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12月26日の日本民話

冬の竹の子
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※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先
制作: フリーアナウンサーまい【元TBS番組キャスター】
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投稿者 「ひつじのおえかきASMR」
むかしむかし、とても親思いの息子が、年寄りのお母さんと二人で住んでいました。
ところがある年の冬、お母さんが病気になってしまったのです。
息子は心配で心配で、ご飯ものどを通りません。
昼も夜もつきっきりで、お母さんの看病をしました。
ある雪の降る日、お母さんが息子に言いました。
「ああ、竹の子が食べたい」
でも竹の子は春から夏にとれるもので、雪の降る季節にとれるはずがありません。
(どうしよう? でも何とかして、お母さんの願いをかなえてあげたいなあ)
そこで息子は、お母さんに言いました。
「それじゃ、山へ行って竹の子を探して来ます」
息子は山奥の竹やぶを見つけては、竹の子は無いかと探しましたが、やはり竹の子は一本も生えていません。
「ない、ないよ」
でもお母さんの事を思うと、ないとわかっていても探さずにはいられないのです。
「神さま、お願いです。一本でいいから、竹の子を下さい。病気のお母さんに、食べさせてあげたいのです」
息子は竹やぶを見つけるたびに、手を合わせました。
そのうちに、あたりがだんだん暗くなってきました。
(仕方がない。今日は、あきらめよう)
息子が帰ろうとした、その時です。
なんと目の前の土がモコモコと盛り上がって、一本の竹の子が生えてきたのです。
「竹の子だ!」
息子はむちゅうで竹の子をほり出すと、飛ぶようにして家に帰りました。
家に帰った息子はさっそく竹の子を煮て、お母さんに食べさせてあげました。
「ああ、なんてうまい竹の子じゃ」
お母さんは涙を流しながら、竹の子を食べました。
すると不思議な事に、お母さんの病気がだんだんとよくなってきたのです。
やがてお母さんの病気はすっかり治り、二人は仲良く暮らしたそうです。
おしまい
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