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3月14日の百物語

無念の化け物

無念の化け物

 むかしむかし、ある村に、髪の毛がばさばさと逆立った、体の大きな女の化け物が現れました。
 女の化け物は人を襲ったりはしないのですが、
「無念じゃあ! 無念じゃあ!」
と、言いながら、明け方まで村中を歩き回るのです。
 そこで村人たちは、女の化け物を『無念の化け物』と呼ぶようになりました。

 ある時、旅のお坊さんが庄屋(しょうや)さんの家に泊めてもらい、無念の化け物の話を聞きました。
「よし。それではわしが化け物の正体を見届けて、何が無念なのか聞いてみよう」

 その日の真夜中、お坊さんが村はずれの道ばたにやって来ると、どこからか無念の化け物が現れました。
「無念じゃあ! 無念じゃあ!」
 無念の化け物はばさばさと逆立った髪の毛をゆらしながら、ゆっくりと歩いてきます。
 お坊さんは無念の化け物の前に出ると、やさしく声を掛けました。
「お前さんは、何が無念で毎晩さまよい歩くのだね。よかったら、わしに訳を話してくれ」
 すると無念の化け物はその場に立ち止まって、涙を流しながら訳を打ち明けました。
「はい。わたしは、この先にある空寺の庭のソテツの精です。
 ソテツは根元に金気(かなけ)をほどこしてもらわないと、生きていけません。
 お寺に和尚さんがいた時には、古釘やら古なべなどをほどこしていただけたので、幹も太く葉も青々としていたのですが、それがない今、わたしはまもなく枯れてしまいます。
 それが無念で、無念で」
「なるほど、そうだったのか。よしよし、もう心配する事はない」
 お坊さんが言うとソテツの精は安心したのか、空寺の方へ帰って行きました。

 あくる朝、お坊さんから無念の化け物の正体と無念の訳を聞いた庄屋さんは、村中の古釘や古なべなどを集めて、お坊さんや村人たちと空寺へ行きました。
 そしてそれらを庭のソテツの根元に埋めてやったところ、枯れかかっていた葉が見る見るうちに元気を取り戻したのです。
 その晩から、無念の化け物は出なくなりました。
 旅のお坊さんは庄屋さんや村人たちから頼まれて空寺の和尚となり、いつまでもソテツの面倒をみてやったと言う事です。

おしまい

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