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11月23日の日本の昔話
うめの実
梅仔
福妹日本童話集 (臺灣客語.海陸腔) 翻譯:鄧文政(ten33 vun55 zhin11)
むかしむかし、きっちょむさんと言う、とてもゆかいな人がいました。
頭擺頭擺,有個安到吉四六先生个人,非常樂線。
きっちょむさんが時々町へ何かを売りに行く途中の村に、三太郎という、とてもわんぱく小僧がいました。
吉四六先生輒常會去街路賣東西,在半路村莊,有一個安到三太郎个細人仔,盡手銃。
この三太郎にだけは、さすがのきっちょむさんのとんちも効き目がなく、いつもきっちょむさんにちょっかいを出してきます。
斯這個三太郎,吉四六先生个伶俐對佢無效,長透愛插吉四六先生个事。
今日もきっちょむさんが町に行っての帰り道、この村にさしかかると、三太郎が梅の木の上に隠れていて、きっちょむさんの頭に梅の実をぶつけてきました。
今晡日也係,吉四六先生去街路倒轉來个路項,接近本莊時節,三太郎囥在梅仔樹頂,拿梅仔擲吉四六先生个頭那。
いつもだったら、きっちょむさんが叱りつけ、そして三太郎が逃げて行くの繰り返しですが、今日のきっちょむさんはいつもとは違い、梅の実を投げつけた三太郎を見上げて、にっこり笑うと、
若係往擺,吉四六先生早斯大聲咄,然後三太郎就瀉走,逐擺都做這齣,今晡日吉四六先生摎頭過無共樣,臥頭去看擲梅仔个三太郎,笑咪咪講︰
「や、三太郎か、これはどうもありがとう。おかげで、明日は良いことがあるだろう。さあ、これお礼だよ」
「噯,三太郎係無?這還承蒙,打幫這,天光日定著有麼个好彩。摎你行禮承蒙。」
と、財布から三文を取り出して、梅の木の根元に置いたのです。
講煞,對錢包拿出三文,放在梅樹頭。
すると三太郎は、不思議そうな顔で、木の上から言いました。
過後,三太郎面容盡奇怪,在樹頂講︰
「やい、きっちょむさん!何だって、お金をくれるんだ!」
「噯,吉四六先生!仰愛分𠊎錢!」
「おや?お前、知らないでやったのか?今、お前がぶつけたのは梅の実だろう。だから、これは、『ウメエ事にぶつかる』という前ぶれで、とても縁起がいいんだよ。こんな事をされたら、誰だって喜んで、お金をくれるにちがいないさ」
「唉哦?你無了解斯恁樣做係無?頭下你擲个係梅仔敢?總講這係『會堵著好事』,當好个吉兆,麼儕堵著也會當歡喜,定著送紅包分人。」
きっちょむさんがまことしやかに言ったので、三太郎はすっかり信じてしまいました。
因為吉四六先生講到非常誠懇,三太郎信仃仃。
さて、その次の日の事。
第二日,
きっちょむさんがまた町へ行こうと、この村にさしかかると、道ばたで三太郎が遊んでいました。
吉四六先生按算去街路時節,經過這村莊,堵好三太郎在路脣搞。
「おい、三太郎」
「噯,三太郎。」
きっちょむさんが声をかけると、三太郎は、どんどん逃げていきます。
吉四六先生大聲喊時節,三太郎嗄瀉走。
そして、遠くから言いました。
過後,在遠遠个位所講︰
「おい、きっちょむさん!昨日は、お前のおかげでひどい目にあったんだぞ」
「噯,吉四六先生!昨晡日,因為堵著你正會恁衰。」
「ほう、どうしたんだい?」
「hou,仰會恁樣?」
「お前が言ったすぐあとで、お侍さんが通りかかったので、お金をもらおうと、梅の実をぶつけたんだ。すると、お侍さんが『手打ちにする!』と言って、怒ったんだよ」
「你講過後黏時一個武士行過來,為著愛賺錢,拿梅仔擲佢,過後,武士講︰『和解!』,當火著。」
「はっはっはっ。それは大変だったな。でもそれで、ちっとはこりただろう?」
「哈哈哈,該壞蹄了,該恁樣,有點仔教訓敢?」
「ああ、そのお侍さんは、悪者をしばるお役人で、またこんないたずらをしたら、次は牢屋に入れると言っていた。だから、もう悪さはよしたよ」
「啊,該個武士係捉壞人个官差,講若係過搣耍人,下二擺愛捉去關,總講,毋好再過做壞事了。」
「そうか、それは感心感心。今日はほうびに、町から菓子を買ってきてやるぞ」
「係無?欽佩、欽佩,今晡日為著獎勵你,來去街路買糕餅。」
きっちょむさんがこう言うと、三太郎は首を大きく横に振って、
吉四六先生恁樣講時節,三太郎搖頭。
「いらない。いらない。お前から物をもらうと、また、ひどい目にあうからな」
「毋使,毋使,若係得著你个東西又會衰死。」
と、逃げてしまいました。
講煞,瀉等走。
おしまい
煞咧
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