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1月31日の日本民話
(1月31日的日本民間故事)

青の洞門(どうもん)

青の洞門(どうもん) (健全普通話版)
青洞門

日本語 ・日本語&中国語

♪音声配信(html5)
朗読者 : スタヂオせんむ

山国川(やまくにがわ)にのぞむ断崖の耶馬渓(やばけい)の競秀峰(きょうしゅうほう)は、むかしから交通の難所として知られていました。
山國川流域之內、位處耶馬溪的斷崖絕壁競秀峰、在很久很久以前、這裡的交通可一點兒也不便利。

この絶壁の中腹に青のくさり渡しと言うのがあるのですが、岩壁に沿ってつながれた丸太の上をくさりを伝って渡る物なのです。
就是在這個絕壁的山腹正當中、有著一段叫做青鎖道的通路、而青鎖道也就是在岩壁上盤佈著青鎖、連接青鎖下方的則是被固定住了的橫木。

樋田(ひだ)から青へ行くには、どうしても通らなければならない道で、今まで足を踏みはずして命を落とす人馬が数多くいました。
自樋田朝著青地區出發、無論如何都得經由此路、就導致至今為止很多人都不小心喪命到了此地。

これはこの絶壁に道を作った、二人の男のお話です。
而這就為了這斷崖絕壁而開創一條新的道路的兩人、就是今天故事的主人公。

岩壁に、いつの頃からか、一人の僧が槌(つち)を振るっていました。
在岩壁處不知自何時起、憑空出現了一名輪著錘子的修行僧。

僧の名は禅海(ぜんかい)といい、かつては江戸で中川四郎兵衛という武士の傭人(ようにん→やとわれた人)として仕える男でした。
僧者的名字叫做禪海、曾經的他是在江戶的主人、武士中川四郎兵衛家做僕。

ところがある時、ささいな事で主人を殺してしまい、その罪滅ぼしに禅海という僧になって、諸国行脚(しょこくあんぎゃ)の旅に出たのです。
但是有一天因為一點過意不去的瑣事、便將主人狠下心來殺了去、冷靜過後的他因心裡的軌蹟想要贖罪剃度成為了一名法號禪海的僧人、成為了和尚的他也開始了自己的全國各地修行之旅。

四国の八十八カ所を巡り、九州、豊後の樋田村にたどり着いた禅海は、この絶壁のくさり渡しを見て、
為頂禮四國八十八佛國、進而來到了九州豐後樋田村後的禪海便也撞見了這處絕壁。

「これこそが、求めておった道。罪を償うのは、ここしかない」
終於給我找到了、這才是我一心追尋的贖罪之行。

と、洞門を掘る決心をしたのです。
看到絕壁後的禪海當即就立下了要挖出一條洞門的決心。

享保二十年に最初の槌を振るって以来、禅海は毎日洞門を掘り続けました。
從那天的最早亨保二十年、自禪海舞動手中的大錘開始以來、一天沒有停過。

最初は禅海を厄介者扱いしていた村人も、やがて禅海を応援する様になりました。
最初村子裡面的人都認為這傢伙是來給大傢伙兒添亂來的、但時間一久大家也都熟悉了禪海、村子內中也開始出現了認可他的人。

そしてそれから五年たち、十年たち、ついに二十五年が過ぎたある日、一人の若者が禅海を探して青の洞門にやって来ました。
隨後的五年、十年、直到了二十五年、一位年輕人來到了此時禪海正在挖掘的洞門找到了他。

その若者は禅海が殺した、中川四郎兵衛の長男の実之助(じつのすけ)だったのです。
而就是這個年輕人、他正是被禪海殺掉了的中川四郎兵衛家的長子實之助。

成長した実之助は、父の敵を討つ為にここにやって来たのです。
現如今已經長大成人的實之助、前來找尋自己的殺父仇人禪海報仇了。

「お主が禅海か。以前の名を福原市九郎(ふくはらいちくろう)に相違あるまいか」
你就是禪海嗎?而你以前的名字正是福原市九郎、沒有錯吧?

実之助の声に、槌を打つ禅海の手が止まりました。
突來實之助的問話讓禪海停下了此刻手中正輪著的大錘。

「いかにも。して、そこもとは」
沒有錯、你說的對、就是這樣。

「それがしは中川四郎兵衛の子、実之助と申す。二十五年前に殺された、父の仇を討ちに来た」
我叫實之助、是中川四郎兵衛他的兒子、二十五年前的殺父之仇我現在找你要來了。

そう言われて見れば、たしかに父の面影があります。
這樣說道的實之助、仔細看他的臉確實是有幾分父親的面影。

「おお、中川さまのご子息か。いかにも禅海、そこもとの父をあやめた市九郎に相違ありませぬ。じゃが、何とぞお待ち下され」
這樣啊、你就是中川閣下的公子、我正是禪海、也與殺掉你父親的市九郎同為一人、但、還能再給我一點時間嗎?

禅海はそう言うと、実之助に深々と頭を下げました。
這樣說道的禪海對著實之助深深低下了頭。

「なに! このごに及んで命ごいか!」
甚麼!都到了這個時候你以為求饒還有用嗎?

怒鳴る実之助に、禅海は静かに言いました。
對面此刻已經震怒的實之助、禪海這樣靜靜的回答到。

「いえ、命ごいではありませぬ。ただ、禅海が罪滅ぼしに掘っておる、この洞門が貫通するまでお待ちいただくわけにはいくまいか」
沒有、我並不是想為了乞求活下來向你饒命、而是想讓你寬赦我一個贖罪的機會、請你能夠等待到我將這洞門貫穿的那一天嗎?

「罪滅ぼしか・・・。噂は聞いておる。では少しでも早く終わるよう、手伝ってやろう」
贖罪……傳聞我確實是也有耳聞、那就只能這樣了、為了早點結束現在就由我來幫你一同。

その日から、禅海と並んで槌を振う実之助の姿が見られる様になりました。
也就是從這天開始、揮舞的大錘的人數由一開始的一人變為了現在的兩人。

仇を討つ者と討たれる者は、ただ黙々と槌を振るいました。
復仇者與被討仇者之間兩人不發一語、都只是默默著揮舞著手中的大錘。

そして五年後、ついに青の洞門が完成したのです。
終於又是五年後、洞門被完全的打通了。

禅海が堀り始めてから三十年目のその日、二人の目には、いくすじもの涙が光っていました。
自禪海剛開始的那天算起、現如今的今天都已過去了三十個年頭、此刻兩人的眼中是一同流出了激動的淚水。

禅海は実之助に向き直ると、頭を下げて静かに言いました。
此時的禪海又再一次重新的面對了實之助、並對著他低下了頭這樣說道。

「実之助どの。
實之助閣下

今までよう、我慢してくれた。
距今為止感謝你肯為我拖延了這麼久。

そしてよう、洞門作りを手伝ってくれた。
不僅如此、還與我一同合作完成了洞門。

心から、礼を言う。
我發自內心的先對你說聲謝謝。

・・・さあ、禅海には、もう思い残す事はない。
現如今的禪海心願已了、再無掛念了。

約束通り、父の敵の首をお斬りくだされ」
那麼就和之前答應的一樣、這顆頂上人頭便就交由您為尊父一個討交待吧。

「・・・・・・」
……………

その言葉に、一度は刀に手を伸ばした実之助ですが、実之助は禅海の手を固く握りしめると、そのまま江戸へ帰って行ったのです。
聽聞此話的實之助此刻自己的手也緩緩摸上了刀、可就是突然又轉向了握緊了禪海的雙手緊緊不鬆開、片刻後、就那樣轉頭的回返江戶了。

現在、この洞門は広く舗装されていますが、しかし壁面には、禅海と実之助の槌の跡が所々に残っているそうです。
時間到了現代的今天、洞門已經被改良修繕了很多遍、其規模也已經擴大了很多、但禪海以及實之助當年在壁面上留下了數不清的痕蹟、現在也還是有留存到了洞門的個個角落。

おしまい
结束

↓ ※オタク構文版 (翻訳者の改変意訳バージョンです) ↓

青の洞門(どうもん)
青洞門

山国川(やまくにがわ)にのぞむ断崖の耶馬渓(やばけい)の競秀峰(きょうしゅうほう)は、むかしから交通の難所として知られていました。
經由山國川流域的耶馬渓絕壁高聳、連成一片競秀峰、高亢急峻、天險難行。

この絶壁の中腹に青のくさり渡しと言うのがあるのですが、岩壁に沿ってつながれた丸太の上をくさりを伝って渡る物なのです。
這絕壁中途險阻處雖是由巧匠鏈接了青鎖道、但就只是將無路的岩壁盤掛鐵索、踋下修建棧道。

樋田(ひだ)から青へ行くには、どうしても通らなければならない道で、今まで足を踏みはずして命を落とす人馬が数多くいました。
由樋田向青地區前行、必需經由此道。這就有好多人一步踏錯、一踋⻊反亢(⻊反跌落、亢高懸也)了去、人過㫘得了。

これはこの絶壁に道を作った、二人の男のお話です。
這篇講的就是二個男的到這裡修路的事。

岩壁に、いつの頃からか、一人の僧が槌(つち)を振るっていました。
這就岩壁處、不曉得甚麼時候開始、一條僧人就一直到拿條傢伙到䯨。

僧の名は禅海(ぜんかい)といい、かつては江戸で中川四郎兵衛という武士の傭人(ようにん→やとわれた人)として仕える男でした。
和尚法名禅海、以前到跟江戶的武士一條喊中川四郎兵衛的人作僕。

ところがある時、ささいな事で主人を殺してしまい、その罪滅ぼしに禅海という僧になって、諸国行脚(しょこくあんぎゃ)の旅に出たのです。
但是一時氣不過、弄了老闆、這就悔過當了和尚、四處雲遊。

四国の八十八カ所を巡り、九州、豊後の樋田村にたどり着いた禅海は、この絶壁のくさり渡しを見て、
遊歷了四國八十八佛堂、這就到了九州的豊後樋田村、禪海幫這條天険看到了。

「これこそが、求めておった道。罪を償うのは、ここしかない」
禪海想終於是讓我邏到了、自己的贖罪之行。

と、洞門を掘る決心をしたのです。
這就開始挖了。

享保二十年に最初の槌を振るって以来、禅海は毎日洞門を掘り続けました。
從亨保二十年開始、禪海每日如一。

最初は禅海を厄介者扱いしていた村人も、やがて禅海を応援する様になりました。
一開始別個也都覺得他是條癲子、但後面村子裡也出現了支持他的人。

そしてそれから五年たち、十年たち、ついに二十五年が過ぎたある日、一人の若者が禅海を探して青の洞門にやって来ました。
這就五年、十年、終於過了二十五年、來了個年輕人過來邏禪海了。

その若者は禅海が殺した、中川四郎兵衛の長男の
実之助(じつのすけ)だったのです。
而這條人就是當年被禪海搞死的武士他兒、実之助。

成長した実之助は、父の敵を討つ為にここにやって来たのです。
當年自己小、㫘的辦法、但是現在自己長大報仇來了。

「お主が禅海か。以前の名を福原市九郎(ふくはらいちくろう)に相違あるまいか」
禪海、福原市九郎是你以前的名、㫘錯吧。

実之助の声に、槌を打つ禅海の手が止まりました。
実之助突然出現的聲音、讓禪海手上的挫刀停了。

「いかにも。して、そこもとは」
正是、我還不曉得你名子。

「それがしは中川四郎兵衛の子、実之助と申す。二十五年前に殺された、父の仇を討ちに来た」
中川四郎兵衛、這名字你還記得吧、他兒実之助、二十五年前之仇、我邏你來收了。

そう言われて見れば、たしかに父の面影があります。
和尚一眼望去、確實是像。

「おお、中川さまのご子息か。いかにも禅海、そこもとの父をあやめた市九郎に相違ありませぬ。じゃが、何とぞお待ち下され」
這也就認了、但是講自己還有未完之願。

禅海はそう言うと、実之助に深々と頭を下げました。
這就幫腦鬠佝了落去。

「なに! このごに及んで命ごいか!」
我㫘想到求饒就是你的應對。

怒鳴る実之助に、禅海は静かに言いました。
面對実之助的震怒、禪海也只是講。

「いえ、命ごいではありませぬ。ただ、禅海が罪滅ぼしに掘っておる、この洞門が貫通するまでお待ちいただくわけにはいくまいか」
我命徒留無益、待我貫通這洞門過你就是、罪業纏身、又豈能離去。

「罪滅ぼしか・・・。噂は聞いておる。では少しでも早く終わるよう、手伝ってやろう」
好、那我就助你早日完納劫數、屆時再收你之命。

その日から、禅海と並んで槌を振う実之助の姿が見られる様になりました。
從這天開始、就是禪海和実之助一人一把銼刀一起到這裡䤪穿山腹。

仇を討つ者と討たれる者は、ただ黙々と槌を振るいました。
殺人者與被殺人者之間、不發一語、就只是用手中的銼刀抵住阻礙的嵒頭用榔頭䯨打。

そして五年後、ついに青の洞門が完成したのです。
這就又是五個年頭、一座巨峰過從腹處貫通了。

禅海が堀り始めてから三十年目のその日、二人の目には、いくすじもの涙が光っていました。
攏共三十個年頭、二條人一起就眼睛水雙拋。

禅海は実之助に向き直ると、頭を下げて静かに言いました。
禪海這也過要完成自己的諾言了、對到実之助講了。

「実之助どの。
今までよう、我慢してくれた。
そしてよう、洞門作りを手伝ってくれた。
心から、礼を言う。
・・・さあ、禅海には、もう思い残す事はない。
約束通り、父の敵の首をお斬りくだされ」
自己已無遺願、也感謝別個願意等自己這五年、獻首了。

「・・・・・・」
但是也不見実之助作聲。

その言葉に、一度は刀に手を伸ばした実之助ですが、実之助は禅海の手を固く握りしめると、そのまま江戸へ帰って行ったのです。
這就抽刀了、猶豫了一陣、幫禪海的手靜靜捏到不放、過直接轉身回江戶了。

現在、この洞門は広く舗装されていますが、しかし壁面には、禅海と実之助の槌の跡が所々に残っているそうです。
現在這洞門還留到原所的、因後續的擴張和改修、已經變得大有不同、但是著禪海以及実之助鑿擊過的壁面、痕蹟還是到這裡那裡留到的。

おしまい
结束

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