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12月3日の世界の昔話

運のよい男

運の良い男
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投稿者 「琴菜 ASMR」  琴菜 ASMR

♪音声配信(html5)
音声 琴菜 ASMR

 むかしむかし、自分のだんなさんをとてもきらっているお嫁さんがいました。
「ああ、こんな人のところへ、お嫁に来たのが間違いだったわ。顔もきらい、髪型もきらい、着ている服もきらい、特に、あのヒゲが大きらいよ」

 ある日の事、だんなさんは王さまの命令で、となりの国まで出かける事になりました。
「うふふ。これは、いいチャンスだわ」
 ニヤリと笑ったお嫁さんは何と木の実の粉に毒をまぜて、五百粒の毒薬をつくったのです。
 お嫁さんはだんなさんに毒薬の袋を渡して、やさしく言いました。
「あなた、今度の旅は大変長い旅ですから、どうぞこの薬を持っていってくださいね。これは疲れた時に飲むと、とても元気が出る薬ですよ」
「そうか、それはありがとう」
 だんなさんは自分を殺す為の毒薬とは知らず、お嫁さんにお礼を言って毒薬を受け取りました。

 さて、男が旅に出て山道を歩いているうちに、日が暮れてしまいました。
「仕方がない、今夜はここで泊まるとしよう。だが、寝ているうちにけものに襲われては大変だから、木の上で寝るとするか」
 男はそう考えて、木に登りました。
 しかしその時、お嫁さんがくれた毒薬が入った袋を、木の根元に置き忘れてしまったのです。

 その夜、五百人の泥棒がとなりの国から五百頭の馬と宝物を盗み出して、男が寝ている木の下を通りかかりました。
「おや? 何だ、これは?」
 木の根元に何かが入った袋があるのを見つけた泥棒の親分が、袋を開けてみました。
 すると袋の中には、紙が入っていて、
《元気の出る薬》
と、書いてあります。
「おお、これはちょうどいい」
 泥棒たちはくたくたに疲れていたので、その薬を一粒ずつ飲みました。
 するとたちまち五百人の泥棒たちが、バタリバタリと一人残らず死んでしまいました。

 よく朝、目を覚ました男は、五百人の泥棒が死んでいるのを見てびっくりです。
「これは、どうした事だ!?
 ・・・おや? お嫁さんにもらった薬の袋が空っぽだ。
 ・・・そうか、そう言う事か。
 お嫁さんは、わたしをきらっていたからな。
 でも、おかげで助かったよ」
 こうして男はお嫁さんが作った毒薬のおかげで、五百頭の馬と宝物を手に入れる事が出来たのです。

 男は五百頭の馬に宝物をのせて、となりの国へ向かいました。
 しばらくすると、大勢の人が馬を飛ばしてやってきました。
 それはとなりの国の王さまと家来たちで、馬や宝物を盗んだ泥棒たちを捕まえようと、あとを追ってきたところでした。
 王さまは、五百頭の馬を引き連れた男を見つけるとたずねました。
「お前は、何者じゃ?」
「はい、わたくしは、あちらの国の王さまの使いの者でございます」
「その使いの者が、どうして五百頭の馬を持っておる? その馬は、五百人の泥棒が盗んでいった馬だぞ。五百人の泥棒たちはどうした?」
「それは・・・」
 男は自分のお嫁さんが自分を殺すために作った毒薬のおかげで、泥棒たちが死んだと言うのがはずかしくて、ついうそを言いました。
「はい、五百人の泥棒たちは、わたくしが一人残らず退治しました」
「何と、たった一人で五百人を倒しただと? まさか、そんな事が?」
 そこでさっそく見に行くと、たしかに五百人の泥棒が死んでいました。
「お前は、何と強い男だろう」
 王さまは男にたくさんのほうびをやると、自分の国に連れて帰りました。

 王さまの国の野原には一匹のライオンが住んでいて、多くの人がそのライオンに殺されています。
 そこで王さまは、男にライオン退治を命じました。
「お前ほどの男なら、ライオンを退治するぐらいかんたんだろう」
「いや、それは」
「何しろお前は、五百人の泥棒を退治したのだからな」
「ええ、まあ、・・・はい」
 男は五百人の泥棒を退治したとうそを言った事を後悔しましたが、今さらどうにもなりません。
 男はすごすごと、野原へ出かけていきました。
「ああ、おれはライオンに、食い殺されてしまうのか」
 野原に着くとさっそく、一匹のライオンが襲いかかってきました。
「ガォーッ!」
「た、助けてくれーっ!」
 男は夢中で逃げ出すと、やっとの事で木の上によじ登りました。
「ガォーッ!」
 ライオンは木の下まで来ると木に前足をかけて立ちあがり、上を見あげながら大きな口を開けました。
 男が疲れて落ちてくるのを、待ちかまえているのです。
 男は恐ろしさでブルブルとふるえ、手に持っていた刀をポトリと落としてしまいました。
「あっ、しまった。大事な刀が!」
 しかし運が良い事に、刀は上を向いて大きく口を開けていたライオンの口の中に落ちて、ライオンはあっけなく死んでしまったのです。
「ああ、また助かった。おれは、何て運の良い男だろう」
 こうして男はまたまた王さまにたくさんのほうびをもらうと、この国で幸せに暮らしたのでした。

おしまい

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