福娘童話集 > きょうの日本民話 福娘童話集 きょうの日本民話 童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集
 


福娘童話集 > きょうの日本民話 > 3月の日本民話 >子ザルのまつ

3月20日の日本民話

子ザルのまつ

子ザルのまつ
長野県の民話長野県情報

日本語 ・日本語&中国語

おりがみをつくろう ( おりがみくらぶ より)
猿の顔の折り紙さるのかお   猿の折り紙さる

♪音声配信(html5)
朗読者 : スタヂオせんむ

 むかし、松代町(まつしろちょう)と言うところに、徳嵩源五郎(とくたけげんごろう)と言う腕の良い彫り物師が住んでいました。
 ある日、源五郎は山でサルの親子を見つけました。
 母ザルは猟師に鉄砲で撃たれたのか、背中から血を流して死んでいましたが、そのふところには生まれたばかりの子ザルが、母ザルのおっぱいを探して手足を動かしています。
「なんと、可哀想に」
 哀れに思った源五郎は、さっそく子ザルを抱くと家に連れて帰りました。
 そして源五郎夫婦は子ザルに『まつ』と言う名前を付けて、我が子同様に可愛がったのです。

 まつはとてもかしこいサルで、源五郎が踊りや芸を教えると、それは上手にやってみせるのです。
 そしてまつの話は評判になって、やがては松代(まつしろ)の殿さまの耳にまで届きました。
 殿さまはさっそく、源五郎とまつを呼び寄せました。
 まつは源五郎の合図に合わせて、逆立ちや宙返りの芸を見せました。、
「これは見事。見事だ」
 殿さまは、大喜びです。
 そしてまつの芸を見終わった殿さまは、源五郎に言いました。
「源五郎よ。金なら、いくらでも出そう。だからサルをゆずってくれ」
「えっ、まつを?」
 これには、源五郎も困ってしまいました。
 たとえ殿さまの命令でも、まつは我が子同様に可愛がっているサルです。
(よわったな)
 何と返事をしたら良いかと迷っていると、源五郎のそばに座っていたまつが、とつぜん殿さまの前に進み出て、ていねいに両手をつくと、
『そればかりは、ごかんべんを』
と、言う様に、何度もおじぎをしたのです。
 これを見た殿さまは、とても心を打たれて、
「よいよい、今の言葉は取り消しじゃ。だがその代わり、時々城へ遊びに来るのじゃぞ」
と、やさしく言いました。
 こうして源五郎夫婦とまつは、それからも仲良く幸せに暮らしました。

 今でもまつのお墓は、松代町大信寺にある徳嵩家の墓地に残っているそうです。

おしまい

前のページへ戻る


     3月20日の豆知識

366日への旅
きょうの記念日
電卓の日
きょうの誕生花
三椏(みつまた)
きょうの誕生日・出来事
1956年 竹中直人 (俳優)
恋の誕生日占い
音楽にも絵にも、人並み外れた才能を持っています
なぞなぞ小学校
思わず売ってしまう服の素材は?
あこがれの職業紹介
アロマセラピスト
  3月20日の童話・昔話

福娘童話集
きょうの日本昔話
家から遠くなっても
きょうの世界昔話
旦那さまの中の旦那さま
きょうの日本民話
子ザルのまつ
きょうの日本民話 2
弥藤次荒神(やとうじこうじん)
きょうのイソップ童話
モミの木とイバラ
きょうの江戸小話
てつびん
きょうの百物語
人を水中に引き込むカッパ

福娘のサイト

http://hukumusume.com

366日への旅
毎日の記念日などを紹介
福娘童話集
日本最大の童話・昔話集
さくら SAKURA
女の子向け職業紹介など
なぞなぞ小学校
小学生向けなぞなぞ