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2月13日の日本民話
(2月13日的日本民間故事)
ネコの置物を売る店

ネコの置物を売る店
貓報恩

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むかしむかし、江戸(えど→東京都)の浅草(あさくさ)に、貧乏な野菜売りの男がいました。
到好久以前、江戶的淺草、有條賣菜的窮人。

男はおかみさんと年老いた父親を、とても大切にしていました。
窮歸窮、還是幫自己堂客跟老頭好生服侍到。

ところが父親が病気になって、ついに寝たきりになってしまったのです。
但這後面老頭一害病、就癱床上不起來了。

男はおかみさんと交代で父親の看病(かんびょう)にあたり、父親の具合が良い時だけ野菜売りに出かけました。
兩口子就輪流服侍老人家啦、看老頭哪天樣子稍微好點就抽身去賣菜搞點錢。

その為に男の家はますます貧乏になり、その日の食べる米も買えなくなったのです。
這麼一直耗落去自然是越來越窮、有天就無米下鍋了。

もちろん、お金がないので、父親を医者に診せる事も薬を買う事も出来ません。
講是養病、這㫘得錢買藥就一直拖到實際上就是折磨。

「本当に、どうしようかね」
二口子就要想辦法處理這條問題啦。

深いため息をつくおかみさんに、男は頭を下げて謝りました。
男的就好㫘辦法的跟自己堂客講。

「そのうちに何とかするから、もう少し辛抱してくれ。親父の事が心配で、仕事もおちおちやっていられないのだ」
喊堂客再忍下子、自己馬上解決、講癱上爹這事確實㫘辦法。

そして男は、家で買っているネコを抱き上げて言いました。
男的就幫屋裡的老貓一抱。

「お前も知っての通り、今の家にはお前に食べさせる物はない。長い間一緒に暮らしてきたお前と別れるのはつら
いが、これからどうするかは、お前の好きな様にしてくれ」
講屋裡已經㫘得喂它吃的東西啦、想去哪裡就去吧。

それを聞いていたおかみさんは、あきれ顔で、
堂客也是服了自己男人。

「ネコにそんな事を言ったって、言葉が分かる訳ないじゃないの。可愛そうだけど、そのうちにわたしがどこかへ捨てて来るよ」
貓怎麼可能聽得懂人話啦、你過我幫它甩丟去算了。

と、言ったのですが、ネコは次の日から姿を消してしまいました。
但是貓真的好像有靈性一樣、第二天自己過看不到了。

それから二、三日たったある日、寝たきりの父親が言いました。
這過了二三天、癱到床上的老頭講話了。

「なあ、この頃、家のネコは、昼間どこへ行っているのだ?」
貓啦?這幾天怎麼都㫘看到啦。

それを聞いた男は、少し悲しそうに言いました。
男的就稍微有點不怎麼好講。

「実は、二、三日前に家を出たまま、帰ってこないんだ。エサをやる事も出来ないので、きっと愛想つかれたのだろう」
就是這不二天不見了、又不跟它過東西吃、可能跑別個屋了去的哦、貓養不熟的。

すると父親が、不思議そうに言いました。
老頭就奇了個怪。

「いいや、そんな事はないぞ。
㫘啊。

ネコは毎晩、わしの所で眠っておる。
那條貓昨天晚上都到我枕頭邊上蹲到的啊。

わしが腰が痛いと思うと、腰に登ってくれ、肩が痛いと思うと、肩に登ってくれるんだ。
我腰一痛它就上腰、肩膀一痛就跳我肩上來。

ありがたい事に、ネコが登ると痛みがやわらいで、とてもよく眠れるのだ。
主要是被它這麼一窩到、身上一下就不痛了、我睡覺也不得被痛醒。

こう言っては悪いが、お前たちがさすってくれるより気持ちがいいくらいだ。
反正就是這貓有奇效、比起你們比我按摩還有用些。

それなのに昼間は家にいないとすると、どこでどうやって食べているのやら」
白天也㫘看貓到屋、莫興是到甚麼地方捉老鼠吃去了啊。

それを聞いて男とおかみさんは、ネコに悪い事を言ったと後悔(こうかい)しました。
二口子曉得這樣子、早曉得就讓貓留到啦、現在後悔了。

「まさか、ネコに人の言葉が分かるとは思わなかった」
我們也不知道曉得這貓有靈性啊。

「本当にね」
是啊。

「そうだ、今夜親父のところへ来たら、ずっと家にいてくれる様に頼んでもらおう」
今天晚上貓估計又得到老頭那裡去的、到那時就幫貓捉起來、喂它點東西。

「そうよ。いくら貧乏でも、ネコの食べ物ぐらい何とか都合出来るわよ」
是啊、反正貓也吃不到好多。

ところがネコはいつ来ていつ帰って行くのか、父親も知りませんでした。
但是問這貓甚麼時候得來、老人家自己也惘渾、不曉得具體時間、就只講是晚上。

何しろ、ネコが痛いところに登ってくれると、父親は良い気持ちになって、すぐに眠り込んでしまうからです。
因為自貓上了身後老頭也就睡了去、所以也就不怎麼清白。

さて、ネコのおかげなのか、父親の具合がだんだん良くなっていきました。
不曉得是不是這貓有異能、老頭還慢慢的好起來了。

そんなある日の事、男の家に金持ちらしい商人が現れて、こう言うのです。
但是屋裡有天突然來了個有錢的商人。

「あなたの家にネコがいますか? いたら、ぜひゆずって下さい」
講是要看這屋養的貓。

それを聞いた男は、きっぱりと断りました。
男的則是馬上回絕。

「確かに、ネコを一匹飼っていますが、ネコは夜しか戻って来ないので、どこにいるのか分かりません。
講我屋貓我是自己都看不到、它就只晚上回來、你這想看我還不曉得他現在到哪裡。

それにそのネコは、親父の病気を治してくれる大切なネコなので、いくら金をつまれてもゆずるわけにはいきません」
還講自己這貓可以診自屋老頭病、不得賣人的、要留起來。

すると商人は、笑いながら首を振りました。
商人就講自己不是來為這事。

「いやいや、ゆずって欲しいのは、生きたネコの事ではありません。ネコの置き物の事です」
不是你屋養的那條貓、是條貓的擺設品。

「置物の?」
擺設?

そう言えば、この家には知り合いの人が面白半分に土で作った、ネコの置き物があります。
這麼講確實屋裡是有條認得到的捏了個泥巴娃娃擺到自己屋的。

男は棚の上でほこりをかぶっている置き物を出して来て、商人に見せました。
男的就幫這陳年舊物從櫃子上取落來過別個看、上面灰都滿了。

「家にある置物のネコと言えば、これの事ですか?」
違是這條傢伙啊?

「ああ、確かにこれです。どうか是非、これをゆずって下さい」
對對對、就這條、我想過錢讓你賣起我。

「それは構いませんが、しかしまた、どうしてこんな物を?」
起你好啊、但你要這傢伙是搞甚麼哦?

男が尋ねると、商人はニコニコしながら訳を話しました。
男的問話、商人就扭扭捏捏的。

「実はゆうべ、面白い夢を見ましてね。
就稱自己作了條夢。

どこかのネコが夢の中に現れて、
夢裡面來了條貓。

『浅草の野菜売りの家にネコの置き物があるから、それをゆずってもらいなさい。そうすればますます商売が繁盛する』
貓喊我過來幫這條娃娃買走、是講可以讓我生意越來越好。

と、言うのです」
交待了。

「なるほど。そう言う事ですか」
這麼到啊。

「はい、大切な物と思いますが、商人は縁起を担ぐものです。どうかその置物を、これで」
商人還肯定以為這是條甚麼好東西、一定要別個讓起自己。

そう言って商人は、小判を何枚も取り出しました。
當場就幫金貝取出來過男的看了。

それだけあれば、当分の間は生活に困りません。
男的還真就好缺這幾個錢。

「わかりました。おゆずりしましょう」
當場答應了。

男がネコの置き物を渡すと、商人は喜んで帰って行きました。
商人覺得自己撿了寶、笑了個卵脬翻天的回去了。

「それにしても、不思議な事もあるものだ。ただの置物が高値で売れるなんて、こんな幸運は二度とないぞ」
男的也是不思議、廢品變黃金、這事估計也不得出第二回了。

ですが次の日、商人と同じ夢を見たという客がやってきたのです。
哪曉得第二日、又有條人來要泥巴娃娃、也講自己是作了條甚麼貓夢。

しかし家には、もうネコの置き物はありません。
但這屋裡的娃娃都賣完啦。

客ががっかりして帰った後、三人は話し合いました。
別個就好失望的回去了、一屋三口這就商量。

「あんな客がまた来たら、どうしよう?」
要是還有人來買娃娃怎麼搞啦?

「でも、家にあったネコの置物は、あの一つきりだからな」
但是我們屋就那一個啊。

「そうですね。もっと置物があったら良かったのに」
那多搞幾條不就好了啊。

するとそこへ近所の親しい人がやって来て、こう言いました。
住到附近的熟人過來串門、曉得別個缺娃娃也出主意。

「それなら、今戸焼き(いまどやき)のネコを買って来て、家に置いておけばどうだ」
你們去專門賣貓娃娃的地方買幾個就是啦、今戶那裡好多。

今戸(いまど→東京都台東区の北東部で隅田川に面する地名)というところは焼き物が盛んで、主にネコやカッパの置き物をつくっていました。
今戶盛產窯器。

さっそく男は商人からもらった金で、ネコの置き物を二十個ほど仕入れました。
男的過一下用商人過的錢直接進了二十個。

すると次々に夢を見たと言う客がやって来て、ネコの置き物が面白い様に売れるのです。
這還真是邪、估計這貓一個個人輪流托夢、所有作夢的人都過來買貓娃娃、還都賣出去了。

やがて男の家は、ネコの置物のおかげで金持ちになりました。
男的一屋就靠搞這事過發家了。

それとうれしい事に父親の病気はどんどん良くなり、どこかへ家出していたネコも戻ってきたのです。
屋裡老頭子的病也是看到了好轉、跑出去不歸屋的老貓這過也回來了。

それから男は野菜売りをやめて、浅草の観音さまの境内(けいだい)に店を構えると、ネコの置き物を専門に売る事にしました。
男的這也不賣菜了、直接當廟口邊上開家貓娃娃店、開賣。

男は小さな置き物から大きな置き物まで、たくさんのネコの置物を仕入れて、それに座布団(ざぶとん)をつけて売ったのです。
從大到小、各种各樣的小貓兒娃娃、幫它們就擺到小枕頭上面讓別個選。

それから半年後、家を助けたネコの話が江戸中に広がり、浅草へ来た人はみんなこの店の置き物を買うようになったのです。
半年後男的屋裡養了條招財貓的事是廣為流傳、過來淺草要買貓娃娃也專門邏他屋。

それから、あの生きた方のネコは一日中店の奥にいて、のんびりと座布団の上に座っていましたが、次の年、ネコは眠る様にして死んだという事です。
而店子的最裡面真貓也到小枕頭上面窩到的、又是一年、上了年紀的老貓、就到枕頭上面睡到睡到再也不看它醒了。

おしまい
结束

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