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4月19日の百物語
(4月19日的日本鬼故事)
峠の一本足

峠の一本足
嶺上一條踋

日本語 ・日本語&中国語

むかしむかし、十津川(とつかわ→奈良県吉野郡)の奥の伯母子岳(おばこだけ)という山の峠(とうげ)に、人間を食べる『一本足』という足が一本の化け物が現れて、峠を通る人たちを襲う様になりました。
到好久以前、十津川(現奈良縣吉野郡)最裡面、有條喊伯母子岳的山嶺、從這裡過路都要碰到一條會吃人的、只有一條踋的妖怪。

ある日の事、高野山(こうやさん)の西に住む猟師が、この山の峠(とうげ)で美しい娘を見かけました。
有天、高野山、西邊住的條獵人、就走這條山嶺、看到一個長得好乖的女的。

「おや? こんな所に娘が一人でおるとは、奇妙な事じゃ。
這地方還有乖女的一個人到啊

この辺りには一本足の化け物がおるというが、もしやそれでは」
我聽港這裡有一條踋的妖怪、莫心(難不成)就是她哦

猟師は用心の為に、いつでも鉄砲が撃てる様に引き金に指をかけました。
獵人也是紮實、一直都幫手扣到火槍扳機的、準備隨時可以開槍。

すると娘が猟師を見て、不気味にニヤリと笑ったのです。
乖女的看到獵人這樣子就笑、笑到獵人發毛。

猟師は恐ろしくなり、思わず鉄砲の引き金を引いてしまいました。
獵人心裡一虛、一緊張就發射子彈了。

ズドーン!
槍響

(しまった、撃っちまった)
我日!走火了

猟師は、もし娘が普通の人間だったら大変だと心配しましたが、でも娘は笑いながら、飛んで来る鉄砲の玉を両手の手のひらでピタリと受け止めたのです。
獵人就怕自己亂把別個開槍打死了、但是女的笑到用兩個小手掌硬是幫子彈接落來了。

「やはり、化け物だったか!」
我日、果然有問題!

猟師はすぐに新しい玉を鉄砲に込めると続けてもう一発撃ちましたが、娘はその玉も両手で受け止めると、笑いながらゆっくりと猟師の方へとせまってきました。
獵人這就馬上又上子彈、又是一槍打出去、女的又是兩個小手一接、笑道往獵人這邊走過來。

怖くなった猟師は鉄砲に次の玉を込める事が出来ず、思わず涙を流しながら娘の化け物に言いました。
獵人著骸破膽子啦、也不抵抗上子彈了、眼睛水雙拋直接求饒。

「まっ、待ってくれ。
你跟我過點時間

あと十日、いや、七日だけでいい。
十天、七天、

どうか、わしの命を取らないでくれ。
你只要不殺我。

七日後には、必ずここに戻るから。
七天後我肯定得回來這裡。

お願いだ」
這就哭啊、求饒啊。

「・・・・・・」
娘の化け物は何も言わずに、そのままやぶの中へ消えて行きました。
女的覓(沒)做聲、走到草叢叢裡面不見了。

猟師がその後ろ姿を見ると、やはり娘は一本足でした。
獵人就到後面望、果然只有一隻踋。

何とか無事に家へ帰った猟師は、それから神社へ毎日出かけると、神さまに祈りました。
獵人好不容易保全狗命、這就天天往宮廟裡面跑、就求這個神那個神啊。

(山の神さま、どうか一本足を退治する方法を教えてください)
這就求山神、幫自己支個招、看要怎麼幫一條踋弄了。

すると六日目に、神さまからお告げがあったのです。
第六天、山神還真有回信了。

『玉を二つ一緒に、鉄砲に込めて撃て』
港他上兩顆子彈一起打出去、連發。

一本足と約束をした七日目の朝、猟師は一本足と出会った峠へ行きました。
獵人七天後也是去山嶺赴約了。

するとやぶの中から、あの時と同じ美しい娘の一本足が現れました。
草叢叢裡面一條踋的乖女的也出來了。

猟師が一本足に鉄砲を構えると、一本足がけらけらと笑います。
看到獵人用槍瞄自己、女的就開始笑。

「あはははは。鉄砲なんて無駄なのが、まだわからないの?」
槍覓(沒)得用的、你到現在還不曉得啊?

「無駄かどうか、やってみないとわかるもんか! くらえ!」
有覓有用、要試了才曉得、死!

ズドーン!
槍響

猟師が引き金を引くと、一本足は飛んで来た玉を両手でピタリと受け止めました。
獵人扣動扳機、一隻腳接到飛過來的第一顆子彈。

しかし遅れて飛んで来た二発目の玉は受け止められず、一本足はその場に倒れてしまいました。
但是第二個遲來的子彈、來不及閃避、就倒地上了。

猟師はすぐに新しい玉を込めると、倒れた一本足に鉄砲を向けて言いました。
獵人馬上幫火槍子彈再次上滿、就瞄到地上的女的的。

「お前は約束通り、わしを殺すのを七日間待ってくれた。二度と人の命を取らないと約束するなら、お前を助けてやろう」
你饒我七天不死、我今天也可以放過你、只要你答應之後都不在害人。

すると一本足が、猟師に言いました。
但是一條踋這麼港。

「お前は猟師で、動物の命を取って暮らしているのだろう。
你們獵人是靠殺動物生存。

それはわたしも同じ、わたしも人間の命を取らねば生きてはいけぬ。
就如同我不殺人活不了。

だから一年のうち、十二月二十日だけは、ここを通る者の命をもらいたい」
所以一年之中、十二月二十日這一天、我會來這裡取命。

「・・・確かに。
確實

わしも動物たちから見れば、命を奪う化け物だな。
動物眼裡、人也和一條踋一樣、只不過是二條踋罷了。

わかった。
我曉得了

十二月二十日だけは、許してやろう 」
但是只有十二月二十日這一天。

猟師がそう言うと、一本足はうれしそうにやぶの中へ消えて行きました。
聽到獵人這麼港、一條踋還有點高興、消失到草叢叢裡面了。

今でも十二月二十日は『果ての二十日』と言って、山に入る事を禁じている地方があるそうです。
到現在為止十二月二十日還被稱為亡命日、有好多地方還是不準這天進山。

おしまい
结束

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