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7月1日の百物語

子育てゆうれい
イラスト たつよ   提供 らくがきの日常

子育て幽霊 育儿幽灵

翻訳者 ソウ キョウ

♪音声配信(html5)
朗読者 ; ☆横島小次郎☆

♪音声配信(html5)
朗読者 ; スタヂオせんむ

 むかしむかし、ある村に、一軒のアメ屋がありました。
 很久很久以前,在一座村庄里,有一家卖糖的店铺。

子育てゆうれい

 ある年の夏の事、夜も遅くなったので、アメ屋さんがそろそろ店を閉めようかと思っていると、
 夏日里的一天,夜已经深了,糖店的老板正准备打烊的时候,

 トントントントン
 咚咚咚咚

と、戸を叩く音がしました。
 传来了敲门的声音。

「はて、こんな遅くに誰だろう?」
“哎呀,这么晚了会是谁呢?”

と、アメ屋さんが戸を開けてみますと、一人の女の人が立っていました。
 老板打开门一看,一名女子站在门口。

子育てゆうれい

「あの、アメをくださいな」
“请,请给我一点糖水吧。”

「あっ、はい。少々お待ちを」
“啊,好的,您稍等。”

 アメ屋さんは女の人が持ってきたうつわに、つぼから水アメをすくって入れました。
 糖店的老板给女子带来的碗里倒了一些糖水。

「へい。一文(いちもん→30円ほど)いただきます」
“给您。收您一文钱(约30日元)。”

「ありがとう」
“谢谢。”

 女の人はお金を払うと、消えるように行ってしまいました。
 那女子付了钱之后,走着走着像消失了一般不见了。

 その次の日。
 第二天。

 今日もアメ屋さんが戸締まりをしようと思っていると、また戸を叩く音がします。
 这天也是在糖店老板想要打烊的时候,响起了敲门声。

「あの、アメをくださいな」
“请,请给我一点糖水吧。”

 やはり、あの女の人でした。
 果然,又是那名女子。

 女の人は昨日と同じようにアメを買うと、スーッと、どこかへ帰って行きます。
 跟昨天一样,那女的买完糖,幽幽地不知往哪儿去了。

 それから毎晩、女の人は夜ふけになるとアメを買いに来ました。
 从那以后每天晚上,那女子都在夜深了以后来买糖。

 次の日も、その次の日も、決まって夜ふけに現れてはアメを買って行くのです。
 第二天、第三天,她都会在深夜出现买了糖然后离开。

 さて、ある雨の夜。
 一个雨夜里。

子育てゆうれい

 この日は隣村のアメ屋さんが訪ねて来て、色々と話し込んでいたのですが、
 这天,邻村的糖水店老板过来串门,两个人正当相聊甚欢之时,

「あの、アメをくださいな」
“请,请给我一点糖水吧。”

と、いつものように現れた女の人を見て、隣村のアメ屋さんはガタガタ震え出したのです。
 那女的像往常一样出现在了,邻村的糖店老板见状大吃一惊浑身哆嗦。

子育てゆうれい

「あ、あ、あの女は、ひと月ほど前に死んだ、松吉(まつきち)のかかあにちげえねえ」
“那,那,那个女的,不是上个月死了的松吉的鬼魂吗?!”

「えっ!」
“什么!”

 二人は、顔を見合わせました。
 两个人你看看我,我看看你。

 死んだはずの女の人が、夜な夜なアメを買いに来るはずはありません。
 死了的女子,怎么可能每天夜里来买糖水呢

 しかし隣村のアメ屋は、間違いないと言います。
 但是邻村的糖店老板说肯定没错。

 そこで二人は、女の後をつけてみることにしました。
 于是,他们两人就跟在那女子后面想去一探究竟。

子育てゆうれい

 アメを買った女の人は林を抜け、隣村へと歩いていきます。
 买了糖水的女子穿过树林,朝着邻村走去。
 
 その場所は、
 那个地方竟然是,

「はっ、墓だ!」
“啊!墓地!”

 女の人は墓場の中に入っていくと、スーッと煙のように消えてしまったのです。
 那名女子走到墓地之中,突然之间化作一缕青烟消失不见了。

子育てゆうれい

「お、お化けだー!」
“啊呀,遇到鬼了!”

 二人はお寺に駆け込むと、和尚(おしょう)さんにこれまでの事を話しました。
 那两个人飞奔到寺院里,把这些事告诉了方丈。

 しかし和尚さんは、
 可方丈却说——

子育てゆうれい

「そんな馬鹿な事があるものか。きっと、何かの見間違いじゃろう」
“怎么会有这么荒唐至极的事。一定是你们看错了。”

と、言いましたが、二人があまりにも真剣なので、仕方なく二人と一緒に墓場へ行ってみる事にしました。
 虽然这么说,但方丈看这二人言之凿凿的样子,没办法,还是跟着他们去了墓地。

 すると、
 刚到墓地,

 オンギャー、オンギャー
“哇——哇——”

子育てゆうれい

と、 かすかに赤ん坊の泣き声が聞こえてきます。
 就听到了婴儿的哭声。

 声のする方へ行ってみると、
 循着声音找过去,

「あっ、人間の赤ん坊じゃないか! どうしてこんなところに?!」
“啊,分明是个小孩儿嘛!怎么会在这里呢?!”

子育てゆうれい

 和尚さんがちょうちんの明かりをてらしてみると、そばに手紙がそえられています。
 方丈打着灯笼一看,小孩的身边还放着一封信。

 それによると、赤ん坊は捨て子でした。
 信上说,这孩子是被人遗弃的。

「手紙によると、捨てられたのは数日前。それから何日もたつのに、どうして生きられたんじゃ?」
“按信上的说法,这孩子已经好几天前就被丢了。过了这么多天,这孩子怎么还能活下来?”

 ふと見ると、あの女の人が毎晩アメを買っていったうつわが、赤ん坊の横に転がっていたのです。
 再一看,那名女子每晚捧着来买糖水的碗,就摆在婴儿的旁边。

 そして、赤ん坊が捨てられたそばの墓を見ると。
 于是,又看了看被遗弃的小孩旁边的墓碑。

子育てゆうれい

「おお、これはこの前に死んだ、松吉の女房の墓じゃ!」
“哦,这正是先前去世的松吉妻子的墓!”

 何と幽霊が、人間の子どもを育てていたのです。
 这鬼魂竟然抚养了人类的小孩。

「なるほど、それでアメを買いに来たんだな。それも自分の村では顔を知られているので、わざわざ隣村まで」
“原来如此,我知道她为什么要到我这里买糖了。要是在自己村里买的话会被人认出来,所以才特意到我们村来。”

 きっと自分の墓のそばに捨てられた赤ん坊を、見るに見かねたにちがいありません。
 她一定是看到被遗弃在自己墓边的小婴儿,于心不忍。

 和尚さんは心を打たれて、松吉の女房の墓に手を合わせました。
 方丈也被感动了,在松吉妻子的墓碑前合掌祈祷。

子育てゆうれい

「やさしい仏さまじゃ。この子はわしが育てるに、安心してくだされよ」
“真是位心地善良的好人。这孩子我会养大的,你就放心吧。”

 こうしてお墓に捨てられた赤ん坊は、和尚さんにひきとられました。
 就这样,方丈收养了那个遗弃在墓地里的小孩。

 それからあの女の人がアメ屋さんに現れる事は、もう二度となかったそうです。
 从那以后,那名女子再也没出现过在糖水屋。

おしまい

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