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2月17日の世界の昔話

不思議な白いヒツジたち

不思議な白いヒツジたち
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おりがみをつくろう ( おりがみくらぶ より)
羊の折り紙ひつじ

♪音声配信(html5)
音声 おはなしや

 むかしむかし、あるところに、とても貧しい農民の一家がいました。
 農民は地主から畑を借りて作物を育てていましたが、畑を貸してもらっている代わりに取れた作物の半分を地主に取られるので、いくら働いても貧乏なままです。

 そこで貧しい農民は地主に畑を返すと、山奥の荒地に自分たちの畑を作りました。
 山奥の荒地は地主の物ではないので取れた作物を地主に取られることはありませんが、でも山奥では獣たちに毎晩の様に畑を荒らされますし、人を襲うトラやオオカミもいるので毎日がおびえながらの生活でした。

 そんなある夜の事、家の娘が畑の見張りをしていると、どこからか真っ白なヒツジの群れがやって来て畑を荒らし始めたのです。
「大変! みんな起きて!」
 娘の言葉に家族が飛び起きると、今もたくさんのヒツジたちが畑を荒らしています。
「このままでは、せっかくの畑が台無しになってしまう」
 家族は手に棒を持ってヒツジたちを捕まえようとしましたが、ヒツジたちは畑を荒らすだけ荒らし回ると山の中へと消えてしまいました。

 翌朝、家族は荒らされた畑を少しでも直そうと畑へ行きました。
 すると不思議な事に、ヒツジたちに荒らされた畑の作物が、とても元気に育っていたのです。
「これは、どういう事だろう?」

 その次の夜も、そのまた次の夜も、どこからか白いヒツジたちが現れて畑を荒らしましたが、でもそのたびに作物は大きく育っていったのです。
 おかげで荒地を耕しただけの農民の畑からは、地主の立派な畑の何倍もの作物が取れたのです。

 さて、この不思議な話は農民たちの間で有名になり、意地悪な地主の耳にも届きました。
「よし、おれの畑もそのヒツジたちに荒らしてもらって、もっと作物が取れるようにしてやろう」
 地主は山奥の一家の畑を高い値段で買い取ると、その畑から自分の家の畑につながる長い柵を作りました。
 そして地主は夜になると、いつもの様に現れたヒツジたちを自分の畑へと追い込みました。
「それ! 不思議なヒツジたちよ。おれの畑を存分に荒らしてくれ!」
 地主はヒツジたちに荒らされていく自分の畑を見て、ニヤリと笑いました。
「これで明日になれば、おれの畑の作物はよく育っているだろう」

 翌日、地主がニコニコしながら畑にやって来ると畑は昨日の荒らされたままで、おまけにその年からその畑に何を植えても作物が育つ事はなかったのです。

 その後、地主から高い値段で畑を買い取ってもらった貧乏な農民は、そのお金で商売を始めてお金持ちになりました。
 一方、ヒツジたちに畑を荒らされて作物が育たなくなった地主は貧乏になり、やがてその土地を捨ててどこか遠くへ行ってしまったそうです。

おしまい

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