をのぞくと、和尚さんの三毛ネコが和尚さんの衣(ころも)を着て、楽しそうに踊っているではありませんか。
 觉得很奇怪的住持,悄悄地向里面一看,这不正是住持的三色猫穿着住持的衣服,快乐地跳舞吗?

 しかも三毛ネコのまわりにはたくさんのネコが集まって、三毛ネコと同じ様に首を振ったり手足を動かしています。
 而且三色猫的周围聚集了很多的猫,和三毛猫一样地扭动着脖子、转动手脚。

(こりゃ、おどろいた!)
(这可真是让人吃惊啊)

 和尚さんは、しばらくネコの踊りを見ていましたが、
 住持看了一会儿猫的舞蹈,

(そう言えば、ネコを長い間飼っていると化けネコになるというな。うちの三毛ネコも長い間飼っているから、とうとう化けだしたか)
(这样说来,听说猫养了很长时间的话就会变成猫妖怪了。我的三色猫也养了很长时间了,终于变成了妖怪了吗?)

と、怖くなって来ました。
 住持变得害怕起来。

 そこで、わざと大きなせき払いをしてから、ゆっくりと戸を開けました。
 于是,故意大声地咳嗽,慢慢地打开了门。

「三毛や、今、帰ったよ」
“三色猫,我回来了”。

 そのとたん、ネコたちはあわてて外へ飛び出し、和尚さんの飼っている三毛ネコもあわてて衣を脱ぐと、いつもの様に和尚さんのそばへ駆け寄って来て甘えました。
 就在这时,猫们急忙跑到外面,住持养的三只猫也慌忙脱下衣服,想平时一样亲昵地跑到住持的旁边。

「ニャーオ」
“喵呜”

「・・・三毛や。・・・いや、何でもない」
“・・・・・三色猫。・・・不是,也没什么”

 和尚さんは頭を振ると、さっさと奥の部屋に行ってしまいました。
 住持摇了摇头,就赶紧去里面的房间了。

「・・・ニャーオ」
“・・・喵呜”

 いつもとちがう和尚さんの態度に、三毛ネコはがっかりした様に鳴きました。
 看见与平时不同态度的住持,三色猫失望地叫了一下。


 さて、その日の真夜中、和尚さんが寝ていると、誰かが耳元で和尚さんに声をかけました。
 然后,那天的半夜,住持在睡觉的时候,有人在住持的耳边说话。

「和尚さん、和尚さん」
“住持,住持”

 和尚さんが目を開けると、まくら元に三毛ネコが座っています。
 住持一睁开眼睛,就看见三色猫坐在枕头上。

「今、わしを呼んだのはお前か?」
“刚才,叫我的是你吗?”

「はい、わたしです。実は和尚さんに、お話があります」
“是的,是我。其实,我有事情要对住持说。”

 和尚さんはネコが口をきいたのでびっくりしましたが、それでも起き上がると三毛ネコの話に耳を傾けました。
 住持对猫开口说话感到很吃惊,不过,还是起来听三色猫说话。

「わたしは長い間、和尚さんに可愛がってもらいました。
“在这段时间里,住持非常疼爱我。

 ご存じかもしれませんが、人間に長く飼われたネコは知恵と妖力がついて、化けネコになります。
 也许您也知道,由人类长期饲养的猫会有智慧和妖力,然后成为猫妖。

 わたしが化けネコになったのは、もう三年も前の事です。
 我变成猫妖已经是三年前的事情了。

 出来れば化けネコになった事は隠して、このまま和尚さんと一緒に暮らしたかったのですが、正体を知られてはそれも出来ません。
 如果可以的话,我也想隐瞒变成猫妖的事情,就这样跟住持一起生活,不过,已经被知道原形了的话也不能继续(跟住持一起生活)了。

 わたしは今晩を最後に、ここを出て行きます」
 今天晚上是最后一夜,然后我就会离开这里”

 それを聞いた和尚さんの目に、涙がこぼれました。
 住持听了后就流下了眼泪。

 いくら化けネコでも、今まで自分の子どもの様に可愛がって来たネコです。
 即使是猫妖,可一直都是当做自己的孩子一样来疼爱的猫。

「三毛や、この事は誰にも言わないから、どうかいつまでもここにいておくれ」
“三色猫呀,这件事我谁也不会说,请你永远留在这里吧”

「ありがとうございます。でも、別れなくてはなりません」
“谢谢你。但是,必须分别了”

 三毛ネコはていねいに頭をさげると、寺を出て行きました。
 三色猫很恭敬的低头,走出了寺庙。


 三毛ネコがいなくなると、和尚さんはさみしくて、何をする気にもなれません。
 三色猫不在了以后,住持很寂寞,什么都不想做。

 ただボンヤリと、一日を過ごす様になりました。
 只是每天都变得心不在焉的。


 それから十日ばかりが過ぎた頃、村の長者(ちょうじゃ)が亡くなり、お葬式(そうしき)を出すことになりました。
 从那之后过了十天左右,村里的富翁死了,需要举办葬礼。

 ところがお葬式を始めようとすると大雨が降って来て、お葬式が出来ません。
 但是,一开始葬礼的话就会下大雨,所以办不成葬礼。

 仕方なく日を変えましたが、お葬式を始めようとすると、またまた嵐になるやら雷が鳴るやらで、お葬式が出来ません。
 虽然没有办法改变了日期,但是如果开始葬礼的话,还会有暴风雨、打雷,搞得没有办法举行葬礼。

 明日こそはと思っていたら、その日の夜からどしゃぶりの大雨です。
 如果想明天举办的话,当天晚上开始就会有倾盆大雨。

「これ以上、お葬式をのばせないし、かといって、大雨ではお葬式が出来ないし」
“这样下去的话,别说不能葬礼办的隆重一些,如果还下这么大的雨的话,就连普通葬礼也无法举行”

  家族や親戚たちは、ほとほと困ってしまいました。
 家人和亲戚们都很为难。


 その晩、和尚さんがいろりのそばにションボリ座っていると、あの三毛ネコが姿を現しました。
 那个晚上,住持在地炉旁边无精打采地坐着,那个三色猫的身影就出现了。

「おう、三毛や。よく戻って来てくれた」
“哦呀,三色猫呀,你终于回来了”

 和尚さんが喜んで三毛ネコを抱きしめようとすると、三毛ネコが言いました。
 正在住持高兴地想将三色猫抱起来的时候,三色猫说。

「和尚さん、しばらくです。
“住持,好久不见。

 わたしが今夜来たのは、長い間可愛がってもらったお礼をしたいからです。
 我今天晚上来是对您长时间疼爱我而回礼的。

 この間、長者が亡くなったのはご存じでしょう。
 最近,您也知道富翁去世了吧。

 ところがいまだに、お葬式が出せなくて困っています。
 但是,因为到现在都举办不了葬礼很是为难。

 そこで和尚さんが出かけて行って、『わしに葬式をさせてくれ。必ず雨を止ませるから』と言うのです」
 这个时候住持您出去,(对富翁的家人)说‘请让我来主持葬礼吧。我一定会让雨停下来的’”

「でも、わしみたいな貧乏寺の和尚が行ってもな。それに、必ず雨を止ませる事なんて」
“但是,像我这样的贫穷寺院的主持就算是去了(别人也不会同意吧)。而且,我也不能确保一定可以让雨停下来啊”

「大丈夫。わたしに任せてください」
“没问题的。请交给我吧”

 三毛ネコはそう言うと、どこかへ行ってしまいました。
 三色猫那样说完,不知道到哪里去了。


 次の日は、朝になっても大雨が続いていました。
 第二天,即使到了早上,大雨也还在继续下着。

「さて、どうしたものか」
“那么、该怎么办呢?”

 和尚さんは、長者の屋敷に行くのを迷いましたが、可愛がっていた三毛ネコの言葉を信じて出かけました。
 虽然住持对于去富翁的宅邸这件事还是很迷惑,但是仍然相信疼爱的三色猫的话出门去了。

 長者の屋敷につくと、家族や親戚の人たちは、今日も葬式が出せないと言って困っています。
 一去到富翁的宅邸,家人和亲戚们都为难地说,今天也办不成葬礼了。

 和尚さんは胸を張って、大きな声で言いました。
 主持挺起胸膛,用很大的声音说。

「わしに葬式をさせてくれ! 必ず天気にしてみせるから!」
“请让我主持葬礼吧!我一定让你们看到好天气!”

 家族や親戚の人たちは、立派な坊さんが来ても葬式を出せないのに、こんな貧乏寺の和尚さんに何が出来るかと思いましたが、とにかく早く葬式を済ませたいので、
「なら、やってみてくれ」
と、言いました。
 家人和亲戚们想,即使是来了很气派的主持也没有办成葬礼,这么贫穷的寺庙的主持可以做什么呢,但是无论如何都想早点结束葬礼,于是说
“如果真的可以的话,你试试看”

「よし、それでは始めよう」
“好,那就开始吧”

 和尚さんは、お棺(かん)の前に座って、ゆっくりお経を読み始めました。
 住持坐在棺材前,慢慢地开始念佛经。

 すると、どうでしょう。
 这时候,怎么样了呢?。

 さっきまでの大雨が突然止んで、たちまち太陽が顔をのぞかせたのです。
 到刚才还在下的大雨突然停了,太阳一下子露出了脸。

 家族や親戚たちは大喜びです。
 家人和亲戚们都很高兴。

 こうして長者のお葬式は、無事に終わることが出来ました。
 就这样富翁的葬礼顺利结束了。

「和尚さま、ありがとうございました」
“住持,非常谢谢您”

 家族や親戚たちは、和尚さんにたっぷりとお礼をしました。
 家人和亲戚们都给住持送了丰厚的回礼。

 そしてこの話が遠くまで伝わり、大きな葬式には必ず和尚さんが呼ばれるようになりました。
 然后这个故事被传到了各个地方,凡是有大的葬礼必定会叫上主持。

 おかげで、今にも潰れそうだった貧乏寺は、立派な寺へ建て直され、弟子や小僧もたくさん増えて、和尚さんは一生幸せに暮らしたという事です。
 因此,眼看就要崩溃了的贫穷寺庙,被改建成了气派的寺庙,弟子和小和尚也大量增加,住持幸福地度过了一生。

おしまい

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