福娘童話集 > 新作の紹介 福娘童話集 きょうの新作昔話 童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集
     9月16日の豆知識

366日への旅
きょうの記念日
マッチの日
きょうの誕生花
おりづるらん
きょうの誕生日・出来事
1957年 東国原 英夫(宮崎県知事)
  9月16日の童話・昔話

福娘童話集
きょうの日本昔話
海の水はなぜしょっぱい?
きょうの世界昔話
コマとマリ
きょうの日本民話
夜泣きのあかり
きょうのイソップ童話
ヘルメスと彫刻家
きょうの江戸小話
江戸見物
広告
 


福娘童話集 > きょうの新作昔話 >田上(たがん)のキツネ

2011年 9月16日の新作昔話

田上(たがん)のキツネ

田上(たがん)のキツネ
鹿児島県鹿児島市の民話鹿児島県情報

 むかし、鹿児島の田上(たがん)と呼ばれるあたりに、まだキツネがいた頃のお話です。
 一人の百姓があぜ道でたばこをふかしていると、わきの草やぶで何かごそごそと音がしました。
「何じゃろう?」
 じっと見ていると、一匹のキツネがツワの葉をちぎってはやぶの上に敷いて、それが終わると今度はツワの汁を体中にこすりつけているのです。
「はて、不思議な事をするもんじゃ」
 そして体中が汁だらけになったキツネは、ごろんごろんとツワの葉の上で転がりました。
「ははーん。こりゃ、何ぞに化けるところじゃな」
 そのうちキツネは、それはきれいな女の子に化けてしまいました。
「へー、大したもんじゃ」

 さて、百姓が見ていたとは知らないキツネが、すました顔で村の方に行こうとするので、百姓は思いきって声をかけました。
「キツネよ、よう化けたもんじゃな。まこと、べっぴんなおなごじゃ」
 するとキツネはびっくりして、百姓に言いました。
「おじさん、見ていたの?」
「ああ、始めから見とったぞ。
 じゃが、わしが思うに、キツネはやっぱりキツネでいる方がええぞ。
 いくらべっぴんに化けても、人間には尻尾など生えておらんからな」
「えっ?」
 キツネがお尻に手を当てると、百姓の言うようにキツネの立派な尻尾はそのままでした。
 娘に化けたキツネは顔をまっ赤にすると、はずかしさに顔を押さえながら逃げていきました。

 それからこの田上には、キツネが現れなくなったそうです。

おしまい

ページを戻る

新作の紹介メニュー

福娘童話集

新作の紹介
福娘のサイト
366日への旅
毎日の記念日・誕生花 ・有名人の誕生日と性格判断
福娘童話集
世界と日本の童話と昔話
女の子応援サイト さくら
職業紹介・誕生日占い・おまじないなど
子どもの病気相談所
病気検索と対応方法、症状から検索するWEB問診
世界60秒巡り
国旗国歌や世界遺産など、世界の国々の豆知識