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10月22日の百物語
(10月22日的日本鬼故事)
安達ヶ原の鬼ばば

安達ヶ原の鬼ばば
安達原鬼婆

日本語 ・日本語&中国語

♪音声配信(html5)
朗読者 ; ぬけさくのいちねん草紙

むかしむかし、阿武隈川(あぶくまがわ)のほとりには、安達ヶ原(あだちがはら→福島県二本松市)という荒野原がありました。
到好久以前、阿武隈河畔、安達原(現福島県二本松市)這是條無人野地。

そしてそこにあるほら穴には、人を食う鬼ばばが住んでいるとのうわさがありました。
山洞裡面就有條吃人鬼婆住到的、別個都這麼港。

夏のある日、東光坊祐慶(とうこうぼうゆうけい)という旅のお坊さんが安達ヶ原にさしかかった時、もうすっかり日が暮れてしまいました。
這就夏天、東光坊祐慶這條和尚、這就雲遊到安達原了、人到邊、天都已經開始暗了。

「これは困った。早く今夜の宿を見つけなくては」
稀爛、這要快點邏落腳的地方。

祐慶(ゆうけい)は足をはやめましたが、人の背丈ほどもある草が一面に生い茂っているので、なかなか前に進めません。
和尚走到快、但是不敵這草高、都長到背上來了、硬是不好走。

それでも草を押し分けて進んでいると、進む先に小さな明かりが見えました。
這就邊刨草邊走、終於看到前面有點小光了。

「ありがたい。助かったぞ」
好傢伙好傢伙。

祐慶が明かりの方へ行ってみると、その明かりはほら穴からもれており、中をのぞくとおばあさんが一人で糸をつむいでいました。
和尚就往光亮處去、哪曉得這光亮就是從條山洞裡面漏出來的、和尚洞裡面渺一眼、裡面條老婆子到打絲線。

「すみません。
和尚就先港些套話

わしは旅の僧で、祐慶と申す者です。
港自己雲遊僧、再報自己名子。

道に迷って、困っております。
這就港來意了。

今夜一晩、ここに泊めてもらえないだろうか?」
港想借一夜到你屋。

祐慶が丁寧に頭を下げると、おばあさんがほら穴から出てきてにっこり微笑みました。
和尚也是幫腦殼彀到好低、婆子就出了洞、對到洞門的和尚笑。

「それはそれは、お困りでしょう。こんなところでよかったら、遠慮なく泊まってください」
客套一哈就放和尚進洞了。

ほら穴の中はひんやりとしていて、壁のくりぬいたところに明かりの油皿(あぶらざら)が置かれています。
這洞裡面有風、冷人、牆上被挖空的地方放到油燈的碟子。

「ちょうど今、たきぎをなくしたところです。拾ってきますから、少しの間待っていてください」
婆子這就港柴燒完了、自己出去撿、喊和尚先等哈子。

おばあさんはそう言ってほら穴の外へ出ましたが、ふいに振り返ると怖い顔で言いました。
婆子這也就出洞了、然後腦殼一轉、惡起一副臉對到和尚港。

「お坊さま。わたしが戻るまでは、決して奥をのぞかないでください。何しろ一人暮らしな為、奥はひどくちらかっていますから」
我回來之前、你就莫走到洞裡面去、實際上我一個人住裡面也㫘怎麼收拾、所以就好䖰䘅(不潔)

「わかりました。決してのぞきませんから、安心してください」
和尚就港自己絕對不看。

おばあさんが出て行った後、祐慶は火のないいろりの前に座っていましたが、『決して奥をのぞかないでください』と言ったおばあさんの言い方が、あまりにも気になりました。
婆子出去後、和尚坐到爐子邊上烤火、這裡面也㫘得火烤、這就想婆子交待自己前面莫進到裡面去。

「ちらかっているぐらいで、あの言い方はおかしい。何か、あやしい事でもあるのだろうか?」
稍微䖰䘅點也㫘得甚麼要緊嘛、但是我看婆子的樣子硬是另有隱瞞啊。

そこで祐慶は後でおばあさんに謝るつもりで、奥を仕切っているむしろのすきまから中をのぞいてみました。
和尚就準備先進來看一哈、到時候等婆子來了再跟她賠個禮就是啦、這中間就一塊草蓆擋到的、和尚就從縫縫裡面看。

「あっ!」
我日!

祐慶は、思わず叫びました。
和尚著駭到叫。

なんとそこには人間の骸骨(がいこつ)が山の様に積まれていて、壁のあちこちに赤黒い血がこびりついています。
原來裡面死人骨頭是堆成山了、牆上面烏漆麻黑的、血巴(粘黏)到高頭(上面)噴的到處都是。

「さては、人食いの鬼ばばであったか。早く逃げなくては」
這是條吃人鬼婆、這不跑稀爛。

祐慶は荷物をつかむとほら穴を飛び出して、後も見ずに駆け出しました。
和尚幫包一抓、能跑好快跑好快。

ちょうどすぐ後に、おばあさんが戻ってきました。
過了那麼久、鬼婆也是回來了。

「お坊さま、お待たせ・・・」
這進屋還演了一哈
都不曉得和尚早跑了
套話才港得一半。


ほら穴の中に誰もいない事を知ったおばあさんの顔が、みるみる恐ろしい鬼ばばに変わりました。
等洞裡人不見了曉得了、才這變臉了、鬼臉這就顯出來了。

「さては、気づかれたか。坊主め、あれほどのぞくなと言っておいたのに!」
下卵日、我這麼交待他不要看、還是看了。

鬼ばばはくんくんとにおいをかぐと、祐慶のにおいをたよりにすごい早さで逃げた祐慶を追いかけました。
鬼婆就用鼻子開始聞了、聞到和尚的騷跟到和尚去了。

「待てえーー!」
站到莫動!

鬼ばばの声が、どんどん近づいてきます。
鬼婆聲音是越來越近了。

祐慶が後ろを振り向くと、まっ白な髪を振り乱した鬼ばばが、すぐ後ろまでせまっているではありませんか。
和尚回頭、這就看鬼婆散到條頭髮、就到自己屁股後面了。

その時、祐慶は運悪く石につまづいて、草の上に倒れました。
這人也是背時、踋還著塊嵒頭崴到了、趴草叢裡面了。

そして倒れたひょうしに、背中の荷物の中から観音像が転がりました。
這一哈、包裡面的菩薩像也是跟到絆出來了。

「もう駄目だ! 観音さま、お助け下さい!」
已經稀爛了、菩薩救我啊!

祐慶は観音像をすばやく拾い上げると、一心にお経をとなえました。
和尚這就抱到菩薩求啊求、也不跑了、念起經來了。

「経など、無駄じゃ! 頭から丸かじりにしてやるから、覚悟しろ!」
唸經我就怕啊!我要先從你腦殼開始吃、跟我準備好了。

鬼ばばが手を伸ばして、倒れた祐慶をつかもうとしました。
鬼婆斥手過去捉和尚。

その次の瞬間、雲一つない空から一筋の雷が落ちてきて、鬼ばばの体を貫いたのです。
這就天上一哈出來坨雲、一雷劈落來幫鬼婆子穿了。

「ぎゃおうーーーー!」
啊啊啊!

鬼ばばは恐ろしい叫び声をあげて倒れると、そのまま死んでしまいました。
這就一嚎一倒、死了。

「観音さま、ありがとうございました」
菩薩感謝啊、感謝啊

こうして観音像に命を助けられた祐慶は、月明かりをたよりに安達ヶ原を無事に抜け出しました。
這就菩薩幫和尚一條狗命護了、借到月光、和尚也是從這條安達原㫘事的走出去了。

おしまい
结束

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