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10月23日の日本の昔話
白ギツネの恩返し
白狐狸報恩
福妹日本童話集 (臺灣客語.海陸腔) 翻譯:鄧文政(ten33 vun55 zhin11)
むかしむかし、加賀の殿さまに可愛がられていた、弥三右衛門(やざえもん)という弓の名人がいました。
頭擺頭擺,有一個受着加賀領主看重个射箭名人彌三右衛門。
ある日の事、弥三右衛門は殿さまと一緒に狩りに出かけました。
有一日,彌三右衛門摎加賀領主共下出門去打獵。
その時、やぶの中から白いキツネが飛び出してきたのです。
該下,有一條白狐狸對草竇肚躍出來。
白いキツネはとても縁起の良いキツネなので、殿さまはすぐに欲しくなって、
因為白狐狸係一種非常吉祥个狐狸,加賀領主黏時當想捉著來,就命令:
「おおっ、白ギツネじゃ。弥三よ、あれを射よ」
と、命じました。
「噯,係白狐狸,彌三啊,射著來!」
「はっ!」
「好!」
弥三右衛門は馬にまたがると、キツネを追いつめて矢をはなとうとしました。
彌三右衛門斯騎上馬背囊,去追狐狸,想用箭射佢。
するとキツネはくるりとあおむけにひっくりかえって、お腹のあたりを前脚でさししめしたのです。
狐狸煞煞貶轉身來四腳惹天,用前腳比肚屎。
見てみてるとキツネはメスギツネで、大きなお腹をしていました。
詳細看,係一條嫲个狐狸,還有身項。
キツネの目には、大粒のなみだがうかんでいます。
狐狸个目珠目汁雙流。
「そうか。お前は母親で、お腹には子がいるのか。・・・わかった、行くがよい」
「係啊,你係阿姆,肚屎肚有嬰兒仔係無?‧‧‧了解,好去走!」
弥三右衛門は白ギツネを、そのまま逃がしてやりました。
彌三右衛門斯恁樣放白狐狸逃走。
するとこれを見た殿さまがかんかんに怒って、その場で弥三右衛門を首にしたのです。
加賀領主看著當閼,當場就摎彌三右衛門解僱。
城を追い出された弥三右衛門は、ほかの地でくらそうと旅立ちました。
分人逐出城个彌三右衛門,想愛尋隻所在來戴,斯去流浪。
そして旅の途中の峠の宿で寝ていると、あの白ギツネが女の人の姿になって夢に現れたのです。
在旅途中个山排頂旅社睡目个時節,該條白狐狸變做一個細妹仔來到佢个夢裡肚。
「わたしのために、まことに申しわけありません。その代わりといってはなんですが、これから江戸へお行きなさい。必ず、恩返しをしますので」
「為著𠊎,實在失禮,雖然毋敢講補償,毋過這下請來江戶,𠊎定著愛報答你个恩情。」
白ギツネはそう言うと、夢の中から消えていきました。
白狐狸講煞就在夢裡肚消失忒了。
「・・・夢か。まあよい、どうせ行く当てもないのだから、江戸に行ってみるか」
「‧‧‧發夢係無?好啦,反正無麼个目標,來去江戶試看哪仔?」
次の朝、弥三右衛門は夢で言われた通り江戸にむかい、浅草に住む事にしました。
第二朝晨,彌三右衛門照夢裡肚講个去江戶,戴在淺草。
弥三右衛門が浅草に来てからしばらくたった年の暮れ、また白ギツネが夢に現れました。
彌三右衛門戴在淺草,無幾久就到年下,白狐狸來到佢个夢裡肚。
「あなたさまに命を助けられた子どもたちは、みな元気に育っております。本当にありがとうございました。では約束の恩返しに、病を治すお札を差し上げましょう。これからはこのお札で、病気の人たちを治してあげてください」
「分你救著个狐狸子這下生到當健康,實在承蒙你,照約定來報恩,送你做得醫病个符,下二擺堵著病人你做得用這符摎佢醫病。」
白ギツネはそう言うと枕元にお札を一枚置いて、病気の治し方を教えてくれたのです。
白狐狸講煞就拿一張符放在枕頭下,交代用法。
そのお札は不思議な力を持っていて、弥三右衛門が教えられた通りにお札を使って治療をはじめると、どんな病気もすぐに治ったのです。
該符个法力當大,彌三右衛門照教个方法,開始摎人醫病,無論麼个病一下仔斯分佢醫好。
お札の治療はたちまち評判となって、弥三右衛門は大金持ちになりました。
慢慢名聲緊來緊大,彌三右衛門變大有錢人。
弥三右衛門はそのお金で、白ギツネのために立派な神社をたてたという事です。
聽講,彌三右衛門利用這兜錢,為白狐狸起一隻當派頭个神社。
おしまい
煞咧
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