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8月13日の日本の昔話
ウサギとカメとフクロウ
兔仔、烏龜摎貓頭鳥
福妹日本童話集 (臺灣客語.海陸腔) 翻譯:鄧文政(ten33 vun55 zhin11)
むかしむかし、由良(ゆら→和歌山県のほぼ中央)の小山に、ウサギとカメとフクロウが住んでいました。
頭擺頭擺,兔仔、烏龜摎貓頭鳥戴在由良(大約和歌山縣中心)个山排。
ある日の事、ウサギとカメがかけっこをする事になり、空を飛べるフクロウが審判を引き受けました。
有一日,兔仔摎烏龜比賽走追仔,在天頂飛个貓頭鳥答應做裁判。
「ヨーイ、ドン!」
「準備,開始!」
フクロウの合図に、ウサギとカメは、ピョンピョン、ノソノソと、かけ出しました。
貓頭鳥發出信號後,兔子摎烏龜,一隻bin11 bon11滾走當遽,一隻so55 lo55 a33 so55 lo55慢慢趖,開始出發。
「へへーん。ウサギがカメに負けるものか」
「hehe~n。兔子仰會輸分烏龜呢?」
先を走るウサギが、もう少しでゴールという時、空からフクロウが言いました。
走在頭前个兔仔會到終點時節,貓頭鳥在天頂講:
「ウサギさん。カメさんは、もうとっくにゴールについているよ」
「兔仔先生。烏龜早就到了。」
「なんだって!そんな馬鹿な事があるものか!」
「麼个?!敢有這恁戇當个事!」
ウサギがあわててゴールにかけ込んでみると、先についたカメがゆうゆうと汗をふいているではありませんか。
兔仔舂到目標時節一看,先到个烏龜毋係安然自在在該捽汗咩?
「うそだ!ウサギがカメに負けるなんて、こんなおかしな事があるものか!」
「耗漦!兔仔會走輸烏龜,哪有這恁奇怪个事!」
ウサギは、もう一度カメと勝負をしましたが、今度も負けてしまいました。
兔仔再過摎烏龜比加一擺,毋過又乜輸忒。
「わーん!カメに負けてしまったよー!」
「哇!輸分烏龜還無結煞!」
ウサギはくやしくてくやしくて、小山の木かげにかくれて泣き続けました。
兔仔當後悔,囥在丘陵个樹影下背目汁瀾泔叫無停。
そしてあんまり目をこすったので、ウサギの目はまっ赤になってしまいました。
目珠擂無停,所以兔仔个目珠變紅冬冬。
そこへ神さまが現れて、ウサギに声をかけました。
神明走出來,摎兔仔講:
「これこれウサギよ、もう泣くんじゃない。
「這隻兔仔啊,你毋好過叫了。
お前は、フクロウとカメにだまされたんじゃ。
你分貓頭鳥摎烏龜騙著了。
お前と一緒に走ったカメは山の中で引きかえし、小山の向こうで待っていたカメが先にかけ込んだのじゃ」
摎你比賽个烏龜在山頂倒轉去,另外在山排對面等个烏龜正會先到。
それから神さまは、二匹のカメを捕まえて、
過後,神明捉著兩隻烏龜,講:
「この、おうちゃく者め!」
と、つえで背中を叩きました。
「這狡猾个東西!」
用柺棍仔敲烏龜个背囊。
それでカメの背中は、ひびだらけなのです。
所以,烏龜个背囊全係必痕。
次に神さまは、フクロウを捕まえて、
續下來,神明捉著貓頭鳥,講:
「この、ろくでなしめ!」
「這隻無用个東西!」
と、フクロウの目玉をつえで叩きました。
用柺棍仔敲貓頭鳥个目珠。
それでフクロウは、夜しか目が見えなくなったのです。
所以,貓頭鳥在晚晡時頭正看得著。
おしまい
煞咧
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