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ふくむすめどうわしゅう(福娘童話集) >にほんむかしばなし(日本民间故事) >七月
7月13日の日本の昔話
オオカミとウサギ
狼和兔子
翻訳者 広東省恵州学院 関清倩
にほんご(日语) ・ちゅうごくご(中文) ・日语&中文
むかしむかし、ある野原に、ウサギの家がありました。
このウサギの家には、お父さんとお母さんと三匹の子ウサギがいます。
很久很久以前,在某个草原里住着一家兔子。在这兔子的家里住着兔爸爸,兔妈妈和三个小兔兔。
ある日の事、お腹を空かせたオオカミがやってきて、
どんどん!
と、家の戸をたたきながら言いました。
有一天,肚子很饿的狼终于来到了兔子的家里,咚咚!狼一边敲着门一边说:
「やい、早く戸を開けろ! 開けないと、家をたたきこわすぞ!」
“喂,快点开门!不开的话,我就敲坏这门!”
「お母さん、どうしよう?」
子ウサギたちは、お母さんにしがみつきました。
“妈妈,怎么办?”小兔兔们紧紧地抱住兔妈妈说。
するとお父さんが、
「お前たちはお母さんと一緒に、早く裏口から逃げなさい。オオカミは、わしが引き受けるから」
と、言って、お父さんはオオカミの前に姿を現しました。
这时,兔爸爸说:“你们和妈妈一起快点从后门逃出去。我来把狼引开”。说完后,兔爸爸就出现在狼的面前说:
「やい、オオカミ! こっちを見ろ!」
“喂,可恶的狼!快看这边!”
「おおっ、これはうまそうなウサギだ。よし、お前から食べてやるぞ」
“哟,这兔子看起来很好吃啊。好,我就先把你吃了。”
「そうはいくか! わしを食べたかったら、捕まえてみろ!」
“才不会让你吃掉呢!想要吃我的话,快来抓我啊!”
こうして、オオカミとウサギの追いかけっこが始まりました。
就这样,狼和兔爸爸开始追赶起来了。
それを見て、子ウサギたちが言いました。
看到这样,小兔兔们就开始说起话来了。
「このままじゃあ、お父さんが食べられてしまうよ」
“这样下去的话,爸爸肯定会被吃掉的。”
「はやく、なんとかしないと」
“不快点想想办法的话。”
「そうだ。みんなで助けよう。ぼくたちが、あちこちから飛び出すんだ」
“有了,大家一起来帮助爸爸吧。我们就分别从这边那边跳出去。”
お母さんも、すぐに賛成しました。
「いいこと。誰かが捕まりそうになったら、別の一人が飛び出すのよ」
兔妈妈也很快赞成,说:“对,就这样。谁快要被抓住的话,另一个就马上跳出去。”
子ウサギたちはお母さんを先頭に、オオカミとお父さんの後を追いかけました。
小兔兔们先让兔妈妈跳出去,追在兔爸爸的后面。
お父さんは大きな木のまわりをぐるぐると回って逃げていますが、もうだいぶん疲れている様子です。
兔爸爸在大树附近转来转去的逃跑,但已经累到不行了。
そこへお母さんが、しげみから飛び出して言いました。
「オオカミさん、こっちよ」
这时,兔妈妈就从草丛中跳出来说:“狼先生,我在这。”
オオカミはそれを見ると、
「よし、お前が先だ!」
と、お母さんを追いかけました。
狼看了那边后,就说:“好,那就先吃了你。”然后,就去追兔妈妈了。
そしてお母さんがつかまりそうになると、しげみにかくれていた一匹の子ウサギが、
「オオカミさん、こっちだよ」
と、オオカミの前に飛び出しました。
等兔妈妈快要被抓住时,躲在草丛的其中一只小兔兔就说:“狼先生,我在这里哦。”说完后,就从狼的面前跳出。
「よし、今度はお前だ!」
オオカミは子ウサギを追いかけますが、ところが捕まりそうになると、また新しい子ウサギが飛び出してきます。
“很好,这次就吃你了!”狼就一直追着小兔兔,但等到快要被抓住时,又会有另一只小兔兔跳出来。
「オオカミさん、こっちだよ」
“狼先生,我在这里哦。”
「オオカミさん、こっちよ」
“狼先生,这里这里。”
「オオカミさん、こっちだ」
“狼先生,这里。”
あっちのウサギ、こっちのウサギ、そっちのウサギ、向こうのウサギと、オオカミは追いかけているうちに疲れてへとへとになってしまいました。
那边一只兔子,这边一只兔子,对面一只兔子,狼在追兔子的途中,就累到不行了。
そこへ一番元気のいい子ウサギが、わざとゆっくり飛び出しました。
这时,最有精神的一只小兔兔故意很慢地跳出来 ,说:
「オオカミさん、ここだよ」
“狼先生,我在这里。”
(よし、こいつは足がのろそうだ)
“很好,这小兔子好像跑得很慢。”
オオカミは最後の力をふりしぼって、その子ウサギを追いかけました。
狼心里这样想着,就用尽全身最后的力气去追那只小兔兔。
子ウサギは古い井戸のところまで逃げると、その上をぴょんと飛び越えました。
「逃がすものか」
小兔兔往一口很旧的井那里逃跑,从井口上面轻轻地跳了过去。
“看你往哪里逃。”
それに続いてオオカミも井戸を飛び越えようとしましたが、すっかり疲れていたオオカミは足がもつれて井戸の中へ落ちてしまいました。
说着,狼也想从井口上面跳过时,累坏了的狼的脚突然不灵活,跌到井里去了。
「たっ、助けてくれー! おれは泳げないんだー!」
“救。。救命啊!我不会游泳啊!”
それを聞いたお父さんが、井戸の中のオオカミに言いました。
听到这里,兔爸爸就对井里的狼说:
「助けてやってもいいが、二度とウサギを襲わないと約束するか?」
“要我救你也可以,但是你要答应我不可以再来袭击兔子,可以吗?”
「ああ、約束する! だから助けてくれ!」
“啊,啊,答应你!快点救我!”
「本当だな?」
“真的?”
「本当だー!」
“真的!”
そこでウサギの親子は、井戸からオオカミを助けてやりました。
于是,兔子们就把狼从井里救出来。
それからこのオオカミはウサギとの約束を守って、二度とウサギを襲わなかったそうです。
从那之后,这只狼遵守着和兔子的约定,没有再袭击过兔子了。
おしまい
結束
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