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6月21日の日本の昔話
お月さまに化けたタヌキ
變成月光个狸仔
福妹日本童話集 (臺灣客語.海陸腔) 翻譯:鄧文政(ten33 vun55 zhin11)
むかしむかし、小さな峠に、イタズラ好きのタヌキが住んでいました。
頭擺頭擺,有一條當好搣耍人个狸仔,戴在山排頂。
ある日の事、町でお酒を飲んできたお百姓さんが、夜遅くなって峠にさしかかると、まん丸いお月さまが出ていました。
有一日,一個農民在街路啉酒後,在半夜經過山排頂時節,出現一個圓圓个月光。
(おや?すっかり丸くなられたな。ではそろそろ、お月見の用意をしなくては)
(唉哦?黏時會變圓圓个月光了。這下無慢慢準備欣賞月光...。)
そう思ってふと横を見ると、なんと不思議な事に、お月さまがもう一つ出ているのです。
當當在該想个時節,無想著脣頭,奇怪仰會又有一隻月光走出來。
「はて? おいら、酔っぱらったかな?」
「唉哦?𠊎敢會食酒醉無?」
お百姓さんは目をこすりながら、もう一度お月さまを見ましたが、やっぱりお月さまは二つあるのです。
農夫擂下目珠,再過看下月光,還係有兩隻月光。
(ははーん。さてはいたずらダヌキが、お月さまに化けよったな)
(hahan。敢係番綻狸仔變个月光哪。)
そう思って二つのお月さまをよくよく見比べてみると、一方のお月さまにはウサギが餅つきをしている影がありません。
想著這,斟酌兜看並比較兩隻月光,一隻月光無兔仔舂粢粑个影。
(わかったぞ。あの影のない方が偽物だな)
(𠊎了解了。無兔仔舂粢粑个影該隻係假个。)
そこでお百姓さんは、わざと本物のお月さまを指さして言いました。
所以,農夫挑挑指等正經个月光,講:
「やい、お前が偽物だな。もっともらしく、ウサギが餅つきをしている影なんか作りやがって!」
「噯,你係假个,兔仔舂粢粑个影乜係詐做出來个!。」
するともう一つのお月さまが、あわててウサギが餅つきをしている影を作りました。
過後又有一隻月光,慌慌張張做出兔仔舂粢粑个影。
それを見たお百姓さんは、ここぞとばかりに言いました。
看著該情形个農民就講:
「正体を現したな、いたずらダヌキめ! 本物のお月さまが、あわててウサギが餅つきをしている影を作るはずがないだろう!」
「現出原形哪,番綻个狸仔!正經个月光毋會慌慌張張做出兔仔舂粢粑个影敢!」
すると最初からウサギが餅つきをしている影があったお月さまが、くるりんと宙返りをするとタヌキの姿を現したのです。
過後,從頭開始,有兔仔舂粢粑个影該隻月光,翻一隻觔斗就變轉狸仔。
「やい、馬鹿百姓。おれさまはこっちだよ」
「噯,戇當農民。𠊎在這位。」
タヌキはそう言って、笑いながらどこかへと消えてしまいました。
狸仔講煞,笑咪咪斯毋見忒了。
「そっ、それじゃあ、あわててウサギが餅つきをしている影を作ったお月さまが、本物なのか!?」
「該,該啊,慌慌張張做出兔仔舂粢粑个影該隻月光係正經个無?!」
なんとウサギが餅つきをしている影を出し忘れたお月さまが、お百姓さんに言われてあわててウサギが餅つきをしている影を出していたのでした。
原來毋記得做出兔仔舂粢粑个影該隻月光,在農夫摎佢講時節正慌慌張張做出兔仔舂粢粑个影。
おしまい
煞咧
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