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8月13日の世界の昔話

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イラスト　「愛ちん（夢宮愛）」　　運営サイト　「夢見る小さな部屋」

アニメサイズ Max 1920 ×1080　字幕「日本語」


※本作品は、読者からの投稿作品です。　投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先

投稿者　「ひつじも眠る朗読チャンネル」
【眠くなる優しい声で読み聞かせ】世界の昔話：恋の話（睡眠朗読）

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制作: フリーアナウンサーまい【元TBS番組キャスター】

つぐみのひげの王様
グリム童話　→　グリム童話の詳細

　むかしむかし、ある国に、とてもわがままなお姫さまがいました。

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「姫のわがままにも、困ったものだ。しかし結婚すれば、姫も変わるだろう」

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　そう考えた王さまは、お姫さまを隣の国の若い王さまに会わせました。

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　しかし、お姫さまは、

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「何よ、あれ。あごが曲がって、まるでつぐみがひげを生やしているみたいだわ。あんな男、大嫌いよ！　ふん！」

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と、言って、結婚をことわりました。

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　それを聞いた王さまは怒って、お姫さまに命令しました。

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「よりによって、人の顔を笑い者にするとは、なんとなさけない！　お前は今度来るこじきと結婚して、城を出ていけ！！」

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　そして城にやってきた汚いボウシとマフラー姿のこじきと本当に結婚させて、城を追い出してしまったのです。

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　お姫さまは泣きながら、こじきの後を歩いていきました。

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　途中で大きな森や牧場、それに、にぎやかな都を通りました。

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「わあ、きれいな都」

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　お姫さまが感心すると、こじきが言いました。
「これはみんな、つぐみのひげの王さまのものさ」
　それを聞いたお姫さまは、
（ああ、こんな事なら、あの王さまと結婚すればよかった）

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と、思ったのですが、もうどうしようもありません。

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　さて、こじきはお金を持っていないので、お姫さまも働かなくてはなりません。

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　そこで、つぐみのひげの王さまのお城に行って、お城の台所で働く事にしたのです。

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　でも、家事は何も出来ないお姫さまは、何をやっても失敗ばかり。

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「何を、ぐずぐずしているんだい！　じゃまだよ！」

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「あんた、ほんと不器用だね！」

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「そんな事じゃ、お給金はあげないよ！」

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　いつも、ののしられる毎日です。

　さて、そんなある日の事、お城でパーティーが開かれました。

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　すると突然、つぐみのひげの王さまが台所に現れて、働いているお姫さまに言ったのです。

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「お嬢さん、わたしと踊っていただけませんか？」

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「えっ？　・・・あの、その」

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　ビックリするお姫さまの手を、つぐみのひげの王さまがグイッと引っ張りました。

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　そのとたん、服の下からツボが、ゴロンと転がり落ちました。

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　そのツボには、食べ物の切れはしが入っていました。

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　お姫さまがこじきと食べるため、こっそりためておいた物です。

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「ワハハハハッ。何だい、あの娘は」
「あんな残飯を、後生大事に持っているなんて」
　まわりにいた人たちは、大笑いです。

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　まっ赤になったお姫さまは転がり落ちたツボを大切にかかえると、そのまま逃げ出そうとしました。

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　すると王さまがお姫さまを抱きとめて、ポケットから取り出した汚いボウシとマフラーをかぶって言いました。

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「あなたは、わたしの顔を忘れたのかい？」

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　そのボウシとマフラーは、あのこじきの物だったのです。
「あっ、あなたは、わたしのだんなさま・・・・」
「そうです。
　わたしはあなたのわがままをなおすため、あなたの父上と相談してこじきになっていたのです。

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　今まで、つらい思いをさせてもうしわけない。
　でも、そまつな食べ物でも大切にしているところを見ると、あなたのわがままは、もうすっかりなおったようですね。

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　お姫さま、今度はこじきとしてではなく、つぐみのひげの王としてあなたをおきさきにむかえたい。

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　どうでしょう。こんな顔のわたしでも、受け入れてくれますか？」

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　お姫さまは、驚いたり喜んだり。
　お姫さまは、涙を浮かべながら言いました。

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「はい。だんなさま」

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　それからお姫さまとつぐみのひげの王さまは正式に結婚して、いつまでも幸せに暮らしたということです。

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おしまい

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おまけイラスト

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